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人から出っ歯だと言われました。どうしたら治りますか?

人から出っ歯だと言われました。どうしたら治りますか?

大阪矯正歯科グループ 歯科医師 松本 正洋

他人から出っ歯と言われたことが原因で、前歯が急に気になりだして、歯を見せて笑うのが怖くなってしまう方もおられます。歯科医師から見ると治療が必要なほどではない場合も多いのですが、ご本人にとっては大問題です。

出っ歯(上顎前突)を治すにはどのような方法があるのかについてご説明します。

出っ歯といわれてショック。どうやって治す?

普段からご自分の歯並びを鏡で見て、「少し前歯が出ているかもしれないけど、矯正するほどひどくないのでは?」と思っておられた方が、他人から「あなた出っ歯ね」と言われたらかなりのショックを受けると思います。

矯正治療が必要ない程度の場合もある

他人から出っ歯と言われて、歯並びが急に気になるようになって相談にみえられる方もおられます。治療するほどの不正咬合ではない場合も多いのですが、歯医者が「あなたは矯正治療の必要はありませんよ」と言っても、ご本人にとっては大問題で、治療の必要がないと言われても到底納得できません。

ほんの1~2ミリでもいいから前歯を引っ込めたいという気持ちになるのも無理はありません。医学的にどうであれ、見た目のコンプレックスとは、ほんの些細なことで芽生えてしまうのです。

前歯だけの歯並び矯正なら部分矯正が可能な場合も

奥歯に問題がなく、前歯だけが出ている状態であれば、出っ歯の程度にもよりますが部分矯正が可能な場合があります。

部分矯正は前歯8本程度のみを動かす矯正治療で、全体の矯正と比べると治療期間や費用が少なく済むのが特徴です。

ただ、奥歯の噛み合わせや歯並びに問題があったり、前歯をかなり大きく引っ込める必要がある場合は、部分矯正の適応にはなりません。部分矯正で治療可能かどうかは、歯科医院の矯正相談で実際に歯列を診てもらって診断してもらいましょう。

不正咬合の程度によっては、前歯をかなり後ろに下げなければならない場合があり、全体矯正が必要になります。また、歯の重なりが大きかったり、奥歯の咬合や歯並びの状態によっても、部分矯正が不可で、全体矯正になる場合もあります。

出っ歯を治すための矯正装置について

矯正治療で実際に歯に付ける装置についてご説明します。なお、矯正治療は保険のきかない自由診療となります。

ワイヤー矯正

ワイヤー矯正

ワイヤー矯正は歯の表面にブラケットと呼ばれるボタンのようなものを貼り付けて、そこにワイヤーを通して引っ張り、歯並びを治していきます。

ワイヤー矯正は目立つから嫌だとおっしゃる方もおられますが、当院のブラケットはセラミック製で、歯に馴染む白色をしているのであまり目立ちません。ワイヤーも別料金にはなりますが、白いワイヤーを使うことも出来ます。

ワイヤー矯正は歯並びの治療の中では価格が安いためリーズナブルです。

裏側矯正

裏側矯正 インコグニト

当院ではインコグニトという装置を使用します。インコグニトはオーダーメイドで、他の種類の裏側矯正装置よりも薄いのが特徴です。

裏側矯正は歯の裏側にブラケットとワイヤーをつけますので、他人からは矯正装置をつけているのが見えません。しかし歯の裏側に装置をつけることで舌が動く場所が狭くなってしまうため、違和感を感じる方もおられます。

慣れるまでは発音がしにくくなるのも裏側矯正のデメリットです。
※インコグニトでは違和感や発音のしにくさが従来の装置よりはやや改善されています。
治療費はやや高額になります。歯磨きも、装置が見えないため慣れるまではしにくいです。

マウスピース矯正

インビザラインアライナー

透明のマウスピースを1日22時間歯に装着して歯を動かしていきます。当院ではインビザラインを使用します。

マウスピースはかなり近づいて見なければつけていることがわかりません。そのため、他人に矯正治療中であることを知られずに治療をすすめることが出来ます。ただし、食事や色のついた飲み物を飲むときにはマウスピースを外さなければなりません。

マウスピースを洗って清潔を保ちながら、1日に決められた時間、必ずマウスピースを装着する必要があります。装着をサボると治療が進まず、マウスピースが歯に合わなくなってしまいます。

そのため、マウスピース矯正はきちんと自己管理が出来る方に向いています。

出っ歯とはどんな状態のこと?

上顎前突(出っ歯)

出っ歯の方には以下のような症状があります。

  • 唇が閉じにくい。完全に閉じるために唇に力を入れなければならない。
  • 横顔を見ると口元が前に出ている
  • 奥歯を噛んだ時に上の前歯が下の前歯よりも5ミリ以上前に出ている

特に最後の「5ミリ以上出ている」場合は、出っ歯の傾向が強くなりますので、矯正での治療を検討する場合があります。

出っ歯

出っ歯になっている原因は主に3つ考えられます。

  1. 歯が前突している(歯が前方に傾いている)
  2. 骨格が前突している(上顎の骨格が前に出ている)
  3. 歯と骨格が前突している(上顎の骨格が前に出て、歯が前方に傾いている)

1.は部分矯正だけで治る場合があります。
2.3.は骨格性の出っ歯のため、矯正装置をつけて治療しても期待するほど出っ歯が改善しない場合があります。その場合は外科手術が必要なケースとなります。

これ以外に下顎が後退しているために上顎は正常でも出っ歯に見えるケースもあります。

【動画】出っ歯の治療方法「歯だけが原因の場合」

人から出っ歯だと言われた時の治療方法に関するQ&A

Q

出っ歯を治すためには、どのような治療が必要ですか?

A

出っ歯を治す方法は、矯正治療が主要な選択肢です。ただし、治療の必要性は症状の程度によります。部分矯正や全体矯正など、矯正治療の種類があり、具体的な治療方法は歯科医師の診断に基づいて決定されます。

Q

出っ歯を治す際に部分矯正はどのような場合に適していますか?

A

部分矯正は奥歯の噛み合わせに問題がなく、前歯が出ていることだけが問題の場合に適しています。前歯8本程度を対象にした治療で、治療期間や費用が比較的少ないのが特徴です。ただし、奥歯の咬合や歯並びに問題がある場合には部分矯正が難しいことがあります。

Q

矯正治療にはどのような種類の装置が使われますか?

A

矯正治療にはいくつかの種類の装置が使われます。主なものにはワイヤー矯正、裏側矯正、そしてマウスピース矯正があります。選択する装置は不正咬合の症状や患者さんの好みによって異なります。

まとめ

歯のキャラクター

歯科医師から見ると矯正治療をするほどではない状態でも、患者さんの強いご希望がある場合は、少しだけ歯を引っ込めるための部分矯正を行うときもあります。

また、出っ歯は軽度でも、歯が斜めになっていたり、他の歯と重なっている場合は、全体矯正になることもありますので、ご承知おきください。

この記事の監修者

医療法人真摯会
理事長 歯科医師 総院長
松本正洋
クローバー歯科、まつもと歯科 総院長。国立長崎大学歯学部卒業。1989年歯科医師免許取得。1998年医療法人真摯会設立。矯正歯科の認定多数。日本抗加齢医学会 認定医。

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