
矯正治療をしたいけどワイヤーが目立つのでなかなか踏み切れないとおっしゃる方は多くおられます。近年ではワイヤー矯正は目立つという審美的なデメリットを解決すべく、白や透明のブラケット、白いワイヤーが主流になっています。また、目立たない裏側矯正やマウスピースタイプの矯正装置についてもご説明します。
目立たない矯正装置に人気がある理由とは?
「歯並びを治したいけれど、矯正装置が目立つのはちょっと…」と思われている方もいらっしゃるのではないでしょうか? 近年では、透明なマウスピース矯正や裏側矯正など、目立たない矯正装置の人気が高まっています。
1. 矯正中でも周囲の目を気にせずに済む
従来のワイヤー矯正は、歯の表側に金属のブラケットを装着するため、どうしても目立ちやすいものでした。しかし、透明なマウスピース矯正や裏側矯正なら、他人に気づかれにくく、見た目の印象を変えずに矯正ができるのです。
特にこんな方におすすめ!
- 接客業や営業職で人と話す機会が多い方
- 学生さんや就職活動中の方
- 結婚式や大事なイベントを控えている方
「矯正していることを知られたくない」「人前に出る仕事をしている」という理由で、目立たない矯正装置を選ばれる方が増えています。
2. 矯正中のコンプレックスを軽減できる
「矯正中の装置が気になって、笑うのをためらってしまう…」そんなお悩みを持つ方も少なくありませんよね。目立たない矯正装置なら、治療中も自然な口元を保つことができ、自信を持って笑えるのが大きなメリットです。
特に、透明なマウスピース矯正(インビザラインなど)は、近くで見てもほとんど装着していることが分からないため、矯正中の見た目が気になる方にはピッタリです。
3. 痛みや違和感が少ない
「矯正装置が口の中で当たって痛い…」という声をよく聞きますが、目立たない矯正装置の多くは、従来のワイヤー矯正に比べて痛みが少ないのも特徴です。
例えば…
- マウスピース矯正 → 金属を使わないため、口の中の違和感が少ない
- 裏側矯正 → 表側の装置より唇に当たりにくく、口内炎のリスクが低い
特に、マウスピース矯正はワイヤー矯正のように金属が歯や口内に当たることがないため、装着時の快適さを重視する方にも人気があります。
4. 取り外し可能なタイプもあるため、衛生管理がしやすい
マウスピース矯正(インビザラインなど)は、自分で取り外しができるのが大きな特徴です。
- 食事の際に外せるので、装置に食べ物が挟まる心配がない
- 歯磨きがしやすく、虫歯や歯周病のリスクが低い
ワイヤー矯正の場合、食べ物が装置に詰まりやすく、歯磨きが難しいというデメリットがありますが、マウスピース矯正ならいつも通りの歯磨きができるため、清潔に保ちやすいのです。
5. 矯正の選択肢が増え、ライフスタイルに合わせやすくなった
昔は「矯正=銀色のワイヤーで目立つ」というイメージが強かったですが、現在は多くの選択肢があり、自分のライフスタイルに合った矯正方法を選べるようになりました。
目立たない矯正装置の種類と特徴
矯正方法 | 見た目 | 取り外し | 痛み・違和感 | 費用 |
---|---|---|---|---|
マウスピース矯正 | 透明で目立たない | 可能 | 少ない | 中~高 |
裏側矯正 | 裏側なので見えない | 不可 | 舌に違和感あり | 高め |
透明ブラケット矯正 | 目立ちにくいが少し見える | 不可 | 表側ワイヤー矯正と同じ | 中程度 |
このように、矯正装置の選択肢が広がったことで、「目立たない矯正」を求める方が自分に合った方法を選べるようになったのも人気の理由の一つです。
ワイヤー矯正の目立たないブラケットやワイヤー

