歯科矯正全般

やらなきゃよかったと後悔しない歯列矯正とは

やらなきゃよかったと後悔しない歯列矯正とは

大阪矯正歯科グループ 歯科医師 松本 正洋

「歯列矯正なんてやらなきゃよかったと後悔している」
「治療したのに前よりきれいになった感じがしない」
「前歯の歯並びをワイヤー矯正できれいにしたけど歯磨きがうまくできなくて、虫歯になってしまった」
など後悔の声をきくことがあります。歯並びが改善するどころか、逆に悪くなってしまっては意味がありません。そこで、「やらなきゃよかった」と後悔しないように治療を受けるためのポイントについてご説明します。

治療中に「やらなきゃよかった」と後悔するのはどんな時?

後悔

装置を歯に付けて、治療が始まった途端に、「やらなきゃよかった」と思う方も、ごく少数ですがおられます。そう思われるタイミングは、主に以下のようなものです。

  1. 痛みが出た時
  2. ものが食べにくい時
  3. 発音がしにくい時
  4. 歯磨きがしにくい時
  5. 装置をつけた部分が虫歯になった時

1. 痛みが出た時

歯列矯正で痛むのは、装置を歯に付けてから、あるいはワイヤーの交換などから2日~3日程度がピークで、歯に急激に力をかけて歯を動かそうとすることが原因です。

痛みの強さには個人差があります。ワイヤー矯正であまりにも痛い時には、歯科医院で少しワイヤーを緩める場合があります。

耐えがたいほど痛い時は担当医にご相談ください。

※マウスピース矯正では歯を0.25mm、1~2週間程度かけて動かします。ゆっくりと動かすため、ワイヤー程の痛みは起こりません。痛みよりも主に締め付け感や歯茎がムズムズする感じが起こる方が多いです。

2. ものが食べにくい時

治療中は、歯に力をかけて引っ張っている状態ですので、一時的に噛み合わせが乱れていたり、噛むと痛みがあったりします。噛み合わせはある程度歯を動かした後に揃ってきます。痛みについては、ワイヤーを取り替えた時には2~3日痛む場合があります。

※マウスピース矯正では食事の際にはマウスピースを外すことが出来ますので、ものが食べにくいということはありません。

3. 発音がしにくい時

装置をつけることで、一時的に滑舌が悪くなることがあります。多くの場合は数日~1週間程度で徐々に慣れますので、ご心配には及びませんが、喋りにくいことがストレスになる方もおられるかもしれません。

4. 歯磨きがしにくい時

歯磨き

ワイヤー矯正や裏側矯正の装置を付けると、装置が邪魔で歯磨きがしづらくなります。しかし装置に食べカスが引っ掛かりやすいため、毎食後に歯磨きをして汚れをきれいに取らねばなりません。

※マウスピース矯正では歯磨きの際にはマウスピースを外すことが出来ますので、歯磨きがしにくいということはありません。

5. 装置を付けた部分が虫歯になった時

装置の種類に限らず、歯に装置を付けている間は、その部分に汚れがたまりやすく、歯周病や虫歯になるおそれがあります。

治療後に後悔することになったケース

  1. 経済的な負担が大きかった
  2. 治療期間の長さ
  3. 痛みや不快感
  4. 結果に満足できなかった
  5. 治療中の生活が不便
  6. 精神的なストレス

矯正治療をしたことを後悔しておられる方の中には、治療はうまくいったものの、それ以外で予想外のことが起こった方と、治療そのものがうまく進まず、予想していない状態になってしまった方がおられます。

1. 経済的な負担が大きかった

矯正は保険がきかないために高額になることが多く、治療中に予想外の費用がかかる場合があります。また、分割払いが何年も続くことで、費用面での後悔が生じることがあります。

2. 治療期間の長さ

歯列矯正は数年にわたることが一般的で、期間が予想以上に長く感じることがあります。そのため、日常生活に支障をきたしたり、予定していた他の活動が制限されたりすることがあります。

3. 痛みや不快感

矯正装置による痛みや不快感が原因で、「やらなきゃよかった」と感じることがあります。特に、矯正装置の調整後や新しいワイヤーを装着した直後には痛みが強くなることがあります。

