マウスピース矯正のインビザラインは、1日22時間以上の装着が推奨されていますが、22時間というのはかなり長い時間です。1日24時間のうち、マウスピースを外せるのは2時間だけということになりますが、この装着時間が守れない場合、どうなるのか、どうして22時間以上の装着が必要なのかについて、ご説明します。
目次
インビザラインを22時間装着出来ないとどうなるの?
アライナーを付けている間は、歯並びが良くなる方向に動く力が働きますが、外している時間が長くなると、歯は逆に動いて、ガタガタや出っ歯などの元の歯並びに戻っていこうとします。
そのため、矯正治療をスムーズに進めていくためには、アライナーを外す時間をなるべく少なくすることが必要になります。歯科医師によっては20時間の装着でOKという場合もありますが、後戻りを最小限に抑えるために、22時間の装着が推奨されています。
インビザラインに22時間以上の装着が必要な理由
矯正治療は矯正装置を歯につけることによって、歯に少しの力をかけ続けて、歯を動かしていきます。
矯正治療中は歯が動きやすい状態になっていますので、もし装置を外すと、若干後戻りを起こします。後戻りというのは、せっかく動かした歯が元の位置に戻ってしまうことをいいます。
後戻りを起こさずに歯並びをきれいに並ぶ方向へ動かし続けるためには、20時間では若干後戻りを起こしてしまいます。そのため、当院では患者さんに22時間の装着をお願いしています。
インビザラインをつけたままで仕事中にコーヒーを飲んでもいい?
コーヒーなどの色の濃い飲み物は、アライナーをうっすらと茶色に着色してしまいます。そのため、アライナーをつけている時は、色のない飲み物が推奨されます。
糖分を含んだ飲み物が歯とアライナーの間に入ると、飲み物に含まれる糖が歯の表面に長い時間滞留しますので、虫歯になるリスクが高まります。
だからといって、コーヒーを飲んでいる間ずっとアライナーを外していると、外している時間だけ歯が後戻りを起こしてしまいます。お食事や歯磨きの時間以外には、なるべくアライナーをつけたままにしていただくことが推奨されますので、アライナーを装着している間に飲んでも大丈夫なものは無色透明な「水」ということになります。
アライナーを付けたままで食事してはダメ?
インビザラインでの治療中は、食事の際にはアライナーを外します。アライナーを付けたままで食事をすると、歯茎とアライナーの間に食べ物が挟まって痛かったり、アライナーが割れたり壊れたりすることがあります。
アライナーが壊れると、1つ前か後のアライナーを歯に装着することになり、治療計画通りに治療が進まなくなります。治療に支障をきたしますので、食事をするときは必ずアライナーを外しましょう。
インビザラインを22時間装着するためのポイント
インビザラインを1日22時間装着するのはとても無理と思われるかもしれませんが、いくつかの工夫で装着時間を伸ばすことが出来ます。
- 食事前はギリギリまでアライナーをつけておく
- 食事時間をなるべく短くする
- 食事後はすぐにアライナーを洗って歯磨きして再装着する
- 色の濃い飲み物はストローで飲む
インビザラインの22時間装着が無理な場合に関するQ&A
インビザラインを22時間装着できない場合、どのような問題が生じる可能性がありますか?
インビザラインを十分に装着しないと、歯が元の位置に戻る後戻りが起こって治療の進行が遅れたり、効果が減少する、マウスピースがはまらなくなるという可能性があります。
インビザラインを22時間以上装着する必要がある理由は何ですか?
インビザラインは歯を移動させるための装置で、外している時間が長くなると歯が後戻りしやすくなります。22時間以上の装着が必要なのは、この後戻りを最小限に抑え、治療を効果的に進めるためです。
インビザラインをつけたままでコーヒーを飲んで良いのですか?
コーヒーのような色の濃い飲み物はアライナーを着色させる可能性があります。アライナーをつけている時は、できるだけ色のない飲み物を摂ることが推奨されます。
まとめ
インビザラインの装着時間22時間以上というのは、なかなか大変なイメージがありますが、ライフスタイルを工夫することで、装着時間を伸ばすことが可能です。
しかし、どうしても22時間の装着は無理と思われる方は、担当の矯正医に遠慮なく相談しましょう。