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歯の矯正のデメリットは?

矯正治療のメリットばかり書いているホームページを見ることがありますが、治療には当然ですがデメリットもあります。患者さんからも具体的なデメリットについて質問されることが多いです。今日はデメリットについてのご説明をしたいと思います。

歯の矯正のデメリット

男性

患者さんが歯の矯正を躊躇されるデメリットは、以下のようなものです。

デメリット①治療費が高い

歯型と計算機

矯正治療は保険のきかない自費診療なので、どうしても費用が高くなってしまいます。

デメリット②期間が長くかかる

時計とカレンダー

部分矯正の場合は3ヶ月程で終わりますが、全ての歯を動かす場合は2年以上かかります。

デメリット③ワイヤー矯正の場合は針金が見える

ワイヤー矯正

歯に針金がついているのが見えるので、ワイヤー矯正を嫌がる患者さんは多いです。白いワイヤーもありますので、その場合はかなり目立ちにくくはなります。

デメリット④ブラケットが金属で目立つ

メタルブラケット

ワイヤー矯正では歯の一本一本にブラケットと呼ばれるボタンのようなものをつけます。当院のブラケットは白いセラミック製ですが、金属製のブラケットを使っている医院もあります。その場合はかなり目立ちます。

デメリット⑤交換するたびに痛い

ワイヤー矯正では、1~2カ月に一度来院して頂き、担当医が患者さんのワイヤーを交換します。その交換時には、痛みが起こります。2日程で慣れるのですが、痛いとおっしゃる患者さんが多いです。

デメリット⑥歯磨きが面倒

歯ブラシ

ワイヤーとブラケットをつけると、歯みがきに加えて装置に引っかかった食べ物もきれいにしなければなりませんので、歯みがきが大変になります。

デメリット⑦マウスピース矯正は装着時間を守らなければ歯が動かない

インビザライン模型

現在、インビザラインをはじめとしたマウスピースの装置が流行っていますが、マウスピースを使った矯正では、装着時間が決められています。インビザラインでは1日22時間以上の装着が推奨されています。

1日の装着時間が22時間よりも短くなると、治療計画通りに歯が動かず、治療に支障をきたすことになります。

歯の動きが予定よりも遅れるだけなら、現在使っているアライナーをもう少し長い日数使っていただく等の調整で済むのですが、アライナーが浮いてしまってぴったりとはまらなくなくなったら、追加アライナーといって、新しく歯型を取り直してアライナーを新規で作り直さなければなりません。そうすると更に治療が遅れます。

ワイヤー矯正は歯に固定されていて自分では外せないため、24時間365日つけたままなので、患者さんがご自身で何かしなくても歯は自動的に動きますが、インビザラインはマウスピースをご自分の手で入れないと治りません。

デメリット⑧マウスピースを紛失する場合がある

インビザライン アライナー

例えば患者さんが旅行に行って、旅行先でインビザラインをどこかに置き忘れたということが、実際によくあります。その他には、外でお酒を飲んだり食事をしたりした時に、インビザラインを外して、そのまま装着するのを忘れてしまって、どこに置いたかもわからず紛失してしまったということもあります。

歯の矯正のメリット

女性

矯正治療にはデメリットがたくさんありますが、もちろん多くのメリットもありますのでご説明します。

メリット①歯並びがきれいになる

歯列

歯並びがきれいになると乱杭歯(らんぐいば)とか、ガチャ歯、凹凸歯等の方が、今までは口元を隠して笑っていた方が、隠さなくても良くなります。

メリット②歯列がきれいになると虫歯や歯周病のリスクが低くなる

歯並びがきれいになると、歯のデコボコがなくなって歯みがきをしやすくなりますので、歯磨き時の磨き残しが少なくなります。歯に歯垢がついたままになることが少なくなるため、虫歯や歯周病にもなりにくくなります。

