インビザライン

インビザラインで口ゴボは治る?

インビザラインでは口ゴボは治らないの?

口元全体が前に出ている状態を口ゴボと呼びます。矯正治療のための装置の中でも人気のあるインビザライン(マウスピース型矯正装置)では、口ゴボは治るのか治らないのか、ご説明します。

口ゴボとは?

口ゴボとは口ゴボとは、上顎と下顎の前歯が前方に突出し、横顔を見ると口元の出っ張りが目立つ状態を指します。この状態は、見た目の問題だけでなく、噛み合わせが悪かったり発音に問題があるなど、機能面にも影響を及ぼすことがあります。

この症状は、以下のような原因で発生します。

  • 上下の前歯が前方に出ている
  • 歯槽骨(歯を支える骨)が過度に発達している
  • 顎の成長バランスが乱れている

見た目には、横顔で鼻と顎を結んだラインから口元が出ているため、プロファイルが不自然に見えることがあります。また、口が閉じにくいことから唇が乾燥しやすく、歯茎や口内環境への影響も懸念されます。

口ゴボの原因とは?

口ゴボは以下のような要因によって引き起こされます。

  • 出っ歯(上顎前突) → 上の前歯が前に出ていることで、口元が突出して見える状態。
  • 上下顎前突 → 上下の歯列全体が前方に出ており、口が閉じにくいことが特徴。
  • 骨格の影響 → 骨格的に顎が小さく、歯が収まりきらずに前方へ押し出されるケース。
  • 口腔習癖(くちゃくちゃ食べ、指しゃぶり、舌の癖) → 幼少期からの癖によって歯並びが前に押し出され、口ゴボの原因となることも。

インビザラインで口ゴボは治るの?

結論から言うと、軽度〜中度の口ゴボはインビザラインで改善できる可能性がありますが、骨格的な問題が大きい場合は外科的な処置が必要になることもあります。

インビザラインは、軽度から中程度の不正咬合に対して効果があるとされています。しかし、重度の口ゴボや骨格的な問題が原因の場合、インビザラインだけでの改善は難しい場合があります。そのようなケースでは、他の矯正治療や、セットバック手術などの外科的治療が併用されることが多いです。

軽度から中程度の口ゴボの場合

インビザラインは、歯を少しずつ動かして歯並びを整える透明なマウスピースです。このマウスピースを連続して使用し、10~14日程度で新しいものに交換することで、歯の傾きを改善し、前歯を後ろに移動させることが可能です。

軽度から中程度の口ゴボの多くは、歯の位置や角度が問題であるため、インビザラインは有効な治療方法となります。また、患者さんの歯並びに合わせてカスタマイズされたマウスピースが使用されるため、治療は精密に行われます。

重度の口ゴボや骨格的な問題が原因の場合

一方で、重度の口ゴボや、顎の骨格自体が前方に突出している場合、インビザラインだけでは十分な改善が難しいことがあります。このような場合、インビザラインによって歯の位置を調整することはできても、骨格自体の問題を解決することはできません。例えば、上下顎の骨格に過成長が起こっていて大きな不調和がある場合、歯の位置を変えても根本的な改善には至らないことがあります。

他の矯正治療や外科的治療の併用

このような骨格的な問題が関与する口ゴボに対しては、インビザライン治療と並行して、ワイヤー矯正や、セットバック手術などの外科的な治療が必要となることがあります。

ワイヤー矯正では、より大きな力をかけて歯を動かすことが可能で、骨格的な不調和をある程度補正することができます。また、セットバック手術では、顎を一部切除することで顎の位置を正しく調整し、骨格そのものを矯正することで、根本的な解決を図ることができます。

インビザラインでの口ゴボ治療の限界と注意点

骨格が原因で口ゴボになっている場合

  • 顎の骨が前に出ている、または顎が小さすぎる場合は、インビザラインでは改善が難しい。
  • 矯正単独ではなく、外科矯正(骨切り手術)が必要になることも。

重度の口ゴボの場合、インビザライン単独では効果が不十分な場合があります。この場合、上下セットバック手術や他の矯正装置と併用する必要があります。

抜歯が必要な症例

  • 歯が並ぶスペースが足りない場合、小臼歯(前から4番目の歯)を抜歯しないと、十分に後ろに下げることができない。
  • インビザラインは非抜歯の治療が得意ですが、抜歯矯正にも対応は可能。ただし、歯を大きく後ろへ下げるのはワイヤー矯正の方が適している場合も。

