矯正治療を受ける前に患者さんに知っていただきたい10のポイントについて、総院長 松本正洋が書き下ろしました。
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矯正治療って、歯並びを治すわけですけど、非常にたくさんの方法があります。普通は歯にブラケットというボタンみたいなのを付けて、そこに針金を通して治します。これが、最も一般的なやり方です。
ですが、歯が1本だけ飛び出してるような場合は、針金を使ったりせずに、その歯を抜いて両サイドの歯をかぶせて、 その抜いたすき間を埋めるということもします。また、少しのガタガタでしたら、そのまま歯を削り、セラミックをかぶせて治すこともできます。
また、針金を使う場合でも、歯の裏側につけたり、白い針金をしたり、すごく細いのを使ったり本当に色々あります。
そして、究極は取り外し式の透明な装置で歯を動かすこともできます。
あなたが矯正をする場合は、よく相談されてから、ご自分にほんとに合った方法を納得してから、治療を受けて頂きたいと思います。
あなたは、矯正治療は何のためにしたいですか?人によってそれぞれ目的があると思います。基本的に矯正治療をする理由で一番多いのが、見た目を気にされてる方です。 見た目が治れば、自分に自信が持てます。行動も活発になり、毎日が楽しくなります。
二番目に多い理由は、歯並びをきれいにすることによって、虫歯や歯周病を防ぐことです。現在、日本人が歯を失う80%の理由が虫歯と歯周病です。この2つの病気を予防できれば、歯は高い確率で残ります。歯の残ってる本数が多いほど、
全身の病気にもなりにくく、寿命も長くなります。
そして、もし矯正治療をするかどうか迷っているなら、早く始めたら、これらのメリットをそれだけ早く受け取ることができる訳ですから、矯正治療された方がいいでしょう。
アメリカやヨーロッパは、歯並びにすごくうるさく、歯並びが悪いと就職や結婚にも不利になります。特に八重歯は「おおかみの歯」といって嫌われています。日本はそんなことはありませんが、やがてアメリカのようになると思います。外資系の会社に関係のある方などは気をつけられた方がいいでしょう。
どちらも、メリット・デメリットがあります。どちらを選ぶかは、時間、費用、見た目、性格など色んな面が関わってきます。「歯並びを治したい」イコール「矯正」とは限りません。では、具体的にご説明します。
1本から2本くらいが出っ歯の場合はその歯だけを削ってかぶせて歯の方向を変えて治すこともできます。(ただ、大きく削る場合は歯の神経をとる場合があります。)前歯が出ておられる方の場合は、大きく2つの治療法があります。
歯の軸の方向を引っ込めてから、かぶせる方法。
また、その出てる歯だけを抜く方法もあります。その場合は、両サイドの歯を削ってかぶせて3本つなぎのブリッジという歯を入れ、抜いたすき間を埋めます。
ブリッジによる治療ではなく矯正でする場合は、左右の小臼歯という歯を2本抜いてすき間を作り、そのすき間を使って出っ歯の引っ込めます。
よって、この場合はどちらでもOKです。
この場合は、歯並びから大きくはずれている歯を普通は2本抜きます。そして、6本にわたり、全体的にかぶせます。抜いてできたすき間はかぶせることによって、きれいに埋まります。
ブリッジによる治療じゃなく矯正でする場合は、左右の小臼歯という歯を2本抜いてすき間を作り、そのすき間を使って出っ歯の歯を引っ込めます。よって、この場合はどちらでもOKです。
矯正治療の最大の欠点は、やはり装置が見えることでしょう。それが嫌で矯正治療に踏み切れない人もたくさんいます。でもご安心下さい。
透明な取り外し式の矯正装置もあります。その装置は透明で目立ちませんので、人目を気にせずにすみます。
従来、矯正治療というと、歯にワイヤーをつけてするのが普通でした。 ところが、仕事の関係上、人前に出る機会が多い、ワイヤーの違和感が気になる、見た目がいやなど、矯正治療には患者さんの色々な思いがありました。それを解決するのが、インビザラインです。
このように透明な装置ですので、つけててもわかりません。違和感もほとんどなく、すぐに慣れます。
インビザラインで歯を動かす原理についてご説明します。でこぼこで悪い状態の歯並びの歯型を作り、模型の上で少しずつ歯を動かした模型を20〜25個作ります。
そして、その模型に対応した装置を同数の20〜25個作ります。それらの装置を順番に入れていくことにより、歯並びが綺麗になります。
インビザラインは世界中で250万人の方が治療を受けています。(2013年12月現在) インビザラインについては多くの論文があり、
審査のある学術専門誌でも発表されており、安全な治療法です。ただ、全てのケースで使えるわけではありませんので、
担当医とよくご相談下さい。(シビアなケースは難しいです。)
矯正の装置が見えるのが嫌で矯正治療に踏み切れない人もたくさんいます。矯正装置をつけると見た目が悪いということが、矯正治療の最大の欠点かもしれません。でもご安心ください。人から見えない装置もあります。いわゆる裏側矯正っていうやり方です。
裏側矯正では、普通は歯の表側につけるブラケットというボタンみたいなのを歯の裏側につけ、針金も歯の裏側につけるため、人からは全く見えません。
特に、裏側矯正の中でもドイツ生まれのインコグニートという治療法は非常にいい方法です。今までの裏側矯正は、欠点がたくさんありました。痛い、期間がかかる、きれいに治りにくい、ブラケットがよく脱落する、などです。ところが、インコグニートはこれらの欠点を全て克服しました。ほんとに、素晴らしい治療法です。世界中の歯科医師たちはこの新しい、すごい矯正法を絶賛しています!
他に、歯の表から付けるのですが、白いワイヤーもあります。白いワイヤーは、他人が見ても中々ワイヤーをしているとは気付かれません。ただ、近くからじっと見るとわかりますが、上品な白色で、銀色のワイヤーとは雰囲気が全然ちがいます。この方法もおすすめです。