
ほうれい線が出来る理由は色々ありますが、出っ歯であることも理由の一つです。どうして出っ歯だと出来やすいのか、歯列矯正で改善するのかについてご説明します。
目次
口ゴボや出っ歯でほうれい線ができる?

口ゴボや出っ歯の方にほうれい線が出来てしまうのは、以下のような理由からです。
1.歯並びが悪い
口ゴボ、出っ歯の方は歯や上顎が前に出ているため、唇を閉じても前歯が唇から少し出てしまう方がおられます。唇に力を入れて前歯を隠そうとすると、口元に皺が出やすくなります。
2.噛み合わせが悪い
出っ歯や口ゴボ気味の方で噛み合わせが悪いと、無意識のうちに左右どちらかの歯でばかり噛むようになったり、片方だけ力が入っている状態になります。
普段はあまり気づかなくても、正面のお顔の写真を撮った時に、左右がアンバランスでほうれい線が出やすくなっていることがわかります。
3.口呼吸をしている
口ゴボや出っ歯の方は、唇に力を入れないと口が開いてしまう、閉じにくい、という傾向があります。その場合、ご本人は無意識でも口呼吸になっていることがあります。
口呼吸を続けているとお口の周りの筋肉が衰えますので、顔全体の表情筋が衰えてほうれい線が出やすくなります。
出っ歯・口ゴボでほうれい線が目立ちやすくなる理由とは?
「ほうれい線が気になる…」「年齢のせいかと思っていたけれど、出っ歯や口ゴボが関係しているの?」と疑問に思われたことはありませんか? 実は、出っ歯や口ゴボとほうれい線の関係は意外と深く、歯並びや口元の状態がシワの目立ちやすさに影響を与えるのです。
① 口元が前に出ることで、シワの溝が深くなる
出っ歯や口ゴボの方は、上唇・下唇が前に押し出されている状態です。その結果、頬の皮膚が後ろに引っ張られる形となり、ほうれい線がよりくっきりと刻まれやすくなります。
特に、次のような状態の方は、ほうれい線が目立ちやすくなる傾向があります。
-
口を閉じると、唇に力が入ってしまう
口ゴボの方は、無意識のうちに唇を閉じるために余計な力を使うことが多いです。この習慣が長く続くと、口周りの筋肉に負担がかかり、シワが深くなる要因となります。 -
鼻の下が長く見える
出っ歯の方は、口元が前に出ているため、相対的に鼻の下が長く見えがちです。すると、ほうれい線の始点が強調され、より目立つようになります。
② 噛み合わせの影響で頬がたるみやすい
噛み合わせは、顔のたるみにも大きく影響します。特に、出っ歯や口ゴボの方は、次のような理由で頬のたるみが進行しやすくなります。
-
噛み合わせのズレが筋肉のバランスを崩す
出っ歯や口ゴボの方は、上下の歯が正しく噛み合っていないケースが多く、咀嚼時に余計な筋肉を使うことになります。その結果、表情筋のバランスが乱れ、頬のたるみやシワが目立ちやすくなるのです。 -
口周りの筋肉が衰えやすい
正しい噛み合わせの方に比べ、口ゴボや出っ歯の方は、食事の際に噛む力が分散されにくく、口周りの筋肉が十分に鍛えられません。すると、頬のハリが失われ、ほうれい線が目立つ原因になってしまいます。
③ 口呼吸の習慣が影響する
口ゴボや出っ歯の方は、口をしっかり閉じにくいため、口呼吸になりやすい傾向があります。この口呼吸の習慣がほうれい線の悪化を招くことも。
-
口の中が乾燥し、肌のハリが低下する
口呼吸をしていると、口内が常に乾燥しやすくなります。すると、皮膚の水分量も不足し、ほうれい線が深く刻まれる原因に。 -
口周りの筋肉が緩み、皮膚が垂れやすい
口呼吸を続けると、口周りの筋肉が衰えやすくなります。その結果、頬の皮膚が支えられず、ほうれい線が目立ちやすくなってしまうのです。
④ 歯並びの乱れが顔の骨格に影響する
歯並びは顔の骨格にも影響を与えます。特に、出っ歯や口ゴボの方は、次のような理由でほうれい線が悪化しやすいのです。
-
上顎の突出による顔のバランスの乱れ
出っ歯の方は、上顎が前に出ているため、顔全体のバランスが崩れやすくなります。その結果、頬の脂肪が下がりやすくなり、ほうれい線がくっきりと見えることも。 -
