
インビザラインは食事や間食時には外して、食後に歯磨きし、アライナー(マウスピース)も洗ってから再び装着します。洗った後、濡れたままでつけても良いのか、ご説明します。
目次
インビザラインは濡れたままで装着しても問題ない?

結論から言いますと、インビザラインを洗った後に少し濡れていても、そのまま装着して問題はありません。
ただし、注意すべきポイントもいくつかあります。
1. 水道水の水分なら基本的にOK
洗浄後に水道水が多少残っている程度であれば、特に問題はありません。インビザラインは唾液に常に触れているため、わずかな水分で影響が出ることはないのです。
2. 熱湯で洗うのは厳禁
インビザラインはプラスチック素材(スマートトラック)で作られており、熱湯で洗うと変形するリスクがあります。そのため、熱湯で洗うことは厳禁です。もし熱湯で洗ってしまった場合は、すぐに装着せずに十分に冷ましてからつけるようにしましょう。
3. 洗浄剤を使った後はしっかりすすぐこと
専用の洗浄剤やタブレットを使用した後は、しっかりと水ですすいで下さい。洗浄剤の成分が残ったまま装着すると、口内に刺激を与える可能性があります。
「少し洗い流したから大丈夫かな?」と思われるかもしれませんが、しっかりすすぐことが大切です。
4. ガーゼやティッシュで軽く拭くと快適
「濡れたまま装着すると気持ち悪い…」という方もいらっしゃるかもしれません。その場合は、柔らかいガーゼやティッシュで軽く拭いてから装着すると快適に過ごせます。
アライナーを洗った後は、すぐにお口に入れて歯に付けても、唾液に晒されるので、アライナーに菌が繁殖することはありません。唾液には抗菌作用があり、菌の繁殖を抑える働きがあるためです。
しかし、気になる方は、ティッシュなどできれいに水分を拭き取って乾燥した状態で装着するのも良いです。
濡れたまま装着することで発生するリスクは?
濡れたままでつけても基本的に問題はありませんが、以下の点に注意が必要です。
細菌の繁殖
インビザラインに水滴が残ると、細菌が増えやすい環境になることがあります。特に、保管時にケース内に水分が残っていると菌が繁殖しやすくなるため、保管前にはできるだけ乾燥させるのがおすすめです。
水道水の成分による影響
一部の地域では、水道水に含まれる成分(カルシウムや塩素など)が長期間付着すると、インビザラインが曇ったり、変色しやすくなることがあります。こまめに清掃することで予防できます。
ケースに入れる時はアライナーを洗った後よく乾燥させる

アライナーをきれいに洗っても、濡れたままにしておくとアライナーの表面で細菌が繁殖しやすい状態になります。
アライナーを洗った後、すぐに装着せずにケースに入れて保管する場合はまずしっかりと水を切ります。そして専用ケースに入れる時は、下にティッシュを敷いてその上にアライナーを置きます。そしてアライナーが乾燥してから蓋を閉めましょう。
アライナーが濡れたままで蓋を閉めると、アライナーの表面で菌が繁殖することがあります。
アライナーは意外と汚れている

