歯科矯正全般

中学生で歯列矯正を始めるメリット

中学生の歯列矯正の始め方中学生の時期の歯並びや噛み合わせの問題は、将来の健康や自信に大きな影響を与えます。歯列矯正は単に見た目の問題だけでなく、健康な天然歯の長もちや、しっかりと咀嚼出来る機能性という面でも重要です。中学生で始めるメリットについてご説明します。

中学生の矯正治療はどんな治療をするの?

「中学生の矯正治療って具体的にどんなことをするの?」
「矯正は痛いって聞くけど、本当?」

このような疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか?実は、中学生の矯正治療は大人とは少し違い、成長期ならではのメリットを活かした治療が可能です。

中学生の矯正治療の特徴とは?

中学生の矯正治療は「第二期治療」と呼ばれ、永久歯が生え揃った段階で行う治療です。小学生の頃に「第一期治療」を受けた方もいれば、中学生から本格的に始める方もいます。

大人と比べて、以下のような特徴があります。

  • 顎の成長を利用できる
    → 骨がまだ柔らかいため、顎の形を整えやすい。
  • 抜歯を回避できる可能性が高い
    → 永久歯のスペースを確保しやすく、抜歯せずに治療できるケースが多い。
  • 歯が動きやすい
    → 成長期なので、歯の移動がスムーズ。

では、具体的にどんな方法があるのでしょうか?

中学生の矯正治療の種類

中学生の矯正には、主に以下の3つの方法があります。

1. 表側矯正(ワイヤー矯正)

ワイヤー矯正

最も一般的な方法で、歯の表面にブラケットという装置を貼り付け、ワイヤーで歯を動かします。

  • メリット
    幅広い症例に対応可能
    進み具合が分かりやすい
    他の方法より費用が抑えられる

  • デメリット
    見た目が気になる
    最初は違和感や痛みを感じることも

ただ、最近では白や透明のブラケットを使うことで、目立ちにくくすることもできますよ。

2. 裏側矯正(舌側矯正)

裏側矯正

歯の裏側にブラケットを付ける方法です。見た目が気になる方にはおすすめです。

  • メリット
    装置が見えにくい
    表側より虫歯になりにくい

  • デメリット
    発音しづらくなることがある
    費用が高め

「学校で矯正をしていることを知られたくない…」という方にはピッタリの方法ですね。

3. マウスピース矯正(インビザライン)

インビザライン

取り外し可能な透明のマウスピースを装着して歯を動かす方法です。

  • メリット
    目立たない
    食事や歯磨きの時に外せる

  • デメリット
    1日20時間以上装着しないと効果が出ない
    ワイヤー矯正より適応できる症例が少ない

「部活や学校行事で見た目を気にしたくない!」という方にはおすすめです。ただし、自己管理が必要になるので、しっかり装着できるかどうかがポイントになります。

矯正治療中の注意点

歯磨き

中学生の場合は、以下のポイントに気をつける必要があります。

  1. 歯磨きを丁寧にすること
    装置があると歯垢が溜まりやすく、虫歯や歯肉炎のリスクが高くなります。専用の歯ブラシやフロスを活用しましょう。

  2. 装置をしっかり管理すること
    特にマウスピース矯正の場合、決められた時間装着しないと治療が進みません。自己管理が大切ですね。

  3. 定期的に歯科医院でチェックを受けること
    治療中は、歯の動きを確認しながら調整を行うため、定期的な健診が欠かせません。「忙しくて行けなかった…」ということがないよう、しっかりスケジュールを管理しましょう。

中学生で歯列矯正を始めるメリット

中学生

中学生で始めることには多くのメリットがあります。以下にその主要なポイントを詳しく説明します。

1. 成長期を利用して歯並びを整えることが可能

中学生はまだ成長期にあり、顎骨が柔軟で歯が動きやすい状態にあります。この時期に治療を始めることで、歯を適切な位置にスムーズに動かすことができ、期間も短縮されることがあります。

