
比較的家にいる時間が長い夏休みなどを利用して矯正治療をしたいと思う学生さんもおられると思います。歯列矯正は夏休みの間に出来るのか、ご説明します。
目次
夏休みの間に終えられる矯正ってあるの?

矯正治療の中でも治療期間が短いのは、前歯だけの部分矯正です。しかし夏休み期間中だけでは難しく、不正咬合の程度によりますが、3ヶ月~10ヶ月程度かかります。
部分矯正で治るのかどうかは、不正咬合の程度を見て矯正担当医が判断しますので、必ずしも患者さんの希望通りに部分矯正が行えるかどうかはわかりません。
歯列がガタガタで歯の重なりがきつい場合や、八重歯になっている場合は、小臼歯を抜歯することで歯が動くスペースを作る必要があり、部分矯正では治らず、全顎矯正になります。
部分矯正は、軽度のすきっ歯や、1~2本だけ歯が僅かに重なっているなどの軽度の不正咬合の場合に適用されます。
夏休みは矯正治療を始めるチャンス

日本の学校制度では、夏休みは一年で最も長い休みとなります。その期間を利用して矯正治療を始める学生さんは多くおられます。
確かに、矯正装置を初めてつけてから数日間は、痛みが出たり、締め付け感を感じたり、物が食べにくかったり、喋りにくかったり、様々な影響が出る場合があります。更に、普段の歯みがきよりも念入りに時間をかけておこなったりしなければならないので、学校がお休みになるこの時期を利用した方が、心身ともに負担が少ないと思います。
※矯正装置に慣れる早さや、痛みなどの感じ方には個人差があります。
そのため自宅にいる時間の長い夏休みを利用して矯正治療を始めるのは理に適っています。もちろん春休みや冬休みを利用して矯正治療を始めるのも良い考えだと思います。
部分矯正の場合の矯正装置は?
前歯だけの部分矯正の治療期間は、ワイヤー矯正、マウスピース型矯正、裏側矯正の全ての装置で可能です。出来るだけ早く治療を終えたいというご希望を叶えるために、矯正担当医が患者さんにぴったりの装置をご提案します。
ワイヤー矯正

ワイヤー矯正は歯にブラケットというボタンのような装置をつけ、それにワイヤーを通して歯に力をかけていきます。
当院のワイヤー矯正はセラミックの白いブラケットを使いますので、歯の色に馴染んで目立ちにくいのが特徴です。ワイヤーは銀色のものと、白いもの(ホワイトワイヤー※別途料金)を選ぶことができます。
マウスピース矯正

当院のマウスピース矯正はインビザラインという透明なマウスピース型の装置を使用します。iTeroという装置で歯をスキャンして歯の3Dデータを作成後、AIがクリンチェックという治療計画を作成します。クリンチェックに矯正担当医が修正を加えた最終的なデータから、アライナー(マウスピース)が作製されます。
1日20時間以上(22時間推奨)の装着で、1~2週間程度で新しいアライナーに付け替えながら歯を動かしていきます。
裏側矯正

裏側矯正は歯の裏側にブラケットとワイヤーをつけるため、他人からは見えにくい装置です。人からの見た目を気にする方や、職業上、歯の表に装置をつけられない方に向いています。ただ、歯の内側にすべての装置をつけますので、口内が狭くなり、発音や滑舌にも少し影響が出ます。
学校の歯科健診で歯並びを指摘されたタイミングで矯正歯科へ
夏休みを利用して矯正治療をしたいと思っても、夏休みに入ってから歯科医院の矯正相談に行ったのでは、間に合いません。矯正相談の後、検査をしたり、先に虫歯治療を行う必要があるかもしれませんし、矯正装置の中には歯型を取ってから装置が歯科医院に届く迄に2~3週間程度必要な場合もあります。
早めに矯正相談に行き、余裕をもって夏休みの直前位から治療を始められるようにしましょう。
矯正治療が終わってからはリテーナーを装着する

