銀歯の被せ物がある場合に、インビザラインでの矯正治療は可能でしょうか? 銀歯とインビザラインについてご説明します。
目次
銀歯があるけどインビザライン矯正はできる?
虫歯を削った後に金銀パラジウムと呼ばれる被せ物を被せたものが銀歯です。
インビザラインはマウスピースを歯列全体に被せて歯を動かしていきますので、被せ物をしていても矯正治療が可能です。
被せ物の材質が銀歯であってもセラミックであっても、同様です。
ブリッジをしていても矯正はできる?
ブリッジで治療をしている場合は、ブリッジをそのままにして矯正治療を行うことは原則として出来ません。そのため、ブリッジを一旦切り離して、矯正治療後に新しい歯列に合ったブリッジを作り直します。
ブリッジの場所によっては、ブリッジのままで矯正治療が可能な場合もあります。銀歯ではなくセラミックのブリッジの場合も同様です。
インプラントをしていても矯正はできる?
インプラントは骨にしっかりと埋まっていますので、矯正で動かすことが出来ません。そのため、インプラントの位置を動かさずに、他の歯を動かして歯列を整えるような治療計画をたてます。
もし、現在インプラントを考えておられる方で、矯正治療も受けたいと思われている方は、歯が抜けた場所によっては、矯正で歯を動かす際のスペースとして利用し、隙間を埋めることが出来る場合があります。そのため、先に矯正相談を受けることをお勧めします。
インビザラインはどうやって歯並びを治すの?
インビザラインはマウスピースを付け替えることによって歯を少しずつ段階的に動かしていく矯正装置です。まずiTeroと呼ばれる光学スキャナーでお口の中をスキャンし、歯列の状態をデータ化します。その後、クリンチェックと呼ばれるソフトウェアに歯列のデータを読み込ませ、3Dの画面上で治療計画を作成していきます。
クリンチェックでは、歯をどのように動かしてきれいな歯列に整えていくのかをシミュレーションし、それを元にしてマウスピースが作製されます。
1枚のマウスピースを1週間から2週間程度装着し、次のマウスピースに付け替えることで、少しずつ歯が動いていきます。アライナーの1日の装着時間は22時間が推奨されており、食事や歯磨きの時にはアライナーを外して行います。お食事後はアライナーをきれいに洗い、歯磨きをしてから再装着します。
銀歯の被せ物がある場合のインビザラインに関するQ&A
はい、銀歯がある場合でもインビザラインでの矯正治療は可能です。歯列全体にマウスピースを被せて歯を移動させるため、被せ物の材質に関係なく使用できます。
ブリッジをしている場合、原則としてブリッジをそのままにして矯正治療は行えません。ブリッジを一旦切り離し、矯正治療後に新しい歯列に合ったブリッジを作り直す必要があります。ただし、ブリッジの場所によっては、一部でブリッジのままで矯正治療が可能な場合もあります。
インプラントは骨にしっかり埋まっているため、インビザラインで直接インプラントを動かすことはできません。ただし、歯が抜けた場所にインプラントを考えている場合、矯正治療のスペースとして利用できる場合があります。矯正を検討する際は歯の状態に合わせた治療計画が必要です。
まとめ
銀歯の被せ物をしている場合にも、インビザラインでの矯正は可能です。銀歯のブリッジの場合は、ブリッジの場所やお口の状態によって、一旦ブリッジを外す場合と、そのままでも矯正治療が出来る場合があります。患者さんのお口の状態によって多少異なる部分も出てきますし、矯正担当医によって治療方針が異なる場合もありますので、一度矯正相談をお受けいただくことをおすすめします。
現在の研究文献には、インビザライン治療中の既存の銀歯(歯科用クラウン)についての直接的な情報は見つかりませんでした。しかし、インビザライン治療の一般的な特徴や考慮事項についてはいくつかの研究が存在します。
1. インビザラインシステムの特徴
インビザラインシステムは、従来の固定式矯正治療アプローチとは異なり、診断データを使用して歯の動きの目的地の3次元イメージを作成し、治療目標を達成するためにカスタムメイドの透明なプラスチックアライナーを製造して使用します。このシステムは、個々の歯の移動に焦点を当てており、特定の歯科的状況に応じた対応が可能です。【Tuncay, 2017】
2. インビザライン治療の効果
インビザライン治療は、従来の金属ワイヤーブレースと比較して歯周健康を改善するとされています。アライナーの使用により口腔のpHを上昇させ、汚れを除去し、プラーク形成を阻害することで、歯の色調の改善や歯周病の予防が期待できます。【Seleem et al., 2021】
これらの情報に基づくと、インビザライン治療は個々の歯の状況に応じたカスタマイズが可能であり、既存の銀歯(歯科用クラウン)がある場合でも治療を行うことができる可能性があります。ただし、個別のケースに応じた治療計画や考慮事項については、担当の歯科医師に相談することが重要です。