歯列矯正では、出っ歯による横顔のコンプレックスを解消させることが出来ます。横顔がきれいになる出っ歯の矯正治療についてご説明します。
目次
出っ歯で横顔にコンプレックスがある方へ 考えられる治療方法とは？
「横顔のラインが気になる」「出っ歯が原因で自分の横顔に自信が持てない」そんなお悩みをお持ちの方は意外と多いのではないでしょうか？
特に、横顔のバランスは「Eライン（エステティックライン）」と呼ばれる美しい横顔の指標にも関係するため、気になる方が多いのも納得です。
では、出っ歯を改善するためにはどのような治療方法があるのでしょうか？
出っ歯の原因とは？
まず、治療方法を選ぶ前に、出っ歯の原因を知ることが大切です。出っ歯は主に以下のような理由で起こります。
- 歯の傾き（上の前歯が前方に傾いている）
- 顎の大きさのバランス（上顎が大きい or 下顎が小さい）
- 舌の癖や口呼吸（舌が前に押し出す動きが強い、口がポカンと開いている）
これらの原因によって適切な治療法が異なってきます。
出っ歯を引っ込めて横顔のラインを整える治療方法
では、具体的にどのような方法があるのか見ていきましょう。
1. 矯正治療（ワイヤー矯正・インビザライン）
出っ歯の改善には、矯正治療がもっとも一般的です。
矯正治療には主に 「ワイヤー矯正」 と 「マウスピース矯正（インビザライン）」 の2種類があります。
ワイヤー矯正（表側・裏側）
- しっかりと歯を動かしたい場合に適している
- 目立ちにくい「裏側矯正」も可能
- 重度の出っ歯にも対応しやすい
マウスピース矯正（インビザライン）
- 透明で目立ちにくい
- 取り外しが可能で、食事や歯磨きがしやすい
- 軽度〜中程度の出っ歯に向いている
ワイヤー矯正は、歯の移動を強くコントロールできるため、重度の出っ歯にも適しています。一方、インビザラインは「目立たない矯正」が可能ですが、適応できる症例に限りがあるため、事前にしっかり相談することが大切です。
2. 抜歯を伴う矯正
「前歯の突出感をしっかり引っ込めたい」という方の場合、抜歯を併用した矯正 も検討されることがあります。
特に、口元の突出感が強い方 は、抜歯をすることでスペースを作り、しっかりと歯を後方へ下げることが可能です。
抜歯矯正が適しているケース
- 歯の並ぶスペースが不足している
- 前歯を大きく後方へ移動させたい
- 横顔のバランスを整えたい
「歯を抜くのは不安…」という方もおられるかもしれませんが、抜歯矯正をすることで、よりスッキリとした横顔を手に入れられることもあります。矯正医としっかり相談しながら、最適な方法を選びましょう。
3. 外科手術（セットバック手術など）
出っ歯の原因が 「骨格」 にある場合は、矯正だけでは完全に改善できないこともあります。その場合、外科手術（セットバック手術） を併用することで、根本的な改善が可能になります。
手術が適しているケース
- 下顎が極端に小さい（下顎後退）
- 上顎が前に出すぎている
- 矯正だけでは大きな変化が期待できない
特に、顎変形症 と診断された場合は、保険適用での手術が可能なこともありますので、専門の歯科医院で相談してみましょう。
4. セラミック矯正（ラミネートべニア・被せ物）
「できるだけ短期間で出っ歯を治したい」という方には、セラミックを使った治療も選択肢の一つです。
ラミネートべニア
- 前歯の表面をわずかに削り、薄いセラミックを貼り付ける
- 軽度の出っ歯なら、短期間で改善できる
セラミッククラウン
- 前歯を大きく削り、セラミックの被せ物で形を整える
- 歯の位置や角度を大きく変えたい場合に有効
ただし、セラミック治療は「健康な歯を削る必要がある」 ため、慎重に検討することが大切です。
どの治療法が自分に合っている？
「自分にとってどの治療法が最適なのか分からない…」と迷われる方も多いかもしれません。
治療法を選ぶ際のポイントは、以下のようになります。
- 矯正で治せる程度なのか？（歯の傾きによる出っ歯） → 矯正治療（ワイヤー or インビザライン） を選ぶ
- 顎の骨格の影響が大きいのか？ → 骨切り手術が必要な可能性がある
- 短期間で見た目を整えたいのか？ → セラミック治療も選択肢の一つ
- 抜歯をしてしっかり後ろへ下げる必要があるのか？ → 抜歯矯正を検討する
歯列矯正の装置による方法の違いについて
矯正装置を歯に着ける方法で出っ歯を引っ込めて横顔のコンプレックスをなくすには、主に3つの方法があります。
- ワイヤー矯正
- 裏側矯正
- マウスピース矯正
