矯正治療では治療終了後は1~2年間保定装置を歯に付けて歯列が元の位置に戻ってしまう「後戻り」を防ぎます。インビザラインではビベラと呼ばれる専用のマウスピース型の保定装置がありますので、ご説明します。
目次
ビベラ・リテーナーとは?
ビベラ・リテーナーは、インビザライン・ジャパン株式会社が提供するマウスピース型の保定装置で、インビザラインの治療が終わってから歯の位置が動かないように保定するための装置です。
インビザライン以外の方法で矯正治療を行っていた患者さんも使用することが可能で、インビザラインの取り扱いのある歯科医院で作成出来ます。また、子供でも大人でも保定装置として使うことが出来ます。
保定装置を使わないと、矯正治療できれいな歯並びになっても、また歯並びが少しずつ元に戻ってしまう「後戻り」という現象がおこります。それを防ぐのが保定装置で、一般的には矯正治療にかかったのと同じくらいの年月装着します。
治療終了後に保定装置「ビベラ」が届く
治療終了後、ビベラがお手元に届く迄の間は最終のマウスピースを歯にはめておきます。
ビベラは専用の箱で届き、箱の中には同じ形のビベラが3セットと専用のケースが入っています。
保定装置は長く使うことになるので、なくしたり変形した時のために予備としての2セットを加えて、合計3セット納品されます。
ビベラはインビザラインのマウスピースよりも硬い
ビベラは歯を動かすためでなく、歯を現在の位置に固定するために使いますので、インビザラインのマウスピースよりも硬い素材で作られています。
ビベラの強度はマウスピースよりも30%も強く、壊れたり緩んだりしにくい設計になっています。
Viveraリテーナーと他の保定装置の比較
特徴 | Viveraリテーナー | 固定式リテーナー | ホーレータイプリテーナー |
---|---|---|---|
素材 | 高耐久性プラスチック | ワイヤーと樹脂 | ワイヤーと樹脂 |
見た目 | 透明で目立たない | 目立たない(歯の裏側に固定) | 目立つ(ワイヤーが見える) |
取り外し | 可能 | 不可 | 可能 |
清掃 | 簡単に洗浄できる | 定期的にプロによる清掃が必要 | 簡単に洗浄できる |
保定装置はどの位の時間装着するの?
保定装置の装着時間は装置の種類によって違います。ビベラの場合はマウスピースと同じく、食事や歯磨きの時以外は付けたままにすると、歯並びがしっかりと保定されます。
装着時間は長ければ長い程良く、逆に外している時間が長いと歯が動いて僅かに後戻りを起こす原因となります。
そのため、インビザラインでの治療中と同じ程度に装着することが推奨されます。
Viveraリテーナーの使用とメンテナンス
使用時のポイント | 説明 |
---|---|
装着時間 | 食事と歯磨き以外は常時装着 |
清掃方法 | 水で洗浄し、柔らかいブラシで優しくブラッシング |
保管方法 | 専用ケースで保管し、乾燥した場所に保管 |
保定装置は何故必要なの?
保定装置は矯正治療後に必ず一定期間装着することが必要です。矯正治療後の歯はまだ歯槽骨や歯周組織の中で固定されておらず、とても動きやすい状態になっています。
歯には元の位置に戻ろうとする力が働いているため、保定装置で歯をしっかりと固定して、歯が歯槽骨や歯周組織の中で動かなくなるのを待ちます。これに1~2年程度かかる場合が多いです。
保定装置をつけないと、ほんの少しずつですが歯並びが元に戻る方向へと動いていきますので、後戻りを起こすのが速くなり、将来的に歯並びの再治療が必要になる可能性があります。
ビベラ・リテーナーの装着の仕方
ビベラ・リテーナーは上顎用と下顎用の2枚で1セットとなります。
歯に付ける時は、歯にマウスピースを乗せて前歯から奥歯まで指先で力を加えていき、続いて奥歯から前歯に指先で力を加えていきます。この時に無理やり押し込まないよう、適切な力で装着することが必要です。
インビザラインで治療をした患者さんの場合は、もう既にマウスピースの着脱に慣れておられるため、鏡を見ずに数回マウスピースを歯に押し込むだけで装着が出来る方が多いです。
マウスピース型保定装置「Vivera(ビベラ・リテーナー)」に関するQ&A
ビベラ・リテーナーは、インビザライン・ジャパンが提供するマウスピース型の保定装置です。矯正治療後に歯の位置が変わらないようにする目的で使用されます。矯正治療が終了した後、歯が元の位置に戻るのを防ぐために1~2年間使用されます。ビベラはインビザラインのマウスピースよりも硬く、歯をしっかりと固定するように設計されています。子供から大人まで、インビザライン以外の方法で矯正治療を受けた人も使用できます。
治療終了後にビベラ・リテーナーは専用の箱で届けられます。この箱の中には同じ形のビベラが3セットと専用のケースが含まれています。保定装置は長期間使用されるため、予備として2セットが追加され、合計3セットが提供されます。これにより、1セットが失われたり、変形した場合にも交換が可能です。
ビベラの装着時間は、食事や歯磨きの時を除いて、ほぼ一日中装着することが推奨されます。装着時間が長ければ長いほど良く、外している時間が長いと歯が動いてしまい、わずかに後戻りの原因となります。そのため、インビザラインの治療中と同じ程度の装着が求められます。
まとめ
「Vivera(ビベラ・リテーナー)」はインビザラインの矯正治療後の歯列の安定を目的とした、硬質で耐久性の高いマウスピース型保定装置です。
矯正治療完了後に歯の位置が元に戻る「後戻り」を防ぎ、治療後のきれいな歯並びを維持するために使用されます。インビザライン治療終了後に届くこの装置は、食事や歯磨き以外の時は継続して装着することが推奨され、上顎用と下顎用のセットで構成されています。
矯正治療で得られた理想的な歯並びを長期間保つためには、保定装置の使用が絶対に必要ですので、担当医の指示を守るようにしましょう。
Vivera(ビベラ・リテーナー)」は、矯正治療後の歯並びの維持を目的としたマウスピース型の保定装置です。この装置は、耐久性があり、透明で目立たない特徴を持っています。以下はViveraリテーナーに関する研究の概要です。
1. Viveraリテーナーの耐久性と安定性に関する比較研究 Cunningらによる2022年の研究では、ViveraリテーナーとDuranリテーナーを比較し、その耐久性、安定性、咬合の整合性について調査しました。結果として、ViveraリテーナーはDuranリテーナーよりも高い耐久性を示しました。どちらのリテーナーも切歯の安定性と咬合の整合性において類似した結果を示しました。部分的な着用は両方のリテーナーのタイプで後方の咬合を改善することが観察されました。[Cunning, Sahhar, Lawrence, Manton, & Schneider, 2022]
2. Viveraリテーナーの細胞毒性とエストロゲン活性に関する研究 Al Naqbiらによる2018年の研究では、Viveraリテーナーの細胞毒性とエストロゲン活性を調査しました。この研究は、Viveraリテーナーが製造元から提供された時と、患者から回収された後の生物学的挙動の影響を評価しました。結果として、Viveraリテーナーはエストロゲン様の活動を示さず、その使用は安全であることが示されました。[Al Naqbi, Pratsinis, Kletsas, Eliades, & Athanasiou, 2018]
これらの研究は、Viveraリテーナーの耐久性、安定性、および細胞毒性やエストロゲン活性に関する安全性を示しています。これにより、矯正治療後の歯並びの維持において効果的かつ安全な選択肢であることが示されています。