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良い噛み合わせを保つための方法は?

良い噛み合わせをキープするための方法は?

良い噛み合わせを保つことが出来れば、顎関節や歯に問題が起こるリスクが減ります。どのように良い噛み合わせをキープすれば良いのか、噛み合わせが悪くなる原因や対処法についてご説明します。

良い噛み合わせを保つには

噛み合わせの悪化を防いで良い噛み合わせを保つにはどうしたらいいのでしょうか?

かぶせ物の高さの調整の治療を受ける

インレー、クラウン

最近虫歯の治療などでかぶせ物を新しくした場合に、以前の歯や被せ物とほんの少しだけ高さが違っているために、うまく噛めなくなっている場合があります。

以前は問題なくきちんと噛めていたのに、最近受けた治療をきっかけに噛み合わせがおかしくなっている方は、このケースが殆どです。

その場合は新しいかぶせ物を少し削って調整を行ったり、かぶせ物を作り直したりして元の正しい状態に戻す診療を行います。

詰め物や被せ物の高さの調整の際に、噛んでみてどんな感じがするのか歯科医師から何度か聞かれると思いますが、明らかに高い、低いと感じる以外のことは言えないと思わないで下さい。「何となく違和感がある」程度のことでも必ず伝えましょう。

歯ぎしりや噛みしめを減らす

仕事中や、何かに集中しているとき、ついつい奥歯を噛みしめていませんか?適正な歯の位置とは、口を閉じた時に、上下の歯の間に少し隙間が空いている状態です。1日の間に上下の歯が当たっている時間は、食事時の15~20分ほどが普通で、それ以上歯が当たっているなら噛みしめすぎの恐れがあります。

また、歯ぎしりは睡眠中に行うため自覚することが少なく、周囲の人に指摘されて初めて気づくことがほとんどです。

ナイトガード

すぐに出来る対策としては、歯ぎしりや噛みしめから歯を守るための効果があるナイトガードというマウスピースがありますので、歯科医院で処方してもらって使用しましょう。

噛み合わせや歯並びを悪くする癖や習慣を見直してみる

以下のような癖はありませんか?これらはすべて噛み合わせや歯並びを悪くする可能性がありますので、出来る限りなおしましょう。

  • 口呼吸
  • 指しゃぶり
  • 頬杖をつく
  • 舌癖(舌で前歯を押すなど)
  • 猫背
  • 爪を噛む
  • 柔らかいものばかり食べる
  • 片側の歯でばかり噛む
  • 歯ぎしり、食いしばり

癖の程度によっては、大きな影響があります。痛みが生じるような状態になってなくても、なるべくこれらの癖はなおしましょう。

噛み合わせにはどんなことが関係しているの?

女性

噛み合わせは上下の歯の位置だけの問題ではなく、歯の形や顎関節や筋肉の状態などが関係しています。虫歯の治療をして詰め物や被せ物をした際に左右の歯の高さが合っていなくてアンバランスが生じ、そのために咬合がおかしくなることもあり、ほんの些細なことで噛み合わせが狂ってしまうことがあります。

歯は主に食事の時に使われますが、食べ物を小さくして飲み込むための歯の機能として、前歯で噛み切る、奥歯ですり潰すといった、様々な動きが必要です。

物を噛むこと以外にも、咬合の狂いによって発音に影響が出たり、容貌が変わることもあります。噛み合わせを正しい位置に保つという目的のためにはどういうことに気をつければ良いのか、以下でご説明します。

噛み合わせのバランスがずれる原因

頬杖

噛み合わせのバランスを狂わせる原因は主に3つあります。

  1. 頬杖をつく、顎を枕に乗せる、同じ方向で横向き寝をするなどの日常の癖
  2. かぶせ物の治療後、段差が出来た
  3. 歯ぎしりや歯を食いしばる癖によって歯が削られてしまった

咬合の調整を行っても、日常的な習慣によって、噛み合わせが悪くなってしまう恐れは十分にあります。このため、咬合を悪くしている原因を知り、良い噛み合わせをキープすることが必要です。

 

歯ぎしり、食いしばりを続けるとどうなるの?

