
目立たないマウスピース矯正として人気のインビザラインですが、アタッチメントを付けたり抜歯矯正をしたりすると、意外と目立つのでは?というご心配もあると思います。インビザラインは目立つのかについてご説明します。
矯正治療を検討している方の中には、「インビザラインって本当に目立たないの?」と気になる方も多いでしょう。インビザラインは「透明なマウスピース矯正」として知られていますが、実際の見た目や、どの程度周囲の人に気づかれるのかは、個人の状況によって異なります。
目次
インビザラインは基本的に目立ちにくい

当院には矯正治療中のスタッフが珍しくはありません。しかし、本人が「マウスピースで治療中」と言わない限りは気づかないケースも多いです。互いに向き合って話す時でも、口元ばかり見て話すわけではありませんし、口を開けたままにしているわけでもありません。
歯の表面にアタッチメントを付けると、デコボコして目立つのでは、と思われるかもしれません。しかし、実際にアタッチメントを歯につけてみると、マウスピースに覆われることで、殆ど目立たなくなります。
このように、外見上では矯正装置をつけていることはかなりわかりにくいので、ご安心ください。
インビザラインが目立たないといわれる理由
1. 特殊な透明プラスチックの使用

インビザラインは、高品質な透明プラスチック素材で作られています。この素材は光を透過しやすく、歯の自然な色を反映するため、装着していることがほとんど目立ちません。また、透明度が高いため、日常の会話や距離の近い対話でも他人に気づかれにくいです。
2. 個別カスタマイズされたフィット感
インビザラインのアライナーは、患者一人ひとりの歯型を精密にスキャンして作られます。このカスタムメイドのプロセスにより、アライナーは歯にぴったりフィットし、違和感が少ないデザインとなります。歯の表面にぴったり沿うことで、目立ちにくさを実現しています。
3. ワイヤーやブラケットがない
従来の矯正治療では、ワイヤーやブラケットが使用されますが、これらは光を反射しやすく、非常に目立ちます。一方、インビザラインにはこうした金属部品がないため、光の反射やきらめきがなく、自然な見た目を保つことができます。
4. 薄いデザイン

インビザラインの透明なマウスピースはアライナーと呼ばれます。アライナーはポリウレタンで出来ており、厚さは僅か0.5ミリで、透明で薄いために目立ちません。また、2013年にはスマートトラックと呼ばれる新素材を導入しました。スマートトラックは従来のアライナーに使われていた素材よりも弾力があり、装着感が良くなりました。
これらの理由から、インビザラインは目立たず、効果的に治療が行える矯正装置として、多くの人々に選ばれています。また、歯にしっかりと密着して力を加えることが出来るため、歯を動かしたい方向へ移動させるためのコントロール力が高まっています。
インビザラインが目立ちやすくなる場合のポイント
① アタッチメント(歯に付ける突起)の影響
インビザライン治療では、多くのケースでアタッチメントと呼ばれる小さな突起を歯に装着します。
これは、歯を効率よく動かすために必要ですが、歯の表面にあるため角度によっては目立つことがあります。
💡 目立ちにくくする工夫
- アタッチメントは基本的に歯の色に近い素材で作られているため、自然に馴染みやすい
- 装着直後は違和感があるが、時間が経つと慣れて気にならなくなる
- 歯の裏側にはつかないため、真正面から見た時は比較的目立ちにくい
② マウスピースの曇り・汚れ
マウスピースは新品の状態では透明ですが、汚れや曇りが発生すると白く濁り、目立ちやすくなることがあります。
💡 目立ちにくくする工夫
- 食事後は必ず歯を磨き、マウスピースに汚れが付かないようにする
- 専用のクリーナーを使用してマウスピースの透明感を維持する
- 水以外の飲み物(特にコーヒーや紅茶、赤ワイン)を飲む際は外す
- タバコを吸うと変色しやすいため、禁煙するのがおすすめ
③ 光の当たり方
強い光(特に横からの光)を受けると、マウスピースのエッジ(縁)が反射し、気づかれやすくなることがあります。
💡 目立ちにくくする工夫
- 口元の保湿をしっかり行い、マウスピースと唇の境目を自然に馴染ませる
- 白っぽい服を着ると、光の反射が少なくなり、目立ちにくくなる
- 写真を撮る際は、光の方向を意識する(横からの強い光を避ける)
④ 話し方や発音
インビザラインを装着すると、最初のうちは発音が少し変わることがあり、話し方によっては違和感を感じることがあります。
💡 目立ちにくくする工夫
- 発音しにくい「サ行・タ行」の練習をして慣れる
- 特に最初の1週間は意識的に会話を増やし、話すことに慣れる
- 唇をしっかり閉じることで、より自然な口元に見せる
アタッチメントは目立つ?

