部分矯正

部分矯正は目立たないやり方でできる?

部分矯正は目立たないやり方でできる?

大阪矯正歯科グループ 歯科医師 松本 正洋

前歯の気になる歯並び部分だけを治す部分矯正をするときに、出来るだけ目立たない矯正装置で行いたいとおっしゃる患者さんは多いです。部分矯正を目立たないやり方で行う方法についてご説明します。

部分矯正で使用する目立たない矯正装置は?

部分矯正での治療方法は、ワイヤー矯正、裏側矯正、マウスピース矯正です。部分矯正では抜歯しませんので、基本的にこれらのどの装置でも治療が可能です。

1. ワイヤー矯正

金属と白のブラケットとワイヤー

ブラケットという小さなボタンのようなものを前歯の表側に貼り付け、それにワイヤーを通して、力をかけます。

従来、ワイヤー矯正では、金属製の銀色のブラケットとワイヤーを使用し、喋ったり笑ったりするととても目立つことが大きなデメリットとなっていました。

近年では、セラミックの白いブラケットや、透明のブラケット、そして白い樹脂を巻いたワイヤーなどが主流になっており、歯にブラケットとワイヤーをつけていてもあまり目立たなくなっています。

ワイヤー矯正での前歯の部分矯正

写真のように、歯並びの治療を行う前歯にだけ矯正装置をつけます。この方の場合は前歯6本の歯並びを治療しています。

部分矯正(ホワイトワイヤー矯正)

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2. 裏側矯正

裏側矯正装置

前歯の裏側にワイヤーとブラケットをつけるのが、裏側矯正です。歯の裏側なので、他人から見えにくいのが特徴です。

当院で使用している裏側矯正の装置はインコグニトと呼ばれるもので、歯の裏側の形状に合ったブラケットをオーダーメイドしますので、歯にぴったりと沿って薄い仕上がりに出来ます。。

ワイヤー矯正よりは少し治療費が高くなりますが、出っ歯を引っ込めるのに効果的です。

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3. マウスピース矯正

インビザラインアライナー

マウスピース矯正では、透明なマウスピースを歯に装着して歯を動かしていきます。マウスピース自体が透明ですので、つけていても目立ちません。

マウスピースは食事と歯磨きの時は外して、1日22時間以上装着します。装着時間が少ないと、歯が動きにくかったり、後戻りを起こしたりします。

2週間程度で新しいマウスピースに交換して、少しずつ歯を動かしていきます。マウスピース矯正はワイヤー矯正よりも痛みが少ないといわれますが、患者さんご自身でマウスピースの装着時間をしっかり守ったり、洗浄して清潔にするなどの管理をしなければなりません。

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部分矯正と全体矯正の違い

部分矯正は、歯の一部分の気になる歯のみを動かして歯並びをきれいに整えます。全体矯正では歯全体を動かしますが、部分矯正では主に前歯2本~8本程度を動かします。

部分矯正では前歯だけを動かすので、噛み合わせを治すことは出来ません。また、重度の出っ歯やガタガタ、八重歯、受け口などは部分矯正で治療することは出来ません。

 

部分矯正は目立たないやり方でできるかに関するQ&A

Q

部分矯正で目立たないやり方を選ぶ際、どの治療方法が利用できますか?

A

部分矯正にはワイヤー矯正、裏側矯正、マウスピース矯正があり、これらの中から選択できます。この中で目立たないのはマウスピース矯正と裏側矯正です。

Q

ワイヤー矯正をなるべく目立たなくすることは出来ますか?

A

ワイヤー矯正は金属ブラケットとワイヤーが一般的ですが、セラミックの白いブラケットや透明のブラケット、白い樹脂を巻いたワイヤーが利用され、目立たないオプションが提供されています。

Q

部分矯正と全体矯正の違いは何ですか?

A

部分矯正は前歯2~8本程度を動かして部分的に気になる部分の歯並びを治します。全体矯正は歯全体を動かし、奥歯の噛み合わせも整えることが出来ます。

まとめ

マウスピース

 

部分矯正の治療は受けたいけれど、目立つ装置は嫌とおっしゃる方が多く、患者さんのご希望を伺ったうえで、矯正担当医が患者さんの歯並びによって効果的な治療の出来る矯正装置をお選びします。目立たない矯正装置で部分矯正を受けたい方は、ぜひ一度ご相談ください。

https://www.osaka-kyousei.com/kyousei5.html

部分矯正を目立たない方法で行うことは可能です。以下の論文に示されているような方法が考えられます。

1. 可動式の装置を用いた移動歯の治療
この研究では、成人の矯正治療において、病的な歯の移動を修正するために部分入れ歯に矯正アタッチメントを使用した2つの症例が説明されています。この方法では、固定式の補綴物が設置されるまで、一時的な保持スプリントとして部分入れ歯を使用しました【G. V. Newman, 1966

2. 口腔リハビリテーションにおける矯正治療の応用
この研究では、口腔リハビリテーションにおける矯正治療技術の応用価値が探求されています。80例の患者がランダムに2つのグループに分けられ、一方のグループは部分義歯治療を、もう一方のグループは矯正治療を受けました。矯正治療を受けたグループの全体的な効果は、部分義歯治療を受けたグループよりも顕著に高く、治療に対する満足度も高かったと報告されています。これは、目立たない方法で部分矯正を実現するための一つの選択肢を示しています【Y. Qian, 2012

これらの研究は、目立たない方法で部分矯正を行うことが可能であることを示しています。特に、可動式の装置や矯正治療技術の応用により、患者の審美的要望に応えつつ矯正治療を行うことができます。

この記事の監修者

医療法人真摯会
理事長 歯科医師 総院長
松本正洋
クローバー歯科、まつもと歯科 総院長。国立長崎大学歯学部卒業。1989年歯科医師免許取得。1998年医療法人真摯会設立。矯正歯科の認定多数。日本抗加齢医学会 認定医。

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