インビザラインは人気のあるマウスピース型の矯正装置ですが、どんな効果が期待出来て、どれ位の治療期間がかかるのでしょうか? 矯正の効果、期間などの情報や、出っ歯などの症例にも本当に可能かなどについてご説明します。
インビザラインとは?
インビザラインは、透明なマウスピース型矯正装置を使用して歯並びを整える治療法です。従来の金属ブラケットを使用する矯正と異なり、目立たないため多くの患者さんに人気があります。マウスピースは患者さんの歯型に合わせてカスタムメイドされ、段階的に歯を動かしていきます。
特徴
- 透明で目立たない
- 取り外し可能で食事や歯磨きがしやすい
- 痛みが少ないことが多い
インビザラインは、見た目に配慮しつつも効率的に歯並びを改善できる治療法として注目されています。
インビザラインで出っ歯は治せる?
歯列矯正のご相談で多いのが、出っ歯(上顎前突)と呼ばれる前歯の出っ張りや、受け口(下顎前突)等のお悩みです。出っ歯は程度によりますが、インビザライン矯正で治療可能です。
インビザラインが出っ歯に有効な理由
- 前歯を後方に移動させる力を適切にかけられる。
- 精密な歯型データを基に治療計画を立てるため、効率的な歯の移動が可能。
- 軽度から中度の出っ歯であれば、インビザラインのみで十分に対応可能。
ただし、重度の出っ歯や顎の骨格に関する問題がある場合は、インビザライン単独では対応できず、他の矯正治療法や手術が必要になることもあります。
インビザラインの治療期間はどのくらい?
治療期間は、歯並びの状態や出っ歯の程度により異なりますが、一般的に以下の通りです。
- 軽度の出っ歯の場合・・6か月〜1年
- 中度の出っ歯の場合・・1年〜2年
- 複雑なケースの場合・・2年以上
インビザラインでの治療を計画通りの期間で終えるためには、アライナーを1日22時間以上装着することが重要です。装着時間が短いと、計画通りに歯が動かず治療が長引く可能性があります。
軽度の出っ歯は抜歯せずにIPRを行う
軽度のでっ歯の場合は、抜歯を行わず、IPR(ディスキング、スライス)という方法でスペースを作ります。IPRは前歯の側面を0.25ミリ程度削ってわずかなすき間を作り、そのスペースを利用して出っ歯を治します。
出っ歯の前突が強い方の場合は、小臼歯を抜歯して出来たスペースを利用して、歯を大きく下げていきます。抜歯矯正はインビザラインでも可能ですが、歯を大きく動かすため、ワイヤー矯正の方が一般的に治療期間が短くなります。
矯正の効果はどの程度?
インビザラインは効果が出るのが遅い?
治療を始めて1ヶ月程は、「歯があまり動いている感じがしない」とおっしゃって、矯正の効果が実感できない患者さんもおられます。確かにワイヤー矯正と比べると、マウスピース矯正の歯の動きはゆっくりとしたものと感じられるかもしれません。
それは、マウスピース矯正は1枚のアライナーで歯を動かせるのは、僅か0.25mm程度とされているからです。そのため最初のうちはあまり歯が動いていないと感じられるかもしれません。しかし、きちんとアライナーを装着し続けて頂ければ、クリンチェック通りに歯は動いています。3ヶ月くらい経過した時に治療開始前の歯並びと比べてみると、確実に歯列は変わっている筈です。
以上のような理由で、インビザラインでの矯正治療の効果を実感できるのは、3ヶ月目くらいからといえます。
インビザラインの効果
効果は、マウスピースが目立たないという特徴と歯並びを整える能力により、多くの人に選ばれています。どのような効果をもたらすのか、見ていきましょう。
1. 歯並びの改善
インビザラインは、主に軽度から中等度の歯並びの問題や噛み合わせの問題を改善するために使用され、主に次のような状態を改善することができます。
- すきっ歯・・歯と歯の間に隙間がある場合、これらの隙間をなくす、または小さくさせることができます。
- 叢生(ガタガタ)・・歯が密集していて重なったりガタガタになっている場合、歯を適切に配置し直すことができます。
- 出っ歯(上顎突出)・・上の歯が下の歯よりも大きく前に出ていて、出っ歯の程度が軽度の場合は治療が可能です。
- 受け口(反対咬合・下顎前突・・)・・下の歯が上の歯よりも前に出ている状態で、程度が軽度の場合は治療が可能です。
- 交叉咬合・・上下の歯が正しく噛み合っていない場合、歯を適切な位置に移動させ、噛み合わせを改善します。
2. 審美的な効果
インビザラインのもう一つの大きな効果は、審美面に関するものです。治療中もアライナー(マウスピース)が透明であるため、目立ちにくく、日常生活において人の目を気にすることなく治療を続けることができます。これは矯正治療中の見た目が気になる患者さんにとっては、大変大きなメリットとなります。
3. 取り外し可能なマウスピースを使用
マウスピースは取り外し可能であるため、食事の際や歯磨きの際には外すことができます。これにより、普段通りの食事が楽しめ、普段と同じやり方で歯磨きを行うことが出来ます。
4. 矯正治療の結果どうなるかを3Dソフトで予測できる
インビザライン治療は、まずiTeroと呼ばれる口腔内スキャナーで歯型データを取り、3Dソフトに読み込ませて治療の予測を見ることが出来ます。これによって治療前に最終的な結果を視覚化し、具体的に歯がどのように動いていくのかを見ることが可能です。歯の動きの予想が見れるため、患者さんのモチベーションの維持にもつながります。
▼インビザラインについてはこちらで詳しく解説しています。
まとめ
マウスピース矯正インビザラインで出っ歯を治すのは、不可能ではないという事がお分かりになったと思います。上顎の骨格の過成長が原因の出っ歯の場合は矯正装置だけではお口の突出感があまり改善しないことがあり、その場合は外科矯正の適用になります。もし気になる場合は、医師にご相談くださいね。