
装置を歯の裏側につける「裏側矯正」は、目立たないというその見た目のメリットから選ばれています。しかし、治療を始めた後に後悔するケースも皆無ではありません。裏側矯正で失敗しないためのポイントや、治療中に注意すべき点をご説明します。
裏側矯正で失敗する原因とは?
1. 矯正歯科医の技術不足
裏側矯正は高い技術が求められる
一般的な表側矯正と比べて、裏側矯正は装置の取り付けや調整が難しく、矯正歯科医の技術力が大きく影響します。
経験の少ない医師では適切な治療ができない
治療計画が不十分だったり、調整のミスがあったりすると、歯の動きが予定通りに進まないことがあります。
実績や専門性を事前に確認する
医師の症例数や、裏側矯正に特化しているかどうかを事前にチェックすることが重要です。
矯正治療は長期間にわたるため、技術不足の医師に任せてしまうと、治療の遅延や仕上がりの悪さにつながる可能性があります。慎重に医師を選びましょう。
2. 事前のカウンセリング不足
治療方針やゴールが不明確なまま治療を始める
治療のゴールがしっかりと設定されていないと、途中で「思っていた仕上がりと違う」と感じることがあります。
リスクについて十分に説明を受けていない
裏側矯正には特有のデメリットがあり、発音の問題や装置の違和感について事前に知っておかないと後悔することになります。
治療期間や費用についての認識違い
「予想よりも時間がかかる」「追加費用が発生した」といった事態にならないよう、細かく確認しておくことが大切です。
カウンセリングの段階で納得がいくまで質問し、不安を解消しておくことで、治療途中での後悔を防ぐことができます。
3. 適応症例でないのに裏側矯正を選んでしまう
極端な不正咬合の場合は裏側矯正に向かない
歯並びが極端に悪い場合、裏側矯正では十分な治療効果が得られないことがあります。
舌の大きさや噛み合わせの問題
舌が大きい人や、過蓋咬合(噛み合わせが深い人)など、裏側矯正に向いていないケースもあります。
代替治療を検討すべき場合もある
表側矯正やインビザライン(マウスピース矯正)のほうが適している場合もあるため、適応症例かどうかを事前にしっかり確認することが重要です。
「見た目が気にならないから」という理由だけで裏側矯正を選ぶと、効果が得られずに後悔することがあります。自分に合った治療方法を選びましょう。
4. 装置の違和感や発音障害に耐えられない
舌が装置に当たって違和感が強い
裏側矯正では、装置が舌側についているため、舌に当たって口内炎ができたり、違和感が続いたりすることがあります。
発音がうまくできない
特に、サ行・タ行などの発音に影響が出るため、接客業やプレゼンが多い人は慣れるまで苦労することがあります。
慣れるまでの期間を耐えられない
違和感や発音の問題は時間とともに慣れていきますが、途中で我慢できなくなり、装置を外したくなる人もいます。
装置による違和感や発音の影響は、慣れれば軽減されますが、最初の数ヶ月は辛いと感じることが多いです。事前に心構えを持ち、慣れるための工夫をしましょう。
5. 口腔ケアが不十分で歯垢や虫歯が増える
裏側矯正は歯磨きが難しい
裏側に装置がついているため、歯垢が溜まりやすく、通常よりも丁寧な歯磨きが必要です。
虫歯が進行すると治療が中断する可能性もある
矯正中に虫歯ができると、治療を中断しなければならないこともあり、結果的に治療期間が延びることになります。
専用の歯ブラシやフロスを活用する
歯科医院で推奨される専用のブラシや、フロス・歯間ブラシを使うことで、しっかりとケアすることが大切です。
裏側矯正を成功させるためには、通常以上に口腔ケアに気を配る必要があります。定期的に歯科でクリーニングを受けるのも有効です。
6. 通院を怠ることで治療が長引く
定期的な調整をしないと歯がうまく動かない
矯正治療では、定期的に装置の調整を行う必要があります。通院を怠ると、歯の動きが遅くなり、治療期間が延びてしまいます。
自己判断で装置を外そうとする
「痛い」「違和感がある」などの理由で自己判断で装置を外そうとすると、歯の後戻りや噛み合わせのズレが生じることがあります。
忙しさを理由に通院を後回しにしない
矯正治療は長期戦です。仕事や学校が忙しくても、スケジュールを調整してきちんと通院することが重要です。
矯正は途中でやめてしまうと元の歯並びに戻る可能性があります。スケジュール管理を徹底し、確実に通院しましょう。
裏側矯正で失敗しないためのポイント

