マウスピース矯正の中でも人気のあるインビザラインで部分矯正をしようとした時に、デメリットはあるのか気になると思います。インビザラインでの部分矯正のデメリットについてご説明します。
インビザラインでの部分矯正のデメリット
1. 適用症例が限られる
部分矯正は本来、歯並びの乱れているところを部分的に治す治療ですので、軽度のすきっ歯、ガタガタ、出っ歯、受け口しか治せません。また、一般的に前歯の2~8本程度の歯並びを治す治療です。
八重歯やガタガタで歯が大きく重なっている場合は、歯を大きく動かさなければなりませんので、抜歯が必要になることが多く、部分矯正では治療出来ません。
2. 噛み合わせは治せない
部分矯正で動かすのは主に前歯です。そのため、部分矯正では奥歯の噛み合わせを改善することは出来ません。
噛み合わせを治す必要のある方は、全顎矯正の治療が必要です。
3. 歯を削ることがある
矯正治療では、歯を動かして並べるためのスペースが必要です。全顎矯正では小臼歯の抜歯をしてスペースを作ることが多いですが、部分矯正では前歯の横を少し削って、前歯の幅を縮めてスペースを作ります。
その処置のことをディスキング(ストリッピング、スライス)と言います。ディスキングで削るのは、エナメル質の部分だけで、0.25ミリ~0.5ミリ程度です。僅かに削るだけですので、通常は痛みはありません。
しかし、元々エナメル質が薄くなっていて知覚過敏だった患者さんの歯をディスキングで削ると、知覚過敏が酷くなることがありますので、注意が必要です。
4. 必ず1日22時間の装着が必要
マウスピース矯正は、患者さんご自身で取り外しが可能なのでメリットですが、外す時間が長くなってしまうと、歯が治療計画通りに動かなかったり、後戻りしてしまうということが起こります。
インビザラインで推奨されている装着時間は20~22時間ですが、当院では後戻りを防ぐために、1日22時間以上装着するようにして頂いています。
5. アライナーを変えた時に締め付け感や痛みが出ることがある
インビザラインのアライナー(マウスピース)は透明な薄いプラスチックで出来ています。
アライナーは1~2週間毎に新しいアライナーに付け替えますが、新しいアライナーを付けた直後は歯が締め付けられる感じがしたり、痛みが出たり、発音しにくく感じることがあります。しかし数時間で慣れますので、ご安心ください。
6. ワイヤー矯正よりも治療に時間がかかる傾向がある
インビザラインでは、アライナー1枚につき0.25mm程度を動かすように設計されています。これはマウスピース矯正の特徴で、歯を動かす速度が遅いために、歯が動く時の痛みが少ないというメリットにもなります。しかし、ワイヤー矯正、裏側矯正と比べて少し治療期間が長くなる傾向があります。
マウスピース矯正インビザラインでの部分矯正とは?
マウスピース矯正は、透明なマウスピースを1日22時間歯にはめて歯並びを治していきます。部分矯正では、マウスピース自体は歯全体に装着しますが、動かすのは主に前歯で、奥歯が動くことはありません。
部分矯正は気になる部分の歯並びだけをきれいにする治療ですので、全顎矯正よりも期間や治療費を少なく出来るのが特色です。
そのため、全顎矯正と比べると、マウスピースの枚数が少なくなります。また、部分矯正では歯を大きく動かすことは出来ませんので、抜歯矯正は行いません。
インビザラインで部分矯正をするデメリットに関するQ&A
インビザラインで部分矯正を行う際、適用症例にはどのような制約がありますか?
インビザラインでの部分矯正は、軽度の歯並びの問題に適しており、歯の重なりや八重歯、受け口などの軽度な不正咬合を治療できます。しかし、歯を大きく動かす必要がある場合やガタガタが重度の場合には抜歯が必要で、部分矯正では難しいです。
部分矯正を選択した場合、奥歯の噛み合わせの改善はできないのですか?
はい、部分矯正では主に前歯を調整し、奥歯の噛み合わせを改善することはできません。奥歯の噛み合わせを改善するには、全顎矯正の治療が必要です。
部分矯正時に歯を削る必要があるとのことですが、どのような処置が行われるのですか?
部分矯正では歯を動かすためのスペースを作る方法として、前歯の横を少し削る処置が行われることがあります。この処置をIPR(ディスキング、スライス)と呼びます。通常、削られるのはエナメル質の部分で、痛みは通常はありませんが、元々知覚過敏がある場合には注意が必要です。
まとめ
インビザラインで部分矯正を行った時のデメリットについてご説明しました。部分矯正での治療を始めるには、まず、部分矯正で治療が可能かどうかの診断が必要になります。無料の矯正相談をご利用いただくと、部分矯正可能かどうかがわかりますので、ぜひご利用ください。