顎の後退による皮膚のたるみ
口ゴボの方は、下顎が引っ込んでいるケースが多いです。すると、フェイスラインが不明瞭になり、皮膚がたるみやすくなることで、ほうれい線がより強調されるのです。
出っ歯や口ゴボの方がほうれい線が目立ちやすくなる理由をまとめると、以下のようになります。
- 口元の突出により、頬の皮膚が引っ張られる
- 噛み合わせのズレが顔の筋肉のバランスを崩す
- 口呼吸の影響で口周りの筋肉が衰えやすい
- 顔の骨格のバランスが乱れ、皮膚のたるみを招く
こうした問題を改善するには、歯列矯正や噛み合わせの調整、正しい呼吸法の習得が大切です。もし「ほうれい線が気になるけれど、歯並びが原因かも?」と思われた方は、ぜひ一度、矯正歯科で相談してみてくださいね。
歯列矯正とほうれい線の関係
矯正治療後にほうれい線が出る、逆に消えるというのは、ケースバイケースで起こります。
1. 歯列矯正の影響
歯列矯正は、歯並びや噛み合わせを改善するための治療です。この治療が顔の輪郭や口元に与え、ほうれい線に影響が出ることがあります。
- 歯並びの改善・・歯並びが改善されることで、お顔全体のバランスが整い、口元やほうれい線の位置に影響を与えることがあります。
- 噛み合わせの改善・・噛み合わせが正しくなることで、顎やお口の周りの筋肉の使い方が変わり、ほうれい線の目立ち具合に影響を与えることがあります。
2. ほうれい線の変化
ほうれい線は、鼻の両脇から口の両端にかけてできるシワのことを指します。年齢とともに目立ってくることが多いですが、歯列矯正治療によって出方が変化することがあります。
- 軽減・・歯並びや咬合が改善されることで、口元の筋肉が正常に機能し、ほうれい線が目立たなくなる場合があります。
- 変化なし・・歯列矯正治療が直接的にほうれい線に大きな影響を与えない場合もあります。この場合の目立ち具合は他の要因(年齢、肌の状態、遺伝など)によって決まります。
- 増加・・矯正治療の初期段階では、装置の影響で口元の動きが変わり、ほうれい線が一時的に目立つことがあります。しかし、これは一時的なものであり、治療が進むにつれて改善されるのが一般的です。
3. その他の要因
矯正治療がほうれい線に与える影響は、不正咬合の度合いや治療方法によって異なります。例えば、抜歯を伴う治療やインビザラインのような透明なアライナーを用いた治療など、治療の内容によって影響が異なることがあります。
歯列矯正でほうれい線は消えるのか?
出っ歯や口ゴボが改善することで、ほうれい線は消えたり改善したりするのでしょうか? 矯正治療は歯列を改善するためのもので、ほうれい線に直接アプローチするものではありません。
そのため、結果的に消えることはありますが、ほうれい線を消す目的で矯正治療をすることはないため、必ず改善するというわけではありません。
矯正で逆にほうれい線が目立つ場合もある?
矯正治療で歯を大きく動かさなければならない場合は、小臼歯を抜歯して歯を動かすためのスペースを作ります。抜歯をすると歯の数が減るために歯列が小さくなりますので、出っ歯を引っ込めた結果、口元の皮膚が少したるんでほうれい線のような皺が出る場合があります。
他の要因としては、ワイヤー矯正や裏側矯正の場合に、矯正装置をつけた状態で食事がしにくく、特に硬いものや良く噛む必要があるものを避けることがあります。
その結果、お口をあまり動かさない状態が続いて、表情筋が衰えてほうれい線が出来てしまう場合があります。
矯正後にほうれい線が出来てしまった場合は、矯正治療後に良く笑ったり、しっかり噛むことで表情筋を動かすようにすると、改善するケースが多いです。
まとめ

出っ歯や口ゴボでほうれい線が出来る理由と、歯列矯正で改善するかについてご説明しました。出っ歯や口ゴボの全ての方にほうれい線が出るわけではなく、個人差があります。同じく、矯正治療で改善するのも個人差がありますので、必ず改善するということではありません。