治療期間

口ゴボの治療には通常よりも長い期間がかかることがあります。また、定期的な診察とマウスピースの交換が必要です。

患者さんの協力が必要

インビザラインは取り外しが可能ですが、治療効果を最大限に引き出すためには、1日22時間以上の装着が推奨されます。

インビザラインで口ゴボを治すメリット・デメリット

インビザライン アライナーとケース

今のところ奥歯も含めた全体的な矯正を行うことの出来るマウスピース矯正はインビザラインしかありません。他の名称、メーカーのマウスピース矯正は前歯だけの部分矯正に特化されたものです。

インビザラインで口ゴボを治すメリット

インビザライン装着

インビザラインは透明なマウスピース型の装置です。目立ちにくいため装着していても見えにくいのがマウスピース矯正の大きな特徴です。口ゴボの治療では抜歯を伴うケースになる可能性が高いのですが、抜歯した部分をマウスピースが覆うために、抜歯部分が目立ちにくいというメリットがあります。

  • 目立たない → 透明なマウスピースを使うため、ワイヤー矯正のように目立たない。
  • 取り外しが可能 → 食事や歯磨きの際に取り外せるため、清潔に保ちやすい。
  • 歯の動きをシミュレーションできる → 治療開始前に、専用スキャナー「iTero」で仕上がりを確認できる。
  • 痛みが少ない → 少しずつ歯を動かすため、ワイヤー矯正に比べて痛みが少ない傾向。

抜歯を伴う矯正では、歯を大きく動かすことになります。インビザラインは歯にアタッチメントを取り付けるので歯に力がかかりやすく、歯を自在に動かせるという利点もあります。

インビザラインで口ゴボを治すデメリット

抜歯を伴う矯正では、抜歯した歯の大きさの分だけ前歯を後ろに移動しなければなりません。第一小臼歯一本分のスペースを動かさなくてはなりませんので、インビザラインのみで歯を動かそうとすると、治療期間が長くかかることと、歯が内側に傾くというリスクがあります。

そのため、ケースによってはワイヤー矯正との併用で治療を行わなければなりません。ワイヤー矯正併用にするかどうかは、治療計画を作成する際に決定します。

インビザラインでは一日に22時間の使用が必要になります。決められた時間を守らないと計画通りに歯が動きません。また、インビザラインは他の種類のマウスピース矯正と違ってアタッチメントという突起を歯に付けて、歯にかかる力をコントロールします。アタッチメントは白色のレジンで出来ており歯の色に馴染みますが、何か所もつけるのは嫌だとおっしゃる方も稀におられます。

アタッチメントの説明

アタッチメントをつけずにインビザラインで治療をすると、アタッチメントをつけた場合と比べて歯が動きにくいため、終了までの期間が延びることになります。アタッチメントはインビザラインで理想通りに歯を動かしていくためには大変重要なものですので、メリットの方にも記載しています。

アライナーとアタッチメント

重度の口ゴボは輪郭整形(セットバック)で横顔がキレイになる

口ゴボ 術前術後

重度の口ゴボでは、顎の骨を下げない限り見た目はあまり改善されません。そのため、当院では輪郭整形(セットバック)と呼ばれる外科矯正を行っています。

前歯の引っ込む量が多い程、口ゴボはより改善されますので、骨を切って前歯を後ろに下げる方法は大変効果があります。

まとめ

歯のキャラクター

「インビザラインで口ゴボが治るのか?」について、以下のようにまとめられます。

  • 軽度〜中度の口ゴボなら、インビザラインで改善できる可能性がある
  • 歯の位置を後ろに下げることで、口元の突出感を抑えられる
  • 骨格が原因の口ゴボは、外科矯正が必要になることも
  • 抜歯が必要な場合は、ワイヤー矯正の方が適していることもある
  • 自分に合った治療法を選ぶため、まずは歯科医院で相談するのがおすすめ

口ゴボの矯正には殆どのケースで第一小臼歯の抜歯が必須になります。マウスピースでも出っ歯の治療は可能ですが、口元を大きく下げたい場合にはセットバック手術をご検討ください。

この記事の監修者

医療法人真摯会
理事長 歯科医師 総院長
松本正洋
クローバー歯科、まつもと歯科 総院長。国立長崎大学歯学部卒業。1989年歯科医師免許取得。1998年医療法人真摯会設立。矯正歯科の認定多数。日本抗加齢医学会 認定医。

▶プロフィールを見る