ワイヤー矯正
一番古くからある治療方法で、歯の表側にブラケットと呼ばれる小さなボタンのような装置を貼り付け、そこにワイヤーを通して歯に力をかけて、歯を動かしていく方法です。
装置は治療が終わるまでつけたままになり、完全に治療が終わるまでには2年程度かかる方が多いです。
ワイヤーとブラケットが目立つのが、ワイヤー矯正のデメリットですが、近年では白いワイヤーとブラケットが良く使われるようになり、あまり目立たなくなりました。
裏側矯正
ワイヤーとブラケットを歯の裏側につけるのが裏側矯正です。当院ではインコグニトという名称のワイヤーとブラケットを使っています。
インコグニトはオーダーメイドで作られますので、患者さんの歯の裏側にフィットし、従来の裏側矯正の装置よりも薄いのが特徴です。また、歯の裏側に付けますので、他人から見えにくいこともメリットです。
出っ歯はワイヤー矯正よりも裏側矯正での治療がやや適しています。
マウスピース矯正
透明な樹脂製のマウスピースを段階的に付け替えながら歯並びを整えるのが、マウスピース矯正です。当院ではインビザラインという名称のマウスピース矯正システムを使用しています。
マウスピースは他人から見えにくく、人目を気にせずに歯並びを治療することが可能です。1日の装着時間は22時間が推奨されており、装着時間が少なくなると治療計画通りに治療が進まない恐れがあります。
食事と歯磨きの際には、マウスピースを外すことが出来ます。抜歯矯正の場合は、ワイヤー矯正や裏側矯正の方が治療期間が短くなる傾向があります。
外科矯正で出っ歯を大きく引っ込める方法
上顎の骨格が前に出ているために、口元全体が前に出ているゴボ口の方は、矯正装置での歯の向きの移動だけでは、横顔がきれいにならず、横顔のコンプレックスの解消も出来ません。
当院ではセットバック手術と呼ばれる外科矯正を行っています。セットバックでは、上顎の小臼歯（4番の歯）を抜いて、その部分の骨を切除し、鼻の下から水平に骨を切って、前歯を骨ごと後ろに下げます。口元全体が下がりますので、お口の突出感が大きく減り、横顔がきれいに見えるようになります
また、下顎が下がっているために、相対的に上顎が前に出ているように見えるタイプの場合は、下顎オトガイ前方移動という手術を行います。下顎を前に出すことで、横顔をきれいに見せることが出来ます。
横顔の美しさを示すEラインとは？
Eラインとは横顔の美しさの基準となるもので、顔を真横から見た時の、鼻と顎先の先端を結んだラインのことをいいます。
Eラインの上に上下の唇が乗っている、または、ラインの内側に収まっているのが、美しい横顔といわれています。
ただし、Eラインは欧米人の横顔を基準として提唱されたものですので、日本人にはそのまま当てはまりにくいともいえます。
出っ歯の矯正では抜歯は必須？
軽度の出っ歯の場合は、抜歯せずに前歯の側面のエナメル質を僅かに削ってスペースを作り、そのスペースを利用して歯を動かします。
中度～重度の出っ歯の場合で、歯を大きく動かさなければならないときは、小臼歯を抜歯して歯を動かすためのスペースを作ります。
歯列矯正で歯を動かす場合は、必ず歯を動かすスペースが必要になりますので、歯並びを整えるためにどの程度歯を動かさなければならないかによって、抜歯が必要かどうかが決まります。
出っ歯の治療で抜歯はしたくないとおっしゃる患者さんもおられますが、抜歯が必要なケースで抜歯せずに矯正治療をすると、十分に出っ歯を後ろに下げられず、期待していたほどには横顔がきれいにならない場合もあります。
まとめ
出っ歯による横顔のコンプレックスは、適切な治療を受けることで改善できるケースがほとんどです。
「自分のケースではどの治療が合っているのか？」と迷われたら、まずは歯科医院で相談してみましょう。
出っ歯の治療方法のまとめ
- ワイヤー矯正 or インビザライン（歯の傾きが原因の場合）
- 抜歯矯正（スペースを作り、しっかり後方へ下げる）
- 骨切り手術（骨格が原因の場合）
- セラミック治療（短期間で見た目を整えたい場合）
お一人おひとりの症状や希望に合わせて、最適な治療を選ぶことが大切です。「出っ歯が気になる…」という方は、ぜひ一度専門の歯科医院で相談してみてくださいね。
出っ歯のために横顔に自信が持てず、コンプレックスになっている方は、矯正装置をつけての治療か、もしくは外科矯正を行う必要があります。まずは、横顔のコンプレックスについてのカウンセリングを受けて頂くと、担当の矯正医より最適な治療をご提案させて頂きます。
医療法人真摯会