また、歯列矯正は治療計画通りに歯が動いて矯正装置が外れたらそれで終わりではありまs年。その後はリテーナーと呼ばれる保定装置をつけていただき、きれいな歯並びを持続させて歯列が元の状態に戻ってしまうのを防ぎます。
矯正治療直後の歯は動きやすい状態になっていますので、リテーナーをつけ忘れると歯列が後戻りするリスクがあります。
夏休みに矯正治療をすることのメリット

「矯正治療を始めたいけれど、いつがベストなタイミングなの?」
このようにお悩みの方もおられるかもしれませんね。実は、夏休みのタイミングで矯正治療を始めることには、さまざまなメリットがあります。
1. 学校や仕事の負担が少ない
矯正治療を始めたばかりの頃は、どうしても違和感があったり、痛みを感じたりすることがあります。特に、ワイヤー矯正やインビザライン(マウスピース矯正)を装着した直後は、食事のしにくさや発音の違和感を感じることが多いです。
しかし、夏休みなら学校や仕事の影響を受けにくいため、ゆっくりと矯正装置に慣れることができます。「痛みがあるけど授業に集中しないと…」といった心配が少なくなるのは、大きなメリットといえます。
2. 食事制限に対応しやすい
矯正治療中は、装置の種類によって食事の制限が発生します。例えば、ワイヤー矯正の場合、以下のような食べ物は避ける必要があります。
- 硬いもの(せんべい、ナッツ類、氷など)
- 粘着性の高いもの(ガム、キャラメル、もちなど)
- 繊維が絡まりやすいもの(ほうれん草、焼き肉など)
夏休みなら、食べるものを自由に調整できるので、無理なく矯正生活をスタートできます。
3. 定期的な通院がしやすい
矯正治療では、装置の調整のために定期的な通院が必要です。
しかし、学校があると「授業を抜けて通院するのが難しい」「試験と重なってしまった」といったことが起こりがちですよね。
その点、夏休みならスケジュールを自由に調整しやすいため、余裕をもって通院することができます。とくに、矯正を始めてすぐの頃は、微調整が必要なケースも多いため、最初の通院をスムーズに進められるのは大きなメリットです。
4. 目立つ装置でも気になりにくい
「矯正装置が目立つのが気になる…」という方もおられるかもしれませんね。
特に、ワイヤー矯正では、装置が歯の表面につくため、最初は気になることが多いものです。
しかし、夏休みの間に装置をつけてしまえば、人前に出る機会が少なくなるため、気になりにくいのがメリットです。また、マウスピース矯正(インビザライン)の場合も、「装着に慣れる期間」として夏休みを活用するのがおすすめです。
5. 矯正治療をスタートする良いきっかけになる
「矯正治療を始めたいけれど、なかなかタイミングが決まらない…」
こうしたお悩みをお持ちの方も多いかもしれません。
矯正治療は、長期間にわたる治療です。そのため、何かしらの「きっかけ」がないと、スタートを先延ばしにしてしまいがちです。「夏休みに始める!」と決めてしまうことで、矯正治療の第一歩を踏み出しやすくなりますよ。
夏休みに矯正治療を始めることには、以下のようなメリットがあります。
- 学校や仕事の影響を受けにくい
- 食事制限に対応しやすい
- 通院スケジュールを調整しやすい
- 矯正装置が目立ちにくい
- 矯正治療を始める良いきっかけになる
「矯正治療を始めたいけれど、いつがベスト?」と迷っている方は、ぜひ夏休みのタイミングを検討してみてくださいね。
まとめ
夏休みを利用して矯正治療を行うのは装置への慣れや一時的な痛みを考えると、理に適っています。永久歯列が出来上がってしまってからは、矯正治療を始めるのはは早ければ早いほど良いというのが治療に関する一般的な考えですが、学生さんのライフスタイルの中で始めやすいベストなタイミングがあると思いますので、矯正治療をしたいと思われたら、まず無料の初診カウンセリングでご相談下さいね。