インビザラインのアライナー(マウスピース)が汚れる原因は、主に食事(食べ物、飲み物)とタバコです。
食後、歯に汚れがついたままでアライナーを装着すると、マウスピースに汚れが移ってしまいます。食後に必ず歯磨きをして、アライナーも洗いましょうと言われるのはそのためです。
大事なのはアライナーをきれいに洗うこと!洗い方をチェックしよう
アライナーに細菌を繁殖させないためには、きれいに洗浄することが大切です。アライナーを洗う時の周囲は以下のような点です。
- お湯で洗わないこと
- 歯磨き粉で洗わないこと
- 洗った後は乾燥させる
1.お湯で洗うとアライナーが変形することがある
冬場はお湯で洗いたくなると思いますが、インビザラインのアライナーは60度くらいのお湯で変形するといわれますので、水で洗うことをお勧めします。
2.歯磨き粉で擦るとアライナーに細かい傷がつく
アライナーをきれいに洗おうと思って歯磨き粉をつけて擦ると、歯磨き剤に含まれている研磨剤によってアライナーの表面に小さな傷が無数についてしまい、着色や汚れがつきやすくなり、細菌も入り込みやすくなりますので、歯磨き粉は使わずに洗いましょう。
3.洗った後はしっかり乾燥させる
細菌の繁殖を防ぐためには、洗った後、しっかりと乾燥させましょう。特に洗ってからケースに入れる場合は、濡れたままで放置すると細菌が繁殖しやすくなるため注意が必要です。
正しいお手入れ方法とは?
インビザラインを清潔に保つためには、正しいお手入れを毎日続けることが大切です。「お手入れって面倒くさそう…」と思われるかもしれませんが、ちょっとしたコツを知っておけば簡単にできるので、ご安心くださいね。ここでは、効果的で実践しやすいお手入れ方法についてご説明します。
1. 毎日の基本ケア
インビザラインは1日22時間以上装着するため、汚れが付きやすく、毎日のお手入れが欠かせません。
歯ブラシで優しくブラッシング
- 朝・晩の歯磨きのタイミングで、インビザラインも一緒にお手入れしましょう。
- 毛先のやわらかい歯ブラシを使い、優しくブラッシングします。
- 歯磨き粉は使わない! 研磨剤が含まれているため、インビザラインに微細な傷がつき、くもりやすくなるからです。
水またはぬるま湯でしっかりすすぐ
- 水道水で軽くすすぐだけでも、表面の唾液や食べカスを落とせます。
- お湯はNG! 高温(約40℃以上)で変形する可能性があります。
専用洗浄剤を使用する
- 市販の「インビザライン専用洗浄剤」や「リテーナー洗浄剤」を使用すると、より清潔に保てます。
- 毎日使用する必要はなく、1週間に1〜2回程度でOK。
2. しつこい汚れには特別ケアを
「毎日洗っているのに、くもりや黄ばみが気になる…」という方もおられるかもしれません。そんなときは、ちょっとした工夫で汚れをしっかり落とせます。
酵素系洗浄剤で除菌・漂白
- **リテーナー用の酵素系洗浄剤(ポリデントなど)**に15〜20分つけ置きすると、細かい汚れもスッキリ落ちます。
- ただし、長時間つけすぎるとインビザラインが傷む原因になるため、必ず規定時間を守りましょう。
超音波洗浄機を使う
- 市販のマウスピース用超音波洗浄機を使うと、ブラシでは届かない細かい汚れも落とせます。
- 週に1回程度の頻度で使用するのがオススメ。
3. 保管時の注意点
「インビザラインを外しているときに、どこに置けばいいの?」と迷う方もいらっしゃるかもしれません。適切な保管方法を知っておくことで、汚れや細菌の繁殖を防ぐことができます。
専用ケースに必ず入れる
- インビザラインは、むき出しの状態で置かないようにしましょう。
- ティッシュに包むのはNG! ゴミと間違えて捨ててしまうケースがよくあります。
ケースは定期的に洗う
- ケースの中が湿っていると細菌が増殖しやすいため、毎日水で軽くすすぎ、週に1回は洗剤で洗いましょう。
- 乾燥させるとより清潔に保てます。
高温になる場所での保管は避ける
- 車の中や直射日光が当たる場所に放置しないようにしましょう。
- 高温で変形してしまう可能性があります。
4. こんなNGお手入れには要注意!
「なんとなく自己流でお手入れしているけど、大丈夫かな?」と思われる方もおられるかもしれません。実は、知らないうちにインビザラインを傷めてしまうお手入れ方法をしていることもあります。以下の点には要注意です。
歯磨き粉を使ってゴシゴシ洗う
- 歯磨き粉に含まれる研磨剤が、マウスピースの表面に微細な傷をつける原因になります。
熱湯消毒をする
- お湯は絶対NG! 変形すると、装着感が悪くなり、効果が落ちる可能性があります。
アルコールや漂白剤を使う
- 強い薬剤を使用すると、インビザラインが劣化し、透明感が失われることがあります。
長時間のつけ置き
- 洗浄剤に長くつけすぎると、マウスピースの耐久性が低下してしまいます。
まとめると、以下のようになります。
- 歯ブラシ+水洗いを基本に、汚れが気になるときは酵素洗浄剤や超音波洗浄機を活用
- 保管時は専用ケースに入れ、乾燥を心がける
- 間違ったお手入れ(熱湯・歯磨き粉・漂白剤)はNG
- お手入れを習慣化すれば、清潔な状態を維持しやすい
「お手入れが面倒…」と思われるかもしれませんが、少しの工夫で快適にインビザライン生活を送ることができます。ぜひ、毎日のケアに取り入れてみてくださいね。
【動画】インビザライン アライナーの取り扱い方
インビザラインのアライナー(マウスピース)の装着の仕方、外し方、洗い方、チューイーの噛み方、食事について、保管方法、装着時の注意事項などの取り扱い方法全般について以下の動画で解説しております。
まとめ

インビザラインのアライナーを洗った後、すぐに歯に装着する場合は、濡れたままつけても大丈夫です。一旦ケースに入れる場合は、細菌の繁殖を防ぐため、ティッシュで水分を拭き取るなどして、しっかりと乾燥させましょう。