
インビザラインは歯ぎしりや食いしばりの癖がある方にはアライナーが壊れるリスクた高く、適応出来ないケースがありますので、ご説明します。
目次
インビザラインは薄いので歯ぎしりに弱い

インビザラインのアライナーは、ナイトガードと比べると薄く出来ており、厚さはわずか0.5ミリ程度です。そのため、歯に装着した時の違和感が少ないというメリットはありますが、歯ぎしりによって強い力がかかってしまうと、破損してしまう恐れがあります。
一時的なストレスなどによって歯ぎしりが起こっている場合はインビザラインでの矯正治療が可能になる場合がありますが、一時的なものではなく、癖になっていて何年も続いている場合は、インビザラインではなく、ワイヤー矯正、裏側矯正等の他の矯正装置で治療を行うことをお勧めします。
歯ぎしりのある人がインビザラインで治療する工夫とは?
「歯ぎしりがあるけど、インビザラインで矯正できるの?」とお思いの方もおられるかもしれません。実は、歯ぎしりがある方でもインビザラインを用いた矯正治療は可能です。ただし、通常のケースと比べていくつかの工夫が必要になることもあります。
歯ぎしりとインビザラインの相性は?
歯ぎしり(正式には「ブラキシズム」といいます)は、寝ている間や無意識のうちに歯を強くこすり合わせる習慣のことです。
この歯ぎしりがあると、インビザラインのアライナー(マウスピース)にどのような影響があるのか、気になりますよね。
歯ぎしりがインビザラインに与える影響
- アライナーの破損
→ 強い力で歯をこすり合わせると、アライナーが割れたり、すり減ったりする可能性があります。 - 歯に余計な負荷がかかる
→ 歯ぎしりによって、アライナーの適切な力が乱れることも。 - 治療計画のズレ
→ アライナーが損傷すると、予定通りに歯が動かないことがあります。
とはいえ、歯ぎしりがあるからといって、インビザラインができないわけではありません。適切な対策をとることで、問題なく治療を進めることができますよ。
歯ぎしりのある方がインビザラインで工夫すべきこと
では、歯ぎしりのある方がインビザライン矯正を受ける際に、どのような工夫をすればよいのでしょうか?
1. アライナーの破損を防ぐために定期的なチェックを
インビザラインのアライナーは基本的に1〜2週間ごとに交換しますが、歯ぎしりの影響で早くすり減ることもあります。そのため、定期的にアライナーの状態をチェックすることが大切です。
「少しヒビが入っている」「変形している」などの異変を感じたら、歯科医に相談しましょう。
2. 補助装置(ナイトガードなど)の併用
「ナイトガード」と呼ばれる専用のマウスピースを、寝るときだけ併用することでアライナーの負担を軽減できます。
歯ぎしりの癖が強い方は、インビザライン治療中でもナイトガードを活用することがあるので、必要に応じて歯科医に相談してみてくださいね。
3. ストレス対策も重要!
歯ぎしりの原因のひとつとして、ストレスが関係していることもあります。インビザラインの治療中は、歯ぎしりを悪化させないように、リラックスできる環境を整えることも大切です。
例えば、
- しっかりと湯船に浸かる
- 就寝前に深呼吸やストレッチをする
- 睡眠の質を高める(スマホを寝る前に見ない、など)
こういった工夫も、歯ぎしり対策として有効かもしれません。
4. 歯科医と相談しながら進める
歯ぎしりがある場合、一般的なインビザラインの治療計画よりも、少しカスタマイズが必要になることがあります。「歯ぎしりの強さ」「アライナーの摩耗状況」「顎への影響」などを細かくチェックしながら治療を進めることで、より安全に矯正ができます。
歯ぎしりでインビザラインのアライナーが壊れてしまった時はどうしたらいい?

アライナーが壊れた時は、直ぐに歯科医院にご連絡下さい。
インビザラインのアライナーは、1枚で歯を約.25ミリ動かすように設計されています。アライナーが壊れてしまうと、一時的に1つ前のアライナーか、または1個先のアライナーを歯につけて、そのまま治療を続けることがあります。
アライナーを作り直す際には、新しいアライナーが届くまでに2週間程度かかります。その間は直近まで使っていたアライナーを使い続けるか、またはリテーナーと呼ばれるマウスピースを作製して、現在の歯並びから歯が動かないように固定します。
歯ぎしりの種類
歯ぎしりには、主に以下の2種類があります。
- グラインディング・・上下の歯をギリギリと横にすり合わせる
- タッピング・・上下の歯をカチカチと縦に噛み合わせる
どちらも無意識下で起こる為、自分で気づきにくく、他人からの指摘で気づくことが多いです。
歯ぎしりは放っておいてもいいの?
歯ぎしりをするととても強う力が働き、歯の表面が擦り減ったり、歯が欠けたりすることもあります。もちろん歯根にも影響があります。歯周組織に重大な影響が出る前に、歯科医院で歯のチェックを受けるようにしましょう。
歯ぎしり・食いしばりによる歯への悪影響
歯ぎしりは寝ている間に無意識に歯を擦り合わせてギリギリと音をたてます。歯と歯に強い力が加わるため、下記のような様々な悪影響を与えます。
- 歯の象牙質が擦り減って知覚過敏を起こす
- 詰め物・被せ物が外れやすい
- 歯が折れたり欠けたりする
- 歯茎や歯根がダメージを受ける
- 歯周病になりやすい
- 顎関節症になるリスクが高い
- 顎の筋肉が発達してエラが張る
- 頭痛や肩こりの原因になる
歯ぎしりは治せないの?

歯ぎしりは原因が不明とされており、効果的な治療方法がないのが現状です。そのため、歯ぎしりから歯や顎を守るために就寝中にナイトガードと呼ばれるマウスピースを付ける対症療法が一般的によく行われています。ナイトガードは保険適用です。
しかしナイトガードは歯を守るためのもので、歯ぎしりそのものを止めることは出来ません。歯ぎしりを起こさなくするためには、顎の筋肉に無毒化したボツリヌス菌を注射し、筋肉の動きを弱めて歯ぎしりをしないようにするという方法も用いられます。ボツリヌス菌の注射は自費診療となります。
まとめ

歯ぎしりがあると、「インビザラインって本当にできるの?」と不安に感じるかもしれませんね。でも、ご安心ください。適切な工夫をすることで、歯ぎしりのある方でもインビザライン矯正は十分可能です。
ポイントをおさらいすると…
- アライナーの破損を防ぐために定期的なチェックを
- ナイトガードなどの補助装置を活用する
- ストレス対策をして歯ぎしりを悪化させない
- 歯科医と相談しながら無理のない治療計画を立てる
これらの工夫をすれば、歯ぎしりがある方でも快適にインビザライン矯正を進めることができます。「自分の場合はどうなの?」と気になる方は、ぜひ歯科医院で相談してみてくださいね。
歯ぎしりによってインビザラインのアライナーが破損して歯にはめられなくなってしまうと、矯正治療が治療計画通りに進まなくなってしまいおます。そのため、歯ぎしりの癖のある方は、その程度によってインビザラインではなく、ワイヤー矯正などで歯並びを整える治療をご提案させて頂くこともあります。