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矯正治療中は食欲がなくなって痩せますか?

「矯正治療中は食欲がなくなって痩せますか?」というご質問に対する答えはイエスでありノーでもあります。大人の方向けの主な矯正装置の種類はワイヤー矯正、裏側矯正、マウスピース矯正です。今日はワイヤー矯正の場合についてお答えします。

矯正治療中の体重変化のメカニズム

矯正治療中に体重が減少する原因として、噛み合わせの変化や痛みが大きく関わっています。特に、矯正装置が初めて装着された直後や調整後は、歯に強い圧力がかかり、咀嚼が難しくなることがあります。この不快感から食事の量が減少し、一時的に体重が減る傾向が見られることもあります。

また、矯正治療中は硬い食べ物や粘着性のある食べ物を避けるため、食事の選択肢が限られることもあり、これが結果的に食事の量や内容に影響を与える場合もあります。

ワイヤー矯正で食欲がなくなるのは一週間。その理由は?

ワイヤー矯正

ワイヤー矯正は歯の表側にブラケットというボタンのような装置を貼り付け、それにワイヤーを通します。ブラケットとワイヤーを歯に取り付けると、殆どの方が食欲がなくなります。その理由は二つあります。

理由1. 矯正装置に食べかすが詰まるから食欲がなくなる

汚れがたまりやすい場所はワイヤーとブラケット

ブラケットと歯の間やワイヤーを通している部分に食べかすが詰まって、歯みがきが大変面倒くさくなります。食欲よりも食欲より歯ブラシが面倒という思いが一週間位は続きます。そのため、最初の一週間は食欲がなく、痩せることになります。

一週間というのには理由があります。最初の一週間は本当に食欲がなくなるのですが、食べかすが詰まる問題については、一週間ほどで殆どの方が慣れます。食べものが詰まるのは当たり前になりますし、歯みがきもだんだん慣れてきて手際よく食べかすを取れるようになります。

歯みがきは最初は慣れずに苦労するのですが、一週間で歯みがきが上手になると食欲も元に戻ります。

理由2. 歯が動いて痛いから食欲がなくなる

矯正治療中は歯を動かすため、歯に痛みが出ます。ワイヤー矯正では歯にワイヤーで力を加えることで歯を動かします。歯に力を加えると歯が動く部分の骨を溶かし、動いた箇所に新しい骨が出来ます。

歯が動くしくみ

歯が動き始めて3日~一週間が一番痛く、特に硬いものを食べると痛むので、その間は食欲がなくなります。しかしそれも、一週間で慣れて食欲は元に戻ります。食欲がなくなるといってもその程度です。

▼ワイヤー矯正についてはこちらで詳しくご説明しています。

https://www.osaka-kyousei.com/kyousei1.html

食欲低下への対処法

食欲が減退してしまう場合でも、栄養バランスを保つことは非常に重要です。以下の方法を参考に、矯正治療中でも適切な食事を心がけましょう。

柔らかい食べ物を選ぶ

痛みがある場合は、スムージーやスープ、ヨーグルトなどの柔らかい食べ物が最適です。また、蒸し野菜や豆腐なども噛む負担が少なく、栄養価の高い食品です。

小分けにして食べる

一度に多く食べるのが難しい場合、1日の食事を複数回に分けて食べることも効果的です。少量ずつ、無理のない範囲で摂取することで、必要なエネルギーと栄養を補えます。

高カロリーで栄養価の高い食品を摂取する

食事量が少なくなっても、エネルギーや栄養が不足しないよう、ナッツバターやアボカド、オリーブオイルなどの高カロリーかつ健康的な食材を取り入れましょう。

体重減少が続く場合の対策

矯正治療中に体重が著しく減少し、健康に影響を与える可能性がある場合は、早めに歯科医や栄養士に相談することが重要です。体重減少が続くことで、免疫力の低下やエネルギー不足を引き起こすリスクがあります。

栄養士との相談

矯正治療中に適した食事プランを栄養士と相談し、食欲低下時でも栄養を十分に摂取できる方法を見つけましょう。

サプリメントの使用

食事だけで十分な栄養を摂取できない場合は、医師の指導のもとでビタミンやミネラルのサプリメントを活用することも検討しましょう。

ワイヤー交換時の痛みは慣れてくる?

ブラケットの種類について

ワイヤー矯正の場合は、一ヶ月に一回位来院して頂き、新しいワイヤーと交換します。新しいワイヤーに交換すると、新しく骨を溶かそうとするのでまた痛みが出ます。ただ、ワイヤーの交換が2回目の時の痛みは、初回のように一週間続かず、だいたい4~5日程度の痛みで済みます。

3回目のワイヤー交換では更に慣れ、2~3日位しか痛くならない方が多いです。ワイヤー交換を4、5回、つまり治療期間が4~5ヶ月位続いて毎月ワイヤー交換すると、痛いのは1日だけになり、すっかり体が慣れてしまいます。

治療が半年経つと、ワイヤー交換した日は痛いので、食べにくいです。でも1日で慣れるので、結局、食欲がなくなってもその程度ということになります。

【動画】矯正中は痩せるのか?

矯正治療中は食欲がなくなって痩せるのかに関するQ&A

Q

ワイヤー矯正中、食欲がなくなる主な理由は何ですか?

A

ワイヤー矯正中の食欲不振の主な理由は、食べかすが矯正装置に詰まることと、歯が動いて締めつけ感や痛みが出ることです。

Q

食べかすがワイヤーやブラケットに詰まる問題は慣れることが出来ますか?

A

食べかすがワイヤーやブラケットに詰まる問題については、通常、一週間ほどで慣れることが多いため、食欲が一時的に減った状態も元に戻ります。

Q

ワイヤーの交換時の痛みは痛みはどれくらい続きますか?

A

ワイヤーの交換時の痛みは、初回の交換では一週間ほど痛みが続きますが、2回目の交換では4~5日ほどの痛みで済みます。3回目以降の交換では痛みに慣れ、2~3日ほどの痛みしか感じなくなります。

まとめ

「矯正治療中は食欲がなくなって痩せたりしますか?」というご質問への答えとしては、1週間は食欲がなくなるので痩せますが、その後は食欲が元に戻るということです。これがダイエットの効果があるかというと、それ程はないという感じがします。

この記事の監修者

医療法人真摯会
理事長 歯科医師 総院長
松本正洋
クローバー歯科、まつもと歯科 総院長。国立長崎大学歯学部卒業。1989年歯科医師免許取得。1998年医療法人真摯会設立。矯正歯科の認定多数。日本抗加齢医学会 認定医。

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