インビザラインで歯を効率よく動かすために、歯にアタッチメントと呼ばれるコンポジットレジンの突起物を付けます。その目的やどうやって歯に付けるのかについてもご説明します。
目次
アタッチメントを歯に付ける手順
インビザラインのアタッチメントは、担当の歯科医師が患者さんの歯1本1本に接着します。
1. まず、歯の表面の汚れを除去し、磨いてきれいにした後、歯面を乾燥させます。
2. 歯にコンポジットレジン(歯科用プラスチック)がしっかりと着くように、歯面にエッチングという薬剤を塗布して水で洗い流します。
3. コンポジットレジンを専用のアライナーに充填した後、歯に装着して光を照射して固めます。アラインテクノロジー社から送られてくる治療計画書に従って、付ける予定の歯全てにつけていきます。
3. アライナーを外すと、歯にアタッチメントがついた状態になっていますが、そのままでは表面がザラザラし、汚れがつきやすい状態になっています。そのためレジンの表面をきれいに研磨してツルツルの状態にします。
4. アタッチメントを付けてからインビザラインを装着すると、今までよりも少し締め付け感を強く感じるようになりますが、2~3時間ほどで慣れますのでご心配はいりません。
5. また、アタッチメントを付けてからは、アライナーをを取り外す際に今までよりも力が要ります。慣れるまでは外しにくいかもしれませんが、慣れてしまえば簡単に取り外しができるようになります。
インビザラインのアタッチメントとは?
アタッチメントは3~5mm程度の大きさで、白いコンポジットレジンですので、近づいてみない限り、あまり目立ちません。歯にかける力の方向や向きによって、四角や丸などの様々な形があり、どの歯にどの種類のものを付けるかは、クリンチェックで作製する治療計画の中に含まれています。
アタッチメントの役割
- アライナーが浮かないように歯にしっかりと密着させる
- 歯を動かす方向に力をかけて動かしやすくする
1.アライナーが浮かないように歯にしっかりと密着させる
インビザラインでの矯正では、アライナー(インビザラインの透明なマウスピース)の形通りに歯が動いていきますので、アライナーと歯はピッタリと合った状態ではありません。そのため、歯にマウスピースを付けただけの状態では、アライナーが歯から浮きやすくなります。歯の表面とアライナーの表面がツルツル滑って浮きやすくなることもあります。
アタッチメントを付けることで、マウスピースが歯から動かずに固定されます。
2.歯を動かす方向に力をかけて動かしやすくする
アライナーの装着後、歯をよりしっかりと動かすために、アタッチメントを付けて歯に力を加えます。付けた場合と付けない場合では、付けた方が歯が良く動くようになります。
アタッチメントを歯の表面につけることで、歯をクリンチェックの通りに動かすことが出来、治療計画通りの歯並びに整って行きます。
【動画】インビザラインアタッチメント
アタッチメントが取れてしまった時は?
アタッチメントは歯からポロリと取れてしまうことがあります。その場合はすぐに歯科医院に連絡をし、再度付けるためにすぐに受診するべきか、それとも次回までそのままで良いのか、担当医の指示に従って下さい。
取れた時の対処
- どの場所が取れたのか歯科医院に連絡する
- すぐに付けなおす必要がある場合は出来るだけ早めに受診する
- 歯の動きに影響がない場合は取れたままで治療を進める
アタッチメントが当たると口内炎になる?
普段はアタッチメントの上にインビザラインのアライナーを付けて完全にマウスピースで覆いますので、アタッチメントが直接お口の粘膜に当たって刺激されることはありません。
しかし、お食事の際にアライナーを外すと、アタッチメントの表面には角もあるため、粘膜を傷つけて口内炎になることがあります。粘膜に当たる部分が傷になって口内炎を起こすようでしたら、歯科医院にご相談ください。
アタッチメントはどうやって歯から外すの?
歯をすべて動かし終えたら、レジンリムーバーを使ってアタッチメントを歯から外していきます。外した後の歯面はザラザラしていますので、研磨して滑らかにします。
この際に、歯のエナメル質を少し削ります。人によってはエナメル質が薄く、知覚過敏を起こす場合もあります。そのため、アタッチメントを外してすぐにホワイトニングを行う時は、知覚過敏でしみる場合がありますので注意しましょう。ホワイトニングをしたい時は、少し期間をおいてからにしましょう。
インビザラインのアタッチメントはどうやって歯に付けるのかに関するQ&A
まず、歯を清掃し、エッチング薬剤で処理し、アタッチメントをコンポジットレジンで形成し、専用のアライナーを使用して固定します。
取れた場合は歯科医院に連絡し、医師の指示に従いましょう。取れてしまうとその歯は動きにくくなります。担当医が再び取り付ける必要があるかどうかを判断して対処します。
歯から外す際には、レジンリムーバーを使用して取り外されます。その後、歯面を研磨して滑らかにし、必要に応じてホワイトニングなどの処理を行うことがあります。
まとめ
インビザラインのアタッチメントについて、付け方、外し方、注意点などをご説明しました。インビザラインで治療計画通りに歯を動かしていくためには、アタッチメントを歯に付けなければなりません。それによって、より正確に歯に力が加わり、歯が動くようになります。
インビザラインのアタッチメントの配置に関する具体的なプロセスについての研究は見つかりませんでしたが、役割や特性に関する研究は存在します。
1. インビザラインのアタッチメントの役割・・インビザライン治療においてアタッチメントは、歯の移動の効率を改善するために重要な役割を果たします。アタッチメントは、合成樹脂のボタンとして歯の表面に接着され、アライナーの保持力を高めると共に、特定の歯の動きを支援します【Barreda et al., 2017】
2. アタッチメントの精度と効果・・精度と効果に関する最新の研究では、アタッチメントの異なる方法やアライナー要因の効果について評価しており、アタッチメントの設置と管理に関する重要な情報を提供しています【Alharbi et al., 2023】
これらの情報に基づくと、インビザラインのアタッチメントは歯の動きを効率的に制御するために重要な役割を果たしています。ただし、具体的な配置方法については、これらの研究では直接的な説明は見つかりませんでした。一般的に、アタッチメントは歯科医師によって歯の表面に樹脂材料を用いて精密に接着され、インビザラインアライナーの装着時に適切な歯の動きを支援します。配置と管理については、治療を受ける歯科医師からの指導に従うことが重要です。