交叉咬合は治療の難易度の高い不正咬合の一つで、上下の噛み合わせが部分的に反対咬合になっています。一般的には噛み合わせに異常があるばあいは部分矯正の適用外になりますが、交叉咬合は部分矯正は可能かどうか、ご説明します。
交叉咬合は部分矯正で治る?
歯の気になる部分だけを治すのが部分矯正で、主に前歯の2~8本程度の歯並びを治すことが出来ます。しかし部分矯正では、前歯の歯並びを整えると同時に奥歯の噛み合わせを治すことが出来ません。
交叉咬合の場合は主に噛み合わせを治すことが必要ですので、部分矯正では治療できず、全体矯正(全顎矯正)をしなければなりません。
交叉咬合ってどんな歯並び?
交叉咬合は奥歯を噛み合わせた時に、部分的に上の歯と下の歯の噛み合わせが反対になっている状態です。クロスバイトとも呼ばれています。
正常な咬合では、上顎の歯が下顎の歯の外側に被さるような噛み合わせになりますが、交叉咬合は歯列の一部分が逆になっています
噛み合わせのズレが顎骨の変形や顔の歪みから起こっている可能性もありますので、小児矯正で早めに矯正治療を始めることをお勧めします。
交叉咬合の治療方法は?
交叉咬合は不正咬合の中でも治療が難しいケースが多く、特に大人になってからの治療では、骨格性の場合は矯正装置を付けるだけでは治らず、外科手術が必要になります。
小児矯正で小さい間に治療をすれば、顎が成長するのに合わせて歯並びを整えることが出来るので、装置を付ける矯正治療で対応出来ます。
交叉咬合の原因
交叉咬合が起こる要因としては、以下のような日常生活での様々な癖があげられます。
- 指しゃぶり
- 舌で前歯を押すなどの舌癖
- 頬杖
- 爪を噛む
これらの癖が顎の成長に悪影響を与えて、顎の変形や歪みが起こったことがあげられます。
交叉咬合だとどんな問題があるの?
1.交叉咬合の問題:顎関節症になりやすい
交叉咬合になっている部分では、ものを噛むことが出来ません。そのため、顎をずらすようにして動かさないとものを噛んだり擦りつぶすことが出来ず、顎関節への悪影響につながります。
2.交叉咬合の問題:虫歯や歯周病になりやすい
交叉咬合の場合、歯磨きが難しくなりますので、磨き残しが常にあって、歯垢や歯石がたまりやすいため、虫歯や歯周病になりやすいリスクがあります。
交叉咬合の部分矯正で治療可能かに関するQ&A
交叉咬合とは何ですか?
交叉咬合は上下の歯が部分的に反対咬合になる不正咬合の状態で、奥歯を噛み合わせた時に上下の歯の噛み合わせが逆になることを指します。これはクロスバイトとも呼ばれます。
交叉咬合は部分矯正で治療できますか?
いいえ、交叉咬合は部分矯正では治療できません。通常、噛み合わせに異常がある場合、全顎矯正が必要であり、交叉咬合も全体矯正が必要です。
交叉咬合の治療方法は何ですか?
交叉咬合の治療方法は症状の程度により異なりますが、小児矯正で早めに治療を始めることがお勧めです。成人の場合、ワイヤー矯正等の矯正装置での治療が考えられますが、骨格性の交叉咬合では外科手術が必要な場合もあります。小児の場合、矯正装置を使って歯並びを整えることができます。
まとめ
不正咬合は見た目が悪いだけでなく、歯が重なっていて磨きにくいために虫歯や歯周病になりやすく、歯に悪い影響を与えることになります。
小児矯正では子どもの成長を利用して顎骨の大きさや形を整えながら、歯をきれいに並べていきます。大人の矯正では通常の矯正治療以外に外科矯正という改善方法があります。
また、部分矯正が適用可能であれば、治療期間や治療費を抑えることが出来ます。歯並びはお一人おひとり違いますので、治療方法も厳密には違います。歯並びのセルフチェックはなかなか難しいと思いますので、ぜひ一度矯正相談にお越しください。