矯正装置にはとても多くの種類があります。歯を裏側から前方に押し出したり、引っ張ったりする場合に使うリンガルアーチについてご説明します。
リンガルアーチとは
リンガルアーチは主に子どもの矯正に使われており、金属製のワイヤーで作られた装置です。
歯の内側に歯に沿ってワイヤーが走るような形になっていて、歯の内側に装着して前歯の1〜2歯の反対咬合を治すために使います。
矯正の装置には取り外し式のものと固定式のものがあり、リンガルアーチは固定式の装置です。
どの歯をどの方向に動かすかによってワイヤーの形は様々で、患者さんお一人おひとりに合わせた形状で作られます。
反対咬合の改善例
リンガルアーチの弾線という部分で前後が逆になっている前歯を押して反対咬合を改善します。
装着後すぐはバンドの部分やワイヤーに違和感を感じることがありますが、しばらくすると慣れますのでご安心ください。
【治療内容】このお子さんは前歯1本だけが反対咬合になっており、その1本だけを前に出すためにリンガルアーチという装置を入れました。およそ3週間でこの歯が前に出ました。
リンガルアーチは歯の裏側に装着して、内側から前歯の1〜2歯を正しい位置に移動させます。歯の裏側に着けるため表側からは矯正していることがわかりません。
歯が生えるためのすき間を作るために使用することもあります。単純な構造をしているために違和感が少なく、虫歯のリスクも少ないです。取り外しは自分では行えません。
【費用】120,000円(税抜)
【リスク】初めて装置を入れたお子さんにとっては一週間くらいは慣れないので思わず指で触ってしまい装置を変形させてしまわないようにすることが大事です。
【治療内容】反対咬合のお子さんをリンガルアーチで治療しました。
【費用】リンガルアーチ ¥120,000(税抜)
【リスク】初めて装置を入れたお子さんにとっては一週間くらいは慣れないので思わず指で触ってしまい装置を変形させてしまわないようにすることが大事です。
リンガルアーチ使用時の注意点
装置をつけてすぐは、お口の中に異物感を感じると思いますが、指や舌で装置を触らないようにしてください。装置が壊れたり、逆に指や舌に小さな傷をつけることがあります。
最初は少し話し辛いと感じるかもしれませんが、暫くすると殆どの方が慣れます。
食事は装置を着けたままで行います。硬いものやキャラメルなどの粘着性のあるものは装置が壊れることがあります。
装置を口に入れていると歯みがきがしにくいので、丁寧にブラッシングしてください。定期的に歯科医院でのクリーニングをお受けいただくと、装置に挟まった食べかすや歯と歯の間の歯垢を除去出来、虫歯や歯周病を防ぎます。