裏側矯正を成功させるためには、以下のポイントを意識することが重要です。
1. 信頼できる矯正歯科医を選ぶ
実績と経験を確認する
矯正歯科医の経験や、過去の症例数を確認しましょう。特に裏側矯正の実績が豊富な医師を選ぶと安心です。
口コミや評判を調べる
ネット上の口コミや、実際に治療を受けた患者さんの声を参考にすることで、医院の雰囲気や対応の良し悪しがわかります。
複数の医院で比較する
1つの医院に決める前に、複数の歯科医院でカウンセリングを受け、治療方針や費用を比較することをおすすめします。
経験豊富で信頼できる矯正歯科医を選ぶことで、治療の精度が向上し、トラブルのリスクを大幅に減らせます。医院との相性も重要ですので、慎重に選びましょう。
2. カウンセリングで十分な質問をする
治療内容について確認する
治療期間、装置の取り付け方法、治療後のケアなど、細かい点まで質問しましょう。
リスクについて聞く
裏側矯正のリスクやデメリット、発生し得るトラブルについて詳しく聞いておくことが大切です。
仕上がりのイメージを共有する
医師と希望する仕上がりのイメージを共有し、現実的な範囲でどう改善されるかを確認しましょう。
カウンセリングで不明点を解消することは、治療への不安を軽減し、医師との信頼関係を築く第一歩です。
3. 治療計画と費用を明確にする
治療期間のスケジュールを確認する
治療がどのくらいの期間かかるか、予想以上に長引く可能性がないかを聞きましょう。
費用の詳細を確認する
総額だけでなく、追加費用が発生する可能性や支払い方法についても把握しておきましょう。
保証内容を確認する
万が一のトラブル時に保証が受けられるかどうかも重要なポイントです。
治療計画と費用が明確であれば、予期せぬ問題が発生しても冷静に対応できます。また、適切な予算管理が可能です。
4. 装置の違和感に慣れるための準備
歯科用ワックスの使用
装置が舌に当たって痛む場合、歯科用ワックスを使うと痛みを軽減できます。
やわらかい食事を心がける
装置をつけた直後は、やわらかい食事を選ぶことで違和感を減らせます。
痛みが続く場合の対処法を確認する
痛み止めや適切なうがい薬の使用方法について、事前に医師に相談しておきましょう。
最初は違和感があっても、時間と工夫で慣れていくことができます。準備を整えておくと、ストレスが軽減されます。
5. 定期的なメンテナンスを欠かさない
通院スケジュールを守る
定期的な健診や調整を行うことで、治療がスムーズに進みます。
日常の歯磨きを徹底する
裏側矯正は歯垢がたまりやすいため、専用ブラシを使ってしっかり歯磨きを行いましょう。
装置の破損を防ぐ
装置が壊れないよう、硬い食べ物や粘着性のある食べ物は避けることをおすすめします。
メンテナンスを怠ると治療の進行に支障をきたします。歯科医師の指導をしっかり守り、日常ケアにも気を配りましょう。
これらのポイントを押さえることで、裏側矯正のデメリットを最小限に抑え、理想的な治療結果を得ることができます。後悔しないためには、事前の準備と治療中の意識的な取り組みが鍵となります。
裏側矯正ではどんな装置をつけるの?

裏側矯正は歯の裏側にブラケットとワイヤーの装置をつけます。歯科医院によっては、舌側矯正、リンガル矯正と呼ぶ場合があります。全顎矯正つまり全部の歯に装置をつける場合はフルリンガル、部分矯正する場合はハーフリンガルとも呼びます。
不正咬合(八重歯などの叢生、上下前突、開咬、ガミースマイル)など非常に多くの症例に適応します。歯の裏側にブラケットとワイヤーを装着して、歯を動かす方法です。
一般的な治療の流れは、まず、カウンセリングご来院時に、お口を歯科医師が拝見し、必要な方はレントゲン撮影などの検査も行います。裏側矯正を行うと決断されましたら、患者さんの歯列を型どりします。歯の表側より裏側は、より凸凹があるため大変難しく、担当医の知識やトレーニング、経験がものをいう治療です。
このような過程が必要となるために、表側にワイヤーをつける場合よりも費用が高くなるケースが多いです。
まとめ

今回は「裏側矯正で失敗しない為には?」という事についてご説明しました。裏側矯正はドクターの手腕により、大きく差が出る治療法です。また、自由診療の為、医療費控除対象ではありますが、決して安い料金では行えない治療です。保定装置終了まで、きちんと責任をもって診療してくれる歯医者さんで治療を行ってくださいね。