インビザライン

インビザラインが痛い時の対処方法は?

インビザラインが痛。どうしたらいい?

大阪矯正歯科グループ 歯科医師 松本 正洋

インビザラインはワイヤー矯正と比べると比較的痛みを感じにくい治療方法ですが、歯の矯正に痛みはつきものです。「インビザラインが痛い。どうしたらいい?」「インビザラインが痛いのはどんな時?」今日はそんな疑問にお答えします。

インビザラインが痛い時のセルフケア

薬

「インビザライン、地味に痛い…」そんな時、ムリせずにできるセルフケア方法をご紹介します。どれも簡単なので、焦らずできることから試してみてくださいね。

  • 圧力による痛みに対しては、冷たい食べ物や飲み物で一時的な鎮痛効果を得るか、痛みがひどい場合は鎮痛剤を使用することがあります。
  • アライナーの装着時間を守ることで、歯をアライナーからの圧力に慣れさせることが重要です。

1. やさしく冷やして痛みをクールダウン

アライナーを交換した直後など、歯や歯茎にズキッとした違和感があるときは、冷たい飲み物や冷やしたタオルなどで優しく冷やしてあげましょう。

一時的に血管が収縮することで、痛みが和らぎやすくなります。ただし、氷をガリガリ噛むのはNG! 歯にダメージを与える可能性があるので避けてくださいね。

2. やわらかい食べ物にシフトチェンジ

食事

→ 硬いものは歯にガツンとくるので避けて、スープ・おかゆ・煮物がおすすめ!

痛みがある時に硬いものや噛みごたえのある食事をすると、歯への刺激が強くなってツラく感じることがあります。そんな時は、おかゆ・スープ・煮込み料理・スクランブルエッグなど、噛まずに食べられる系にチェンジがおすすめ。

「食べるのもつらい…」と感じたら、無理せずやわらか系で優しく乗り切りましょう。

3. 市販の鎮痛薬で無理せずサポート

薬

→ どうしても我慢できない時は、ロキソニンなどの胃に優しいタイプを。使いすぎはNG!

インビザラインでの痛みはワイヤー矯正よりは軽いもので、通常は鎮痛剤を飲むほどではありません。そのためお薬を服用される場合は、医院で処方する強い鎮痛剤よりも、ドラッグストア等で市販されている胃にやさしいタイプの鎮痛剤をお勧めします。

ただし、鎮痛剤を服用すると歯が動きにくくなるという見方もあります。歯科医師によって意見が分かれるところですので、気になる方は主治医に質問しましょう。

大きな痛みを感じる場合や、1週間以上も続く場合は、必ず担当医にご相談ください。必要に応じてマウスピースを僅かにカットするなどの改善処置を行うことがあります。また、理由によっては治療計画を作り直し、アライナーを再度作製することもあります。

痛みの原因によって的確な対処を行い、痛みが緩和され、患者さんが途中で放棄しないでマウスピース矯正を続けられるようにしていきます。

4. アライナーが当たって痛い時は“ガマンしない”で相談を!

もし、アライナーのフチが歯ぐきに食い込んでるような鋭い痛みがある場合、それは「ただの慣れ」ではなくアライナーの不具合や適合の問題かもしれません。

アライナーの端が鋭い・引っかかる

明らかに浮いてる or しめつけが異常に強い

1週間以上、痛みが続いてる

↑こんなときは、すぐに歯科医院に連絡して相談しましょう!
ムリして使い続けるのは逆効果です。必要に応じてアライナーの再調整やカットなどの対応をしてくれるので、ご安心を◎

インビザラインはどんな時に痛いの?

どんな時に痛いの?

マウスピース矯正特有の痛みについてご説明します。

1. 新しいアライナーに替えた時に痛い

新しいアライナーを付け始めて2~3日の間はうずきや痛み、またはアライナーがきつく感じる方が多いです。 このタイプの痛みは2~3日か、長くても1週間でおさまります。新しいアライナーに替える度にこうした痛みを感じるかもしれません。

2. 歯が動く時に痛い

アライナーを装着して歯が動いてくると、歯と骨の間にある組織に力がかかって炎症が起こるため痛みを感じます。 鎮痛剤を服用して一時的に痛みを和らげるという方法もありますが、鎮痛剤によって歯の動きが悪くなるため、出来れば鎮痛剤は控えた方が良いです。

3. アライナーが歯茎に当たって痛い

アライナーが変形してしまって歯から浮いている時に、アライナーの辺縁が歯肉に当たって痛みを起こすことがあります。 こうした痛みの場合は必ず担当医に連絡しましょう。

4. アライナーの研磨不足で痛い

ごく稀にですが、アラインテクノロジー社から納品されたインビザラインのアライナーが研磨不足で辺縁の一部が滑らかになっておらず、歯肉を傷つけることが実際にあります。 アライナーが歯茎に当たって痛い場合は、早めに歯科医院に連絡し、研磨してもらいましょう。

5. 歯が後戻りしてアライナーが合わなくなっている

インビザラインは1日22時間以上の装着が推奨されます。これよりも短いと、歯が僅かに後戻りをしてしまい、治療計画通りに歯が動かない可能性があります。数時間~数日間もアライナーをつけていなかった場合は、後戻りが大きくなり、次にアライナーを歯に付けた時に、アライナーが合っていないために、しめつけられるような痛みが発生するリスクがあります。

痛いのは、どれ位の期間?