2. 効果的な矯正が可能

成長期の顎の発育を活用することで、効率よく治療が行えます。大人と比べて、中学生ではより自然な形で歯を移動させることが可能です。また、顎の発育とともに歯を移動させることで、将来的に歯並びや噛み合わせに問題が起こるのを予防することができます。

3. 自己肯定感の向上

中学生は自意識が高まる時期です。この時期に歯並びを改善することで、笑顔に自信を持つことができ、自己肯定感が向上します。これにより、学校生活や社交生活においても積極的になることが期待できます。

4. 歯の健康維持

正しい歯並びは、虫歯や歯周病の予防に役立ちます。矯正を通じて歯並びを整えることで、歯磨きがしやすくなり、お口の中を清潔に保ちやすくなります。これにより、将来的な歯の健康を維持することができます。

5. 発音や咀嚼の改善

歯並びが整うことで、発音がクリアになり、咀嚼が改善されます。これにより、食事の楽しさや栄養吸収の効率も向上します。

6. 長期的な経済的メリット

若いうちに治療を行うことで、将来的な大がかりな治療の必要性が減ることがあります。成人になってからの矯正は、期間が長くなり、費用も高くなる傾向があります。中学生のうちに開始することで、長期的なコストを抑えることができます。

中学生で始めることは、成長期を有効に活用し、歯並びやお口の健康を改善するために非常に効果的です。他にも自己肯定感の向上や将来的な歯の健康維持など、多くのメリットがあります。

中学生における矯正のタイミング

中学生の歯列矯正

中学生で始めるタイミングについてご説明します。

成長期の利点

小学生と中学生上顎の骨は一般的に男女とも小学校低~中学年の時期に急速に成長します。下顎の骨は上顎に比べて成長が遅く、小学校高学年から中学校くらいの間に急速に成長し、思春期が終わるくらいまで成長が続きます。

中学生は身体が急速に成長する時期です。成長期に歯列矯正を行うことは、期間の短縮にも繋がり、効果的な結果が期待できます。

最適な開始時期

最適な開始時期は個人差がありますが、一般的には永久歯がほぼ生え揃った中学生頃が理想的です。中学生の時期は身体と共に顎の骨が大きく成長する時期で、この時期に始めることで、顎の成長が完了する前に効率的に歯並びを整えることができます。

また、中学生は自己管理能力も高まっているため、必要なケアを自分自身でしっかりと行うことが可能です。

まとめ

中学生

中学生は矯正治療を始めるには良いタイミングで、多くのメリットがあります。歯列矯正は見た目の改善だけでなく、虫歯や歯周病の予防にも繋がるため、将来の口腔健康にも大きな影響を与えます。

この時期には、身体の成長が著しいため、効果が高まり、治療期間も短縮される可能性があります。また、自己管理能力の向上もあり、ケアの習慣を身につけやすいです。

方法は様々で、固定式ブラケット、取り外し可能な装置、透明なマウスピースなど、各自の状態やニーズに応じて選択できます。しかし、日常の口腔ケアや定期健診が重要であり、治療費用も考慮する必要がありますので、最終的には歯科医師との相談を通じて、最適な治療計画を立てることが重要です。

中学生の矯正治療は、大人と比べて「顎の成長を利用できる」「歯が動きやすい」などのメリットがあります。方法には、表側矯正・裏側矯正・マウスピース矯正などがあり、それぞれに特徴があるため、自分に合った方法を選ぶことが大切ですね。

また、治療中は歯磨きの徹底・装置の管理・定期健診をしっかり行うことが重要です。「痛みが不安…」という方も、最初だけで慣れることがほとんどなので、安心して治療を進めていきましょう。

「矯正を始めたいけど、どの方法がいいのか分からない…」
そんな方は、まずは歯科医院で相談してみて下さいね。

 
この記事の監修者

医療法人真摯会
理事長 歯科医師 総院長
松本正洋
クローバー歯科、まつもと歯科 総院長。国立長崎大学歯学部卒業。1989年歯科医師免許取得。1998年医療法人真摯会設立。矯正歯科の認定多数。日本抗加齢医学会 認定医。

▶プロフィールを見る