インビザラインでの矯正治療は、歯の表面にアタッチメントというレジンの突起を付けます。これは、歯とアライナー(マウスピース)をしっかり密着させるためと、歯を動かす方向により効果的に力をかけるためです。
アタッチメントには丸や四角など数種類の形があり、3~6mm程度の小さなものですが、歯につけると、意外と出っ張ります。そしてアライナーの面もアタッチメントの形に盛り上がっています。
歯に付けたアタッチメントの形通りに、アライナーもデコボコしていますので、見る方向によっては、透明なマウスピースといえども、思ったよりも目立つと思う方もおられます。

抜歯矯正は目立つ?

インビザラインでも抜歯矯正は可能です。しかし、マウスピース1枚あたり歯を0.25mm程度と、ごく僅かずつ動かして行きます。抜歯矯正では歯を大きく動かさなければならないため、抜歯しない場合と比べて治療期間が長くかかり、マウスピースを使用しての抜歯矯正は2年~3年程度かかるかたが多いです。
抜歯するのは小臼歯と呼ばれる、前歯の中央から4番目、5番目にある歯です。小臼歯1本で7ミリ程度のスペースが確保出来、重なっている歯やねじれている歯は、そのスペースを使って一列にきれいに並べることが出来ます。
抜歯した後のスペースは少しずつ歯が移動してきて、最終的には埋まりますが、埋まるまでの間は少し目立って気になる方もおられます。
抜歯した箇所を目立たなくする方法
インビザラインでの治療で抜歯矯正を行う場合は、抜歯した歯の隣の歯に、プラスチックの仮歯をつけて、抜歯部分を仮歯で隠す方法と、マウスピースの中にボンティックと呼ばれるプラスチックの仮歯を入れる方法があります。
これらの方法で抜歯後の隙間を埋めてしまい、隙間を目立たなくします。どちらの方法で行うかは、担当医の指示に従って下さい。
抜歯したスペースに歯はどんな風に動いていくの?
歯を動かす際には、「歯体移動」といって、歯を平行に動かしていく方法と、斜めに傾いている歯を起こすような感じで、歯冠部のみを動かす「傾斜移動」があります。
これらによって、歯が重ならずに一列になるように、アライナーを歯に付けて少しずつ歯を動かしていきます。
インビザラインとワイヤー矯正の目立ちやすさ比較
インビザラインがどれくらい目立たないのか、ワイヤー矯正と比較してみましょう。
インビザライン | ワイヤー矯正(表側) | ワイヤー矯正(裏側) | |
---|---|---|---|
見た目の目立ちにくさ | ◎ ほとんど目立たない | ✕ 金属のワイヤーが目立つ | ○ 裏側なので目立たないが、話しにくい |
装置の違和感 | ○ 軽い違和感があるが慣れる | ✕ ブラケットが唇に当たり痛みが出やすい | ✕ 舌が装置に当たりやすく、違和感が大きい |
日常生活での支障 | ○ 取り外し可能なので食事がしやすい | ✕ 食事中に食べ物が詰まりやすい | ✕ 発音がしづらいことがある |
矯正期間 | ○ 比較的長め(1.5年〜2年) | ◎ ワイヤー矯正の方が早く終わることが多い | △ インビザラインと同じか少し長め |
💡 目立ちにくさだけでなく、治療期間や装置の快適さも考慮して選ぶことが大切です。
まとめ

インビザラインが目立つと感じるのは、アタッチメントをつけた場合と、抜歯矯正を行った場合です。アタッチメントは歯を効率よく動かすためには不可欠のものです。そして、歯を動かすスペースが足りない場合は抜歯矯正になります。抜歯矯正の場合で出来るだけ抜歯後のスペースが目立たないようにしたい場合は、担当医と良く話し合って対策をお決めください。