インビザライン

インビザラインの洗い方とやってはダメな事

インビザラインの洗い方とダメな事3選!

大阪矯正歯科グループ 歯科医師 松本 正洋

インビザラインは透明で取り外し可能で、周囲から目立ちにくいマウスピース型の矯正装置です。毎日食事の度に着脱が必要なので、虫歯や歯周病予防のためにもマウスピース(アライナー)をその都度きれいに洗って清潔な状態を保つ必要があります。

マウスピースをずっと装着していたら汚れます。インビザラインのお手入れの仕方、ダメな事についてご説明します。

インビザラインの正しい洗い方

インビザラインの洗浄は、お口の中を健康を保ち、矯正装置の効果を得るために大変重要です。インビザラインの正しい洗浄方法をステップごとに紹介します。

1. 毎日の基本的な洗浄方法

使用するもの

  • 柔らかい歯ブラシ
  • 無香料の液体石鹸または歯磨き粉
  • ぬるめのお湯

手順

  1. 取り外す・・インビザラインを口から取り外します。
  2. すすぐ・・インビザラインを温水で軽くすすぎ、表面の汚れを落とします。熱湯は変形の原因となるので避けてください。
  3. ブラシで擦る・・柔らかい歯ブラシに無香料の液体石鹸または少量の歯磨き粉をつけ、インビザラインを優しくブラッシングします。細かい部分や凹凸のある箇所も丁寧に洗います。
  4. すすぐ・・再び温水ですすぎ、洗剤や歯磨き粉の残留物を完全に取り除きます。
  5. 乾燥・・清潔な布やペーパータオルで軽く拭き、保管する場合は自然乾燥させます。すぐに再装着する場合は、濡れたままつけても大丈夫です。

2. 週に一度のていねいな洗浄方法

使用するもの

  • インビザライン専用の洗浄剤またはマウスピース専用洗浄剤
  • コップまたは容器
  • 温水

手順

  1. 取り外す・・インビザラインを口から取り外します。
  2. すすぐ・・インビザラインを温水ですすぎ、表面の汚れを落とします。
  3. 洗浄剤の準備・・コップまたは容器に温水を入れ、専用の洗浄剤を入れて溶かします。
  4. 浸け置き・・インビザラインを洗浄液に浸け、約15~30分放置します。
  5. すすぐ・・浸け置き後、インビザラインを取り出し、温水で十分にすすぎます。
  6. 乾燥・・清潔な布やペーパータオルで軽く拭き、保管する場合は自然乾燥させます。すぐに再装着する場合は、濡れたままつけても大丈夫です。

3. 注意点

  • 熱湯は避ける・・インビザラインは熱に弱いため、熱湯での洗浄は避けてください。変形の原因となります。
  • 漂白剤やアルコールは使用しない・・強い化学薬品はインビザラインの材質を傷める可能性があります。
  • ブラッシングは優しく・・強くこすりすぎると、インビザラインに傷がつく恐れがあります。

4. 保存方法

インビザラインを使用しないときは、専用のケースに保管し、乾燥した清潔な場所に置いてください。これにより、紛失や汚れを防ぐことができます。

これらの方法を実践することで、インビザラインを清潔に保ち、快適に使用することができます。

インビザラインの洗浄はなぜ必要なのか

インビザライン

インビザラインなどのマウスピース型矯正装置を毎日洗浄することは、清潔に使用する上で大変重要です。

1. 細菌や歯垢の蓄積を防止する

マウスピースを長時間装着すると、食べ物のカスや細菌がマウスピースの表面に付着しやすくなります。これらの汚れが歯垢に変わると、その中で細菌が繁殖し、歯や歯茎の健康を害する可能性があります。マウスピースのの定期的な洗浄により、歯垢の蓄積を最小限に抑えることができます。

2. 口臭を防止する

マウスピースの表面に細菌が付着すると口臭の原因にもなります。常にインビザラインを清潔な状態にしておくことで、不快な口臭を防ぎ、口腔衛生を保つことができます。

3. インビザラインの表面を透明に保つ

インビザラインは透明な素材でできており、これが矯正中の見た目の面で大きなメリットとなっています。しかし、マウスピースに汚れや歯垢が付着すると、マウスピースが変色し、少しずつ透明性が損なわれていくことがあります。定期的な洗浄によってマウスピースの表面をクリアに保ちましょう。

4. 快適な装着感を維持する

きれいに洗浄されていないマウスピースを装着すると、表面に汚れや細菌がついたままになっており、不快感を引き起こす可能性があります。清潔なマウスピースは歯に快適にフィットし、矯正治療を円滑に行うことが出来ます。

5. インビザラインの耐久性を維持する

定期的な洗浄によってマウスピースが適切にケアされていることで耐久性が保たれ、長期間にわたって最適な状態で使用することができます。

マウスピース型矯正装置の洗浄方法としては、専用のクリーナーやマイルドな石鹸水を使用して、毎日手入れを行うことが推奨されます。また、装置を使用していないときは、清潔で乾燥した場所に保管することも重要です。