歯ぎしり、噛みしめ、食いしばり

歯ぎしり、食いしばりが続いたことによって様々な症状が起こります。代表的なものは以下の通りです。

  • 歯がすり減りる
  • 歯がしみる(知覚過敏)
  • 骨隆起が起こる
  • 被せ物や詰め物が外れやすい
  • 歯が割れる
  • 歯周病の進行リスクが高い
  • 顎関節症になりやすい
  • 口のまわりの筋肉が痛む
  • 顎のずれ
  • 頭痛・肩こりが起こる

無意識のうちに噛みしめていることが多い場合は、出来るだけあごの力を抜いて自然な状態に戻すように気を付けて生活しましょう。常日頃から「食べる・飲み込む・話す」以外は上下の歯を合わせないように意識して、あごをリラックスさせた状態を保ちましょう。

ストレスを抱えると無意識のうちに歯を強く噛みしめてしまうことが多く、うつや更年期障害の方は噛みしめも強くなる傾向があります。ストレスは万病のもとです。出来るだけ意識してリラックスできる時間を作ることも大切です。

噛みしめが起こるのはどんな時?

噛みしめが起こりやすいタイミングは以下のような場合です。

  • 仕事に集中しているとき
  • パソコンやスマホの操作に集中しているとき
  • 集中して料理をしているとき
  • テレビや映画などを集中して見ているとき
  • ゲームに夢中になっているとき
  • 考え事をしているとき
  • なにかにイライラしているとき
  • 重い荷物を持ち運んでいるとき
  • スポーツで力を入れた瞬間

無意識に行っていることが多いので、噛みしめが起こりやすい場合には出来るだけ顎関節周辺の力を抜くように気を付けたり、ナイトガードを夜間にしっかりはめるようにするなど、ご自身で対処して改善しましょう。

良い噛み合わせを保つための方法に関するQ&A

Q

良い噛み合わせを保つための被せ物の高さの調整治療はどのように行われますか?

A

かぶせ物の高さの調整治療は新しく被せ物を被せた後、以前の歯や被せ物との高さの違いによって噛み合わせが悪くなる場合に行われます。歯科医師はかぶせ物を削ったり、作り直したりして、正しい咬合を回復させるために調整を行います。

Q

噛み合わせの調整時、患者は歯科医師にどのようなことを伝えると良いですか?

A

歯科医師は噛み合わせの調整時に、患者に感じることを尋ねます。具体的には、高さに関しての違和感や不自然さ、噛んだ際の違和感を伝えるよう求めます。患者は「高い」や「低い」と感じるだけでなく、「何となく違和感がある」といった些細な感覚も伝えるべきです。

Q

歯ぎしりや噛みしめを減らすための効果的な方法は何ですか?

A

歯ぎしりや噛みしめを減らすための方法には、仕事中や集中した時に奥歯を噛みしめることが多い場合、上下の歯の間に隙間を保つ意識を持つことが大切です。また、ナイトガードと呼ばれるマウスピースを歯科医師から処方してもらい、睡眠中に歯ぎしりや噛みしめを防ぐことができます。

まとめ

歯のキャラクター

人には様々な癖がありますが、噛み合わせや歯並びを悪する癖や習慣があります。これらは普段何気なく行っている場合が多く、顎関節や歯に悪い影響があると思っておられなかったり、癖に気づいていない方もおられます。上記でご説明したような様々な癖は、噛み合わせや歯並びだけでなく、全身の健康に影響を与えるものもありますので、出来るだけなおして良い咬合をキープしたいものです。

この記事の監修者

医療法人真摯会
理事長 歯科医師 総院長
松本正洋
クローバー歯科、まつもと歯科 総院長。国立長崎大学歯学部卒業。1989年歯科医師免許取得。1998年医療法人真摯会設立。矯正歯科の認定多数。日本抗加齢医学会 認定医。

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