インビザラインの痛み

マウスピース矯正の治療期間は、部分矯正で約6ヶ月~1年、全体的な矯正では約2~3年かかります。しかし歯を動かし続ける期間中、ずっと痛いわけではありません。

痛みを感じやすい期間は、アライナー交換直後から一般的に長くても1週間、早ければ2~3日です。痛みは個人差もありますし、歯が動いていくにつれて感じにくくなるとお考え下さい。初めてお口の中にマウスピースを装着すると、痛いと感じる方が多いようです。

治療開始の最初のうちは取り外しにも不慣れなので、お食事やおやつなど食べる際の外す時や、歯磨きで外し、再びつけた時に痛いと感じられる事もあります。お湯を飲んだりすると少し治まる場合もありますが、最初のうちは不快感を感じる方もおられます。

ほとんどの方は数日で慣れますが、まれにアライナーが強く当たってしまい、痛みが長引くケースも。そんな時は、我慢せずに早めに担当医にご相談くださいね。

https://www.osaka-kyousei.com/column/971.html

矯正治療中の痛みの対処

インビザライン矯正は、患者さんの不正咬合の度合いによって治療期間や歯にかかる痛みが違います。全体矯正では2~3年かかる方が多いため、歯が動く際の痛みの管理についてきちんと知っておきましょう。

1. 正しい方法で装着することと洗って清潔な状態で使うこと

アライナーは、1日22時間以上装着することが推奨されています。更に、食事や歯磨きの際には取り外す必要があり、歯もアライナーも綺麗に洗ってから再装着することが望ましいです。

また、1枚のアライナーを1~2週間使い続けるため、日々のお手入れを怠らないことが重要です。正しい使用とケアによって、痛みや不快感を最小限に抑えることができます。

2. 定期的な歯科健診

歯科医師による定期的なチェックアップは、矯正の進行状況を監視し、必要に応じて調整を行うために重要です。これにより、予期せぬ痛みや問題を早期に発見し、対処することができます。

矯正治療中の痛みは、治療の進行とともに徐々に軽減されることが多いです。しかし、長期間続く場合や、日常生活に支障をきたすほどの痛みがある場合は、速やかに歯科医師に相談することが大切です。

マウスピース矯正「インビザライン」について

インビザライン模型

そもそもインビザラインって、どうやって歯を動かしてるの?
実はこの仕組みが、“痛みの出方”にも関係してくるんです。

インビザラインは、アメリカにあるアライン・テクノロジー社が開発した、取り外しができる透明なマウスピース型装置を使った治療法です。同じような種類のマウスピース矯正は他にもありますが、前歯の部分矯正だけでなく全体矯正にも使えて、複雑な不正咬合にも対応できるという面で優れているのがインビザラインです。

歯のガタガタや八重歯(叢生)の症例で歯列にお悩みの方や、接客業等のお仕事でワイヤーの矯正装置が付けられない方などに最適な治療法です。

まず矯正歯科で検査をし、iTeroかシリコンで歯型を取ります。そのデータを元に患者さんの独自のマウスピースを作製します。マウスピースは1枚あたり約0.25ミリ歯を動かします。不正咬合の程度によってマウスピースを何枚使うかが決まります。

歯型のデータを3Dで画面で見ながら治療計画を立てますので、矯正治療完了までの歯の動き方を実際に画面上で見ることができます。

そのゴールに向けて、患者さんはアライナーと呼ばれるマウスピースを一日22時間以上装着していただくことになります。定期通院の際にクリニックでドクターと歯の動きをチェック、調整しながらアライナーを交換していくことにより、徐々にきれいな歯並びに近づけていきます。

まとめ

インビザラインはアライナー(マウスピース)を歯に装着して歯並びを治していきます。アライナー1枚で歯が0.25ミリ移動するように設計されており、歯の移動速度がゆっくりなので、ワイヤー矯正などに比べると痛みは少ないです。

全く痛みがないわけではありませんが、何日も激しく痛むわけではありませんので、ご安心ください。

この記事の監修者

医療法人真摯会
理事長 歯科医師 総院長
松本正洋
クローバー歯科、まつもと歯科 総院長。国立長崎大学歯学部卒業。1989年歯科医師免許取得。1998年医療法人真摯会設立。矯正歯科の認定多数。日本抗加齢医学会 認定医。

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