4. 結果に満足できなかった

期待していた結果が得られなかった場合や、治療後の歯並びに満足できない場合には後悔の気持ちが生まれることがあります。また、リテーナー(保定装置)を使わなかったために歯が再び動いて元に戻ってしまった場合も後悔の原因となります。

5. 治療中の生活が不便

装置を装着している間、食事や歯磨きがしづらくなることがあります。また、発音がしにくくなることや、スポーツや楽器演奏などの活動に制約が出ることもあります。

6. 精神的なストレス

見た目や他人からの視線が気になり、精神的なストレスを感じることがあります。特に大人になってから矯正を始める場合には、職場や社会的な場面でのストレスが大きくなることがあります。

「やらなきゃよかった」と治療を後悔しないためには

やらなきゃよかったと後悔しないために

治療中、治療後に後悔しないために、以下のような点を参考にしてください。

1. 信頼できる矯正歯科医を選ぶ

信頼できる矯正歯科医を選ぶことが最も重要です。経験豊富な歯科医師であること、最新の技術を導入していること、患者のニーズに応じた治療計画を立ててくれることがポイントです。

2. 十分なカウンセリングを受ける

治療を始める前に、担当医と十分なカウンセリングを行うことが重要です。治療方法、期間、費用、リスクなどについてしっかりと説明を受け、自分の疑問や不安を解消してから治療を始めるようにしましょう。

3. 現実的な期待を持つ

矯正治療の結果に対して現実的な期待を持つことが大切です。治療には時間がかかることや、一時的な不快感が伴うことを理解し、最終的な結果を楽しみに待つ心構えを持ちましょう。

4. 正しい矯正器具を選ぶ

矯正治療には様々な器具があり、それぞれにメリットとデメリットがあります。インビザライン、ワイヤー矯正、部分矯正など、ご自身のライフスタイルやニーズに合ったものを選びましょう。医師と相談し、自分に合った器具を選ぶことが後悔しないためのポイントです。

5. 定期的な歯科健診を受ける

治療中は定期的な健診を受けることが重要です。定期健診や調整を怠らず、歯科医の指示に従いましょう。問題が発生した場合には早めに対処することで、問題が小さなうちに解決できます。

6. 歯磨きを徹底する

矯正治療中は歯磨きなどの口腔ケアを徹底する必要があります。矯正器具をつけると虫歯や歯周病のリスクが高まるため、丁寧な歯磨きやフロスの使用が必要です。

7. コミュニケーションを大切にする

治療中は歯科医とのコミュニケーションを大切にしましょう。疑問や不安があればすぐに相談し、適切なアドバイスを受けることが良い治療に繋がります。

やらなきゃよかったと後悔しない歯列矯正に関するQ&A

Q

後悔しない為の歯列矯正のポイントとは?

A

歯列矯正において後悔を避けるためには、適切な医院選びが重要です。説明が明確で信頼できる医師を選び、複数の医院でカウンセリングを受け、納得できる選択をすることが大切です。

Q

矯正治療中に「やらなきゃよかった」と後悔するのはどんな場合が多いですか?

A

後悔の一例として、痛みや食事の制約、発音の難しさ、歯磨きの困難さ、装置部分の虫歯などが挙げられます。

Q

装置を付けた部分が虫歯になった時、どのように対処すれば良いですか?

A

装置を付けている部分は汚れがたまりやすく、虫歯や歯周病のリスクがあります。定期的な歯科検診と適切な歯磨きを行うことで予防しましょう。

まとめ

歯のキャラクター

治療前の矯正相談の段階で、ある程度歯科医院の雰囲気や担当医の患者さんに対する態度などを見極めて、しっかりと疑問点を解決してから、「やらなきゃよかった」と後悔しない治療をなさってくださいね。

この記事の監修者

医療法人真摯会
理事長 歯科医師 総院長
松本正洋
クローバー歯科、まつもと歯科 総院長。国立長崎大学歯学部卒業。1989年歯科医師免許取得。1998年医療法人真摯会設立。矯正歯科の認定多数。日本抗加齢医学会 認定医。

▶プロフィールを見る