インビザラインは食事の前に必ず取り外す

インビザライン

マウスピース矯正インビザラインでは、毎日マウスピースをきれいに洗ってお手入れすることが必要です。具体的にどのようにすれば良いのかご説明します。

インビザラインのマウスピースは飲食の際には取り外す必要があります。取り外したマウスピースは専用のケースに入れて保管し、食後の歯みがきの時にマウスピースもきれいに洗ってから歯に再装着します。

外出時に基本的に1日にマウスピースを洗ったり歯磨きを行ったり出来ない場合もあると思います。その場合はさっと洗うだけである程度の汚れは落ちます。基本的に基本的に1日1回は時間をかけて丁寧にお手入れしましょう。

インビザラインを清潔に保つための注意、やってはダメな事

インビザライン


透明なマウスピースを保つためには、飲食の際にインビザラインをしっかり外す、この一点に尽きます。しかし食事の時には気を付けて外しても、意外とお茶などの飲み物の場合にマウスピースを外すのを忘れてしまう方がおられます。

水を飲む際はアライナーをつけたままでも着色汚れはありませんが、コーヒー、紅茶、麦茶の場合は、色のある飲み物なので歯とマウスピースの間に入り込んで濃い色が見えてしまいます。

また、アライナーを装着したまま40℃以上の高い温度の飲み物を飲むと、マウスピースにゆがみや破損が生じます。マウスピースが装着できないというトラブルの原因になりますので、気を付けましょう。

食事の際にマウスピースの取り外しをしなければならない理由は、歯とマウスピースの間に糖分や食べかすが入ってしまうからです。マウスピースと歯は密着した状態ですので、そこに糖分が入ると、虫歯のリスクが高くなります。

虫歯が悪化した場合は根管治療や抜歯に至る可能性もありますので、しっかりお口の環境を管理していきましょう。

インビザラインを洗う時の注意、やってはダメなこと

インビザラインを洗浄する際には、以下の注意点を守り、避けるべきことに留意しましょう。

1. 熱湯で洗う

インビザラインの洗浄時には熱いお湯の使用は厳禁です。インビザラインの耐熱温度は60度程度ですので、洗う際には40度以下の水またはぬるま湯で洗いましょう。熱湯で洗うと、インビザラインが変形してしまい、使用出来なくなる場合があります。

2. 硬いブラシで擦って洗う

インビザラインを洗う際には、硬めのブラシや歯ブラシの使用を避けましょう。硬いブラシでインビザラインをゴシゴシ擦ると、アライナーの表面に小さな傷がついてしまい、変色や細菌の繁殖を起こしやすくなります。出来るだけマウスピース専門のブラシを使用して洗いましょう。

3. 漂白剤の使用やアルコール消毒

マウスピースをきれいにするために漂白剤を使ったり、アルコールで拭くことは避けましょう。漂白剤やアルコールはマウスピースの表面の変化や変色を招く可能性があります。マウスピースを洗う時には専用の洗浄剤を使うなど、歯科医院からの指示通りに行いましょう。

インビザラインは力を抜いてやさしく洗浄しましょう。洗い方を間違えるとマウスピースが変形や変質を起こし、治療に支障が起こりますので注意しましょう。

インビザライン保管するときの注意、やってはダメな事

インビザライン アライナーとケース

マウスピースを保管する際の大敵は、不衛生な環境と、高温です。
熱くならない場所に保管してください。先程申し上げたように、40度以上のお湯を使用してはいけません。なるべくお手入れの際にも十分注意してください。

外で飲食を行う場合、お店でマウスピースをティッシュにくるんで置いておくとどうなるでしょうか。もし、テーブルから落としてティッシュから外れた場合は、衛生的にも良くありませんよね。また、患者様が装着を忘れてそのまま退店してしまうと、店のスタッフにゴミと間違えられ、アライナーが捨てられる可能性があります。

このようなトラブルにならないためにはどうすればいいのか。
それは、矯正治療スタートの時にお渡しする保管ケースを常に持ち歩き、外したらケースに入れるという事を習慣にしましょう。ケースに入れておけば、不衛生な環境は避けられますし、紛失というトラブルも回避できます。

まとめ

歯のキャラクター

インビザラインは取り外し可能な矯正装置なので、適切なお手入れが重要です。毎日の基本的な洗浄方法は、ぬるま湯ですすぎ、柔らかい歯ブラシと無香料の液体石鹸や歯磨き粉で優しくブラッシングすることです。週に一度は専用洗浄剤での洗浄が推奨されます。

注意点として、熱湯での洗浄や漂白剤・アルコールの使用は避け、硬いブラシで強くこすらないようにします。食事や色のある飲み物を摂取する際は必ず外し、専用ケースに保管しましょう。

これらの手入れにより、細菌や歯垢の蓄積を防ぎ、口臭を予防し、インビザラインの透明性と耐久性を保つことが出来ます。

この記事の監修者

医療法人真摯会
理事長 歯科医師 総院長
松本正洋
クローバー歯科、まつもと歯科 総院長。国立長崎大学歯学部卒業。1989年歯科医師免許取得。1998年医療法人真摯会設立。矯正歯科の認定多数。日本抗加齢医学会 認定医。

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