矯正歯科の治療中の痛みを気にされている方も多いと思います。
痛みは矯正歯科の欠点でもあります。全く痛くないということはありませんが、現在では装置の種類も数が多くなり、かなり克服できます。
痛みの種類としては、
この3つにつきます。
ワイヤー矯正の場合の歯が動くときの痛みについてご説明しますと、当院では最初に入れるワイヤーは直径が0.25ミリの物を使っております。
このワイヤーは世界最先端のワイヤーでこれより細い矯正歯科用ワイヤーはありません。この細いワイヤーをブラケットにかけて治療を始めることにより、患者様の歯にかかる痛みは激減しました。
また、弱い力で効果的に歯を動かしていくので、歯根吸収※というリスクも減らすことができます。
そのため歯周病や虫歯にかかった際に抜歯などのトラブルを引き起こす可能性があります。
※ 歯根吸収とは、許容範囲を超える強い力で長く矯正を行ってしまうと、歯根と呼ばれる歯の根元が減ってしまい、歯が抜けやすくなるというトラブルです。
また、歯の移動時の痛みは通常3日程度がピークでその後ひきます。治療期間の間、しばらく痛みが強く続くという事ではないのであまり気にされなくても大丈夫です。
マウスピース型のインビザラインの場合は、新しいアライナー(マウスピース)に交換した時に歯に違和感や痛みを感じる場合があります。
ただし、ワイヤー矯正に比べて、マウスピース矯正は、痛みが少ない矯正装置と言われております。
1枚のマウスピース(アライナー)で歯は一般的に約0.25mmしか動くことはありません。
また、マウスピースで歯を覆っているため、動きつつある歯で誤って噛む事をしても、覆われているので痛く感じにくくなるという特徴があります。
ただ、マウスピースの場合は、開始直後の装着時に、歯の締め付け感が強いため、痛みと感じてしまう事もあります。
後、マウスピースを外す時も、同様にアタッチメントという歯を動かすための突起物に引っ掛かり、痛みを覚える事がございます。
これらについては、PBMヒーリングを使う対応を行うとかなり緩和され、歯も動きやすくなります。PBMヒーリングは矯正装置とは別料金になりますので、担当医にご相談くださいね。
ワイヤー矯正で装置が頬にあたる痛みについてご説明します。
頬以外にも歯肉や舌など、お口の内側の組織に当たると口内炎のような症状になることがございます。
当院ではなるべくワイヤーなどが頬にあたらないように付けるよう気をつけています。
稀に装置が頬に当たる位置にワイヤーセットをされていても、歯科用のワックスを使うと、かなり痛みが軽減します。
ワックスがどんなものかご説明いたしますと、柔らかいゴムみたいなものです。それを装置にくっつけます。
歯科用ワックスは、万が一間違って飲み込んでも、体に問題のない材質で作製されています。ご安心ください。さらに、このタイプの痛みはほとんどの場合、慣れますので心配いりません。
このように、器具の進化によって歯列矯正の痛みは従来よりもかなり軽減されていますので、ご安心くださいね。
食事の時に痛みがあるという方はどんな対策をすればいいのでしょうか。
食事中の痛みの多くの原因は硬い物を食べた時です。特に食事に制限はございませんが、通院直後などは少し柔らかい食べ物を噛めば痛みは起きにくいでしょう。
例えば、豆腐や、煮物、卵料理、柔らかめにゆでた麺料理、お肉はミンチ状だと痛みを感じずに無理なく食べることができます。
多くの痛みは、ワイヤー交換時、アライナー交換時などの調整を行った日から起きています。
矯正に慣れていない始めの頃は1週間ほど痛みが続く方もおられますが、矯正治療に慣れてくれば、痛みは何日も続くことはなく、交換時のみ痛むという方が多いです。
矯正でどうしても痛む場合は、必要に応じて薬を服用するのも効果的だと思います。
鎮痛剤を飲むほど痛い矯正治療は、当院では行っておりません。ただ、どうしても痛みが辛い場合は、市販薬の鎮痛剤(ロキソニンやカロナールなど)を服用するのも一つの手段です。
矯正治療の痛みは、矯正期間中ずっと続きません。人は痛みに大変慣れやすいものです。
ただ、痛みはやはり個人差があります。どうしても、痛みが治まらないなど心配事がありましたら、きちんとご相談くださいね。