インビザライン

インビザラインをつけたままで牛乳を飲んでも大丈夫?

インビザラインをつけたままで牛乳を飲んでも大丈夫?

大阪矯正歯科グループ 歯科医師 松本 正洋

インビザラインは食事や間食の際には外さなければなりませんが、牛乳を飲む場合は外す必要があるのでしょうか? マウスピースを付けたまま牛乳を飲む場合についてご説明します。

インビザラインを装着したままで牛乳を飲んではダメ。その理由とは?

牛乳

1. 飲んだ瞬間、アライナーと歯の間に牛乳が入り込んで真っ白になる

インビザラインをつけたままで牛乳を飲むと、歯とマウスピースの間に牛乳が入り込んで真っ白になります。歯も白いので構わないのでは?と思われるかもしれませんが、アライナーに牛乳が入り込んだ場合は明らかに不自然に見えます。

2. 牛乳には糖分が含まれているので虫歯の原因になる

砂糖を含んだ飲み物の場合は、歯とアライナーの間に糖分が入り込むため、虫歯の原因になります。牛乳にも糖分が含まれていますので、牛乳もまた虫歯の原因になります。

3. 牛乳にはたんぱく質が含まれているので歯周病菌のエサになり歯周病のリスクが高まる

歯周病菌はたんぱく質をエサにして毒素を出します。その毒素で歯ぐきなどの歯周組織が炎症を起こす病気が歯周病です。歯周病になると歯茎の退縮が起こり、歯茎が歯を支えきれなくなって、歯がグラグラし始め、最終的には歯が抜けてしまいます。

インビザラインをつけたままで色の付いた飲み物はNG

ジュース

アライナーをつけたままで色の付いた飲み物を飲むと、マウスピースの中に飲み物が入り込んでしまい、アライナーは透明ですので、歯に色がついたように見えます。コーヒーやコーラなど、濃い色の飲み物は特に目立ちます。

飲んだ瞬間の見え方以外にも、マウスピースが着色されて汚れてしまい、そのまま時間が経つと洗っても取れにくくなります。そのため、インビザラインを付けたままで色の付いた飲み物を飲むのはやめておきましょう。

インビザライン装着時に飲むのを控える飲み物

マウスピースを付けたままで飲んではいけないものは、以下のようなものです。以下の飲み物を飲むときは、外して飲みましょう。

  1. 熱い飲み物
  2. 色の濃い飲み物
  3. 甘い飲み物

1. 熱い飲み物

熱い飲み物

インビザラインは60度位で変形しますので、熱い飲み物を飲むのは控えましょう。

熱いお茶やコーヒー、紅茶等はNGです。うっかりアライナーをつけたままで飲まないように気をつけましょう。

2. 色の濃い飲み物

色の濃い飲み物アライナーを付けたままで色の濃い飲み物を飲むと、歯とアライナーの間に飲み物が入って色がついて見えます。

また、飲み物に含まれる色素によってアライナーが着色してしまい、洗っても色が落ちなくなりますので、色の濃い飲み物を飲むときは、外して飲むようにしましょう。

3. 甘い飲み物

甘い飲み物甘い飲み物は歯とアライナーの中に入り込むと、糖分が歯に付着したのと同じ状態になり、虫歯のリスクが上がります。

甘い飲み物は控えるか、またはアライナーを外して飲んで、飲んだ後は歯磨きをしてアライナーを再装着しましょう。外した時にはアライナーもきれいに洗いましょう。

飲んでも大丈夫な飲み物は?

水

マウスピースをつけたままで飲んでも大丈夫な飲み物は、糖分やたんぱく質を含まない、お水ということになります。

色の付いた飲み物や糖分を含んだ飲み物を飲むときには、アライナーは外すようにしましょう。アライナーを外した後はきれいに洗い、出来れば歯みがきも行いましょう。

インビザラインをつけたままで牛乳を飲むに関するQ&A

インビザラインを歯に装着したままで牛乳を飲むとどうなるのですか?

装着したままで牛乳を飲むと、牛乳がアライナーと歯の間に入り込み、歯とアライナーが真っ白になる可能性があります。

インビザラインをつけたままで色の付いた飲み物を飲むと、どのような問題が起こるのですか?

マウスピースをつけたままで色の付いた飲み物を飲むと、アライナーの中に飲み物が入り込み、歯に色がついて見えるだけでなく、アライナーも着色して汚れてしまい、取りにくくなる可能性があります。

インビザラインをつけたままで飲んではいけない飲み物にはどのようなものがありますか?

インビザラインをつけたままで飲んではいけない飲み物には、熱い飲み物、色の濃い飲み物、甘い飲み物が含まれます。これらの飲み物を摂る際は、アライナーを外して飲むことをおすすめします。

まとめ

歯のキャラクター

インビザラインをつけたままで牛乳を飲むのはNGです。牛乳を飲むときにはアライナーを外して飲みましょう。飲んだ後はアライナーを洗い、歯磨きも行いましょう。

インビザラインのアライナーは1日に22時間装着することが必要です。治療計画通りに矯正を進めるために、外している時間が長くなりすぎないように注意しましょう。

これらの論文は、インビザラインを使用中の牛乳の摂取に直接関連するものではありませんが、牛乳と口腔衛生についての興味深い結果を提供しています。

1. 牛乳が歯の健康に及ぼす影響
牛乳と砂糖を含む食品の摂取がイタリアの6歳から11歳の子供たちの虫歯に及ぼす影響に関する研究です。研究結果は、毎日の牛乳消費量と虫歯の間に弱いが有意な負の関連があることを示しました。特に砂糖を多く摂取する子供たちのグループでは、牛乳が虫歯予防効果を持つ可能性が示唆されました。 [Petti, Simonetti, & D’arca, 1997]

2. 牛乳の口腔衛生への影響
牛乳摂取が口腔衛生に及ぼす利点に関するレビューです。研究は、牛乳が抗齲蝕作用を持ち、一般的な口腔衛生ルーチンと組み合わせることで特に効果的であることを示しています。牛乳の成分、特にその中のいくつかのタンパク質が、歯の再石灰化、細菌のコロニー形成の抑制、およびバイオフィルムの抑制に役立つと考えられています。 [Merritt, Qi, & Shi, 2006]

これらの研究に基づくと、インビザラインを使用中の牛乳の摂取については、直接的な研究結果は見つかりませんでしたが、一般的に牛乳は口腔衛生に良い影響を与えることが示唆されています。牛乳に含まれる成分が虫歯予防に効果的であり、口腔内の健康を維持するのに役立つ可能性があります。
ただし、インビザラインや他の透明な矯正装置を使用している場合、飲食に関する特定のガイドラインに従うことが重要です。多くの矯正歯科医師は、装置を着用している間の飲食を避けることを推奨しています。牛乳を含む飲食物は、矯正装置の下に残留し、虫歯や装置の損傷のリスクを高める可能性があります。そのため、牛乳を飲む場合は、インビザラインを一時的に取り外し、飲んだ後に歯を磨いてから再び装置を装着することが望ましいでしょう。

この記事の監修者

医療法人真摯会
理事長 歯科医師 総院長
松本正洋
クローバー歯科、まつもと歯科 総院長。国立長崎大学歯学部卒業。1989年歯科医師免許取得。1998年医療法人真摯会設立。矯正歯科の認定多数。日本抗加齢医学会 認定医。

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