矯正治療にはワイヤーとブラケットがつきものですが、金属製の銀色のブラケットはとても目立つので、躊躇する患者さんが多いのは事実です。
近年よく使われているのは、セラミックで出来た白いブラケットです。歯とよく似た白色タイプですので、歯に貼り付けても目立ちにくく、上品な感じになります。
ワイヤーも銀色のものを使用すると目立つため、白いワイヤーや、白っぽく見える加工が施されたワイヤーを使用することが多くなりました。(当院ではホワイトワイヤー矯正と呼びます)
セラミックブラケットのメリット

目立たないので他人の目をあまり気にしなくていい
歯と同じ白いブラケットは、歯の色と馴染んで目立ちません。近づいてみるとブラケットをつけていることはわかりますが、銀色の金属のブラケットと比べると笑ったり口を開けたりしても目立ちません。
セラミックは汚れがつきにくい
セラミックは汚れがつきにくい性質があるため、ブラケットに汚れがつきにくく、金属のブラケットと比べると歯磨きが少し楽になります。着色汚れや変色にも強いので、白さをキープできます。
金属のアレルギーの心配が少ない
セラミックには金属が含まれていませんので、セラミックのブラケットなら金属アレルギーの心配がありません。
実際の治療では奥歯を固定源にして前歯を引っ張る為に、奥歯に金属製のバンドやチューブと呼ばれる装置をつけます。ワイヤーも必要ですので、完全にメタルフリーではありませんが、お口の中に取り付ける装置の金属の量をかなり減らすことが出来ます。
そのため金属のブラケットを使用する場合と比較すると金属アレルギーになる可能性は低くなります。
セラミック製ブラケットのデメリット

金属のブラケットよりもやや強度が劣る
金属製のブラケットとセラミックのブラケットの強度を比べると、メタルのブラケットの方が強度が優れています。
セラミックのブラケットは割れることがある
セラミックは衝撃が加わると割れやすいという性質があります。しかしセラミックのブラケットが割れるということは滅多にあることではありません。
目立たない裏側矯正

「矯正したいけれど、装置が目立つのはイヤ…」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんね。そんな方におすすめなのが裏側矯正(舌側矯正)です。
裏側矯正の特徴
- 装置が歯の裏側(舌側)につくため、他人から見えにくい
- 表側矯正と同じようにしっかり歯を動かせる
- 舌が歯に触れることで、矯正後の後戻りを防ぎやすい
メリット
- 矯正していることが周囲に気づかれにくい
- 口元の印象を変えずに矯正できる
- 舌の動きによって歯並びが安定しやすい
注意点
- 最初は舌に違和感を感じることがある
- 表側矯正より費用が高め
見た目を気にせずに矯正をしたい方にぴったりの方法です。「人前に出ることが多い」「矯正装置を見せたくない」とお考えの方は、一度歯科医院で相談してみてくださいね。
裏側矯正(舌側矯正)は、ブラケットとワイヤーを歯の裏側に装着します。そのため他人が見ても矯正装置が見えないのがメリットです。裏側矯正は歯の表側につけるワイヤー矯正よりもやや治療費が高くなります。また、矯正装置の分厚さの分だけお口の中が狭くなります。
目立たないマウスピース矯正インビザライン

インビザラインはマウスピース型の矯正装置で、透明なプラスチック製ですので目立たず、人目を気にせずに矯正治療が出来ます。
インビザラインでは最初にスタート時から治療終了までの治療計画に沿ってマウスピース(アライナー)を全て作成し、2週間毎にアライナーを交換して、少しずつ歯を動かしていきます。
1日にアライナーを22~24時間装着することが推奨されており、装着時間を患者さんご自身でしっかり管理する必要があります。
マウスピース矯正は軽度の出っ歯や叢生の治療に向いており、抜歯矯正の場合はワイヤー矯正か裏側矯正をおすすめする場合もあります。
まとめ

目立たない白いブラケットとワイヤーを使用するホワイトワイヤー矯正と、裏側矯正、マウスピース矯正についてご説明しました。なるべく目立たない装置をご希望の方は、初回のカウンセリングの時に矯正担当医にお申し付けください。患者さんの歯並びによってどの矯正装置が最適か、治療計画についてお話させていただきます。