メリット③歯列がきれいになるとしっかり噛めて認知症予防に繋がる

咀嚼能力と認知症の関係も重要です。矯正治療で噛み合わせが正常になると、咀嚼能力が上がってしっかり噛めるようになります。噛んだ時の刺激が歯から脳に伝わるため、認知症になりにくいです。脳の活性化にも良い影響があり、全身の健康にも良いです。

メリット④歯列がきれいになると自分に自信ができる

歯並びがきれいになると自分に自信がつくから、人前で大きな口を開けて笑えるようになります。

メリット⑤自分に自信ができるので性格が積極的になる

性格が積極的になると、人に会ったり会食をしたりということが増えて、毎日が楽しくなります。歯並びがきれいになって、自分に自信ができて、毎日が楽しくなることで、充実した楽しい人生が送れるようになります。

【動画】歯の矯正のデメリットは?

歯の矯正のデメリットに関するQ&A

Q

矯正治療の期間が長い理由は何ですか?部分矯正と全顎矯正の違いは何ですか?

A

矯正治療の期間が長いのは、歯を徐々に移動させる必要があるためです。部分矯正は比較的短期間で終了しますが、全顎矯正は歯のすべてを調整するため、2年以上かかることがあります。

Q

ワイヤー矯正のワイヤー交換時に痛みが生じる理由は何ですか?痛みを和らげる方法はありますか?

A

ワイヤー矯正のワイヤー交換時に痛みが生じるのは、歯が新しい位置に調整されるためです。痛みは通常2日ほどで和らぎますが、柔らかい食事や痛み止めを使用することで症状を軽減できます。

Q

歯の矯正治療における歯みがきの難しさを軽減するためのアドバイスはありますか?

A

ワイヤーとブラケットを持つ場合、歯みがきに注意が必要です。歯みがき用の特別な歯ブラシやフロスを使用し、食事後に歯の周りと装置の隙間を注意深く清掃することが大切です。歯の矯正治療期間中は定期的な歯科検診も受けましょう。

まとめ

矯正治療中のデメリットはたくさんありますが、メリットもそれと同じくらいたくさんありますので、患者さんが何を優先されるかでお決め頂ければと思います。

装置が痛い等のデメリットは慣れることが出来ますが、費用がかかるというデメリットは患者さんにとってはかなり大きいものかもしれません。デメリットが大きいと感じられた場合は、メリットとデメリットの両方を比べてみてご判断下さい。

歯科矯正治療のデメリットにはいくつかあります。

1. 治療期間の長さ
成人における歯科矯正治療の一つのデメリットは、治療期間が長引くことです。これは特に成人の患者にとって問題となることがあり、歯の移動を促進するための非外科的および外科的手法に関する文献が紹介されています。【Clark, Schneider, Mahmoudi, & Bashirelahi, 2018

2. 白斑病変の形成リスク
固定式矯正装置による治療の主なデメリットの一つは、ブラケットの周囲に発生する脱灰です。これらの脱灰は、ブラケットがプラーク保持部位の数を増加させ、口腔環境を変化させることによって発生します。これらの脱灰の形成を防ぐために、矯正治療中にいくつかの方法が使用されます。例えば、毎日のフッ素マウスウォッシュの使用、定期的な診察時のフッ素バーニッシュの適用、高濃度フッ素歯磨き粉の使用などがあります。【Van der Kaaij, 2020

これらの研究から、歯科矯正治療は治療期間が長いというデメリットがあり、また、固定式矯正装置を使用することで白斑病変のリスクが高まる可能性があることが分かります。これらの問題を軽減するために、患者は適切な口腔衛生を維持し、定期的なフッ素の使用などの予防策を取ることが重要です。

この記事の監修者

医療法人真摯会
理事長 歯科医師 総院長
松本正洋
クローバー歯科、まつもと歯科 総院長。国立長崎大学歯学部卒業。1989年歯科医師免許取得。1998年医療法人真摯会設立。矯正歯科の認定多数。日本抗加齢医学会 認定医。

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