歯の矯正をしたら小顔になれるのでしょうか? 矯正治療をすれば、八重歯などの歯列のお悩みは治ります。歯列が治ったと同時に小顔になれるのかについてご説明したいと思います。
目次
出っ歯や八重歯を矯正治療したら小顔になるの?
出っ歯の方の場合、小臼歯と呼ばれる中央から4番目の歯を抜いて矯正治療を行います。歯を1本抜くと1本分のスペースができます。その空いたスペースに、出ている前歯を下げていきます。
そうすると上あごは、歯が下がると同時に骨格も少し下がります。骨は歯の根をしっかりと支えていますが、矯正を行えば、骨自体も少し後ろに下がります。骨が後ろに下がった分だけ顔が引っ込んで小顔になります。
つまり、出っ歯の方は歯を抜いて矯正治療を行えば多少は小顔になります。しかし骨格が原因の出っ歯で、かなり突出が大きい場合は、矯正治療だけではあまり口元の突出感が減りません。その場合はセットバックと呼ばれる日帰りの外科手術の適応となります。
エラが張っている場合はどうしたら小顔になるの?
お顔の大きさには様々な要因があります。例えば骨格のエラの部分が張っている方は顔が大きく見えます。
そして、正面から見た時の顔の大きさは、咬筋(こうきん)という筋肉で決まります。ギュッと歯を噛みしめると、咬筋の中心部分が膨らんで顔が大きく見えますので、咬筋が大きい方は顔が大きく見えます。
1.美容外科の注入治療で咬筋を小さくする方法
咬筋は矯正治療で小さくなります。咬筋を小さくする一番簡単な方法は、矯正以外では美容の施術です。
ボトックスという筋肉を緩める薬を咬筋に注射すると、筋肉が緩んで、スッと小顔になります。同時に脂肪溶解注射を行うと脂肪も溶けて小顔になります。
※ボトックス、脂肪溶解注射を受けたい方は、お問合せ下さい。
2.矯正治療で咬筋を小さくする方法
咬筋が大きくなる理由は、咬筋を使いすぎているということです。ダンベルで筋トレをすると腕に筋肉がつくのと同じ原理で、ご飯を食べる時に咬筋を使い、噛んでばかりいると、咬筋が大きくなってしまいます。
特に咬み合わせが悪い方は、噛みにくいので力を入れて咬筋を使います。その結果、咬筋が発達して大きくなって顔が大きく見えてしまうのです。
矯正治療の場合、ほとんどの方は噛み合わせが低いです。低い深い噛み合わせといっても、一般の方々には、どんな噛み合わせなのか、すぐには想像できないと思います。
低い深い噛み合わせは、過去の治療で複数の奥歯を治療した時に、詰め物や被せ物の高さが低い時に、起こることが多いのですが、多くの場合、 徐々に噛み合わせが低く深くなっていきますので、気がつかない場合が多いのです。
しかし、低い深い噛み合わせを知らずに放置すると、奥歯への噛み合わせの負担が増し、歯周病や虫歯、歯の割れなどの原因になります。また、下顎が後ろに移動した状態の噛み合せになりますので、顎の関節に負担がかかり、顎関節症の原因にもなります。
奥歯になんとなく違和感があるけれども、歯科医院へ行っても原因がわからない時などは、低い深い噛み合わせが原因の場合も多々あります。
噛み合わせが低いと、噛む為に咬筋の移動量が大きくなります。噛みにくく、そして移動量が大きい為に咬筋をよく使うので、咬筋が大きくなるのです。
歯科医院で行っている矯正治療は、インビザラインなどもそうですが、噛み合わせを高くします。先程のダンベル運動を例にしましたが、腕をたくさん動かすと筋肉がつく一方で、少ししか動かさなければ、筋肉は付きにくいです。
それと同じく、矯正治療で噛み合わせを高くすることで、咬筋の運動量が減り、咬筋が痩せて小顔になります。もちろん矯正治療ですので、歯並びが良くなるという利点もあります。
矯正治療で噛み合わせが良くなって噛みやすくなると、咬筋を委縮させる作用がありので、委縮すれば咬筋は小さくなり、小顔になります。
矯正治療でほうれい線が薄くなる場合もある
矯正治療で元々低かった噛み合わせが高くなると、ほうれい線も治りやすくなります。ほうれい線を治す方法としては、ヒアルロン酸注射などがありますが、矯正治療の結果噛み合わせを高くなると、ほうれい線が薄くなります。
例えば、右側のほうれい線が深くて、左側は浅い方の場合は、ほうれい線が深い側の噛み合わせが低いということが考えられます。ほうれい線が深い側の噛み合わせを高くすると、ほうれい線が改善します。
※ヒアルロン酸注射を受けたい方は、お問合せ下さい。
【動画】歯の矯正で小顔になれるのか?
歯の矯正と小顔の関係に関するQ&A
出っ歯や八重歯を矯正治療したら小顔になるのでしょうか?
出っ歯の場合、歯を抜いて矯正治療を行うことで、骨格がわずかに下がり、顔が引っ込んで小顔になる可能性があります。ただし、突出感が大きい場合は外科手術が必要です。
咬筋が大きくなってエラが張って見える原因は何ですか?
咬筋が大きくなってエラが張って見えるる主な原因は、咬筋を過度に使うことです。特に噛み合わせが悪い場合や、噛みにくい状態では、咬筋を使って顔が大きく見える可能性が高まります。
矯正治療がほうれい線に影響を与えることはありますか?
矯正治療で咬合が高くなると、ほうれい線が改善されることがあります。ほうれい線の深さと咬合の高さには関連があるため、咬合を高くすることでほうれい線が薄くなることがあります。逆に、抜歯矯正によって歯列の幅が小さくなったためにほうれい線が出てしまうケースもあります。
まとめ
歯の矯正で小顔になれるかどうかについては、元の不正咬合の状態と矯正治療のやり方によっては小顔になる場合があります。しかし、歯列矯正はあくまでも歯の見た目とかみ合わせを整えるための治療で、小顔にすることが目的ではありませんので、治療計画の中に「小顔になるようにする」ということを盛り込むことは出来ません。