裏側矯正

裏側矯正はどんな人に向いてるの?

裏側矯正はどんな人に向いてるの?

大阪矯正歯科グループ 歯科医師 松本 正洋

裏側矯正は、ワイヤー矯正で使うブラケットとワイヤーを、歯の裏側に装着しますので、他人からは装置が見えにくい状態になります。このような特徴から、裏側矯正はどんな人に向いているといえるのかご説明します。

裏側矯正が向いているケースと年齢層

裏側矯正は特定のニーズやライフスタイルを持つ人々に特に向いています。以下に具体的なケースや年齢層を挙げて説明します。

仕事や学校で目立ちたくない人

裏側矯正は、矯正器具が表から見えないため、見た目を気にする仕事や学校生活を送っている方に向いています。特に、営業職や接客業、または学校での交流が活発な学生にとって、周囲の視線を気にすることなく矯正治療ができる点が大きなメリットです。

特別なイベントを控えている人

結婚式や重要な写真撮影、就職活動などのイベントを控えている場合も、裏側矯正は見た目に影響を与えないため、治療を受ける上での負担が少ない選択肢です。

裏側矯正に向いている人の職業は?

裏側矯正が向いている人の職業は以下のような方です。

  • 会社や店舗の受付
  • 接客業
  • モデル
  • スポーツ選手
  • 司会
  • セミナー講師

主な矯正装置としては、ワイヤー矯正、裏側矯正、マウスピース矯正があげられます。

不正咬合の度合いによって使用する装置が決定される場合もありますが、通常は、患者さんのライフスタイルや職業に合う装置を選ぶことが出来ます。

裏側矯正が一番得意としているのは、出っ歯を引っ込めるということですので、上の前歯が突出しているのが気になる方には適した矯正装置といえます。

▼裏側矯正についてはこちらで詳しく解説しています。

裏側矯正に合っている歯の状態や症状

裏側矯正が適しているのは見た目の問題だけではありません。患者さんの歯の状態や矯正治療の必要性によっても適応性が異なります。

軽度から中度の不正咬合

歯並びが比較的軽度から中度の不正咬合の場合、裏側矯正は非常に効果的です。特に、歯並びが前歯に集中しているケースでは、表側矯正と同じくらいの効果が期待できます。

重度の不正咬合

重度の不正咬合の場合でも、裏側矯正は適応できることが多いです。ただし、治療計画や期間が通常よりも長くなる可能性があるため、治療の詳細について歯科医としっかり相談することが大切です。

裏側矯正のメリットは?

裏側矯正にはいくつかメリットがありますので、ご説明します。

1. 笑った時に矯正装置が目立たない

正面からはほとんど矯正していることがわかりません。矯正していることを知られたくない・装置が見えると仕事に差し支えがあるお仕事の方に適した装置です。

裏側矯正ならば、人と会話をする機会が多い接客業や営業職、セミナー講師やコンサルタントなど、人に見られる仕事をしておられる方も、人目を気にすることなく普段通り過ごせます。

また、よくあるご相談に、卒業式や成人式、結婚式などのイベントの際の記念撮影で、矯正装置をつけている状態を写されたくないというものがあります。

裏側矯正ならば他人から見えにくく、写真を撮る時も気にせずに笑顔でいられます。

2. 前歯を後ろに下げやすい

一般的にワイヤー矯正では小臼歯を抜歯して、歯を動かすためのスペースを作ります。そして歯全体にブラケットとワイヤーをつけ、奥歯を固定源にして、前歯を後ろに引っ張って下げていきます。

しかし前歯を後ろに引っ張る力で、奥歯も前に動いてしまうということが起こり、思ったほど前歯が後ろに下がらないということが良く起こります。

その点、裏側矯正は歯を後ろに引き込む形になりますので、前歯を後ろに下げたい場合にはスムーズに動かすことができます。

虫歯リスクが低い

歯にブラケットやワイヤーを装着すると、装置の周りは歯磨きがしにくくなり、食べ物が挟まったり歯垢がついたままになりやすい状態になります。特に上の前歯の内側は自分で見ることが出来ません。

歯に磨き残しを付けたままで時間が経過すると、汚れの中で細菌が繁殖して虫歯になりやすくなります。特に歯の表側は唾液が行き渡りにくく、虫歯になりやすい場所でもあります。その点、歯の裏側は唾液が流れてきますので、表面と比べると虫歯になりにくいといえます。

唾液には洗浄作用、殺菌作用、再石灰化作用などがあって、細菌の繁殖を抑制します。

3. スポーツの時のケガのリスクが低い

歯の表側に装置をつけていると、例えば、ラグビーやアメリカンフットボール、柔道などのスポーツで他の競技者と接触したり、転んだときなどの強い衝撃で、口に怪我をするリスクが高くなります。歯の裏側に装置をつけている場合は、そのリスクを減らすことが出来ます。

吹奏楽の楽器の演奏を妨げない

吹奏楽部の部員やミュージシャンとして管楽器を吹いている人の場合、矯正装置を歯につけていることによって演奏に影響を及ぼすことがあります。裏側矯正の場合は、表側矯正と比べると楽器を吹く邪魔になりません。

裏側矯正と表側矯正(ワイヤー矯正)との違い

歯の表側にブラケット、ワイヤーといった矯正装置を装着するのが表側矯正(ワイヤー矯正)です。そして、歯の裏側にそれらの装置をつけるのが裏側矯正です。

つまり、見た目上の裏側矯正とワイヤー矯正の違いは、裏側矯正は歯の後ろにつけるために他人から見えにくく、ワイヤー矯正は歯の表面につけるので他人から装置が見えてしまうという点です。

裏側矯正もワイヤー矯正も、固定式ですので、患者さん自身で取り外すことは出来ません。

裏側矯正が向いている人に関するQ&A

Q

裏側矯正はどのように歯に装着されるのですか?

A

裏側矯正は、歯の裏側にブラケットとワイヤーを装着する方法です。これにより、他人から装置が見えにくくなります。

Q

裏側矯正が向いている人の例を教えてください。

A

裏側矯正は、受付、接客業、モデル、スポーツ選手、司会、セミナー講師など、人前で仕事をする職業の人々に向いています。

Q

裏側矯正の虫歯リスクが低い理由は何ですか?

A

裏側矯正では歯の裏側に装置があり、唾液が流れてくるため、歯の表面に比べて虫歯リスクが低いと言えます。唾液には細菌の繁殖を抑制する作用があるためです。

まとめ

歯のキャラクター

裏側矯正は歯の裏側に装置をつけますので、表側矯正に比べると、他人から矯正装置が見えにくいというのが大きなメリットです。

目立たない矯正には他にマウスピース矯正があり、1日22時間の装着が必要で、食事や歯磨きの時に取り外せるのが特徴です。患者さんのライフスタイルによって、取り外し式か固定式(ワイヤー矯正・裏側矯正)のどちらが良いのか選ぶことも可能です。矯正装置の見た目を気にされる方は、一度ご相談ください。

この記事の監修者

医療法人真摯会
理事長 歯科医師 総院長
松本正洋
クローバー歯科、まつもと歯科 総院長。国立長崎大学歯学部卒業。1989年歯科医師免許取得。1998年医療法人真摯会設立。矯正歯科の認定多数。日本抗加齢医学会 認定医。

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