矯正すると老け顔になる？後悔しないやり方とは？

大阪矯正歯科グループ　歯科医師　松本 正洋

「歯列矯正で老け顔になる？」という噂がネット上にあります。後悔しない為にも正しい情報を得る必要があります。歯列矯正を検討中の方にとっては、咬み合わせや歯並び以外に、外見がどう変わるかというのは大変気になる問題だと思います。

例えば、出っ歯（前突）のケースでは歯がきちんと引っ込むのか、受け口のケースではどう改善するのか等、不安やお悩みは尽きないと思います。今回は、矯正すると、顔が変わるのか？についてご説明します。

矯正すると老け顔になるって本当？

大人の場合、矯正治療によって顔は変わりません。しかし治療後に頬がこけたり、ほうれい線が目立つようになったというケースには理由があります。

矯正治療で頬がこけてしまったケース

特にワイヤー矯正、裏側矯正で治療中の方は、歯に装置が付いているために食事の際に噛む事が辛いという方が一定数おられます。装置が歯に付いている間は固い食べものを避けますので、2～3年間は柔らかい食べ物が中心の食生活になります。

すると、頬筋（きょうきん）と呼ばれる頬の筋肉や、咀嚼筋（そしゃくきん）などのお口周りの筋肉が衰えるので、一時的に頬がこけてしまう患者さんはおられます。ただ、矯正治療が終わって食事が通常に戻ると、頬の筋肉も戻ります。ですので、ずっとこけたままというわけではありません。

矯正治療でほうれい線が目立つようになってしまったケース

ほうれい線については、出っ歯の治療をされた方が、抜歯を行ったことで前歯全体が引っ込んだために、ほうれい線が出てしまったというケースが考えられます。

ですが、抜歯は一概にデメリットであるというわけではありません。歯並びを治すためには歯を動かすためのスペースが必要です。抜歯によってスペースが出来ることで、歯を正常な位置に動かせる、そして綺麗な歯並びという大きなメリットにつながるからです。

矯正すると顔が変わるって本当？

歯科医院で矯正をすると、顔の状態が変わると聞いたからと悩んでいる方がおられます。まず結論から申し上げますと、大人の場合は歯科で歯並びの治療を行うことにより、顔は変わりません。ワイヤー矯正中の患者さんには、装置による審美的な印象に変化がありますが、終了してから顔が変わることはありません。

子供の場合は、成長期にあごの拡大装置を装着することにより、顔の形をより良くすることは可能です。

ただ、大人の場合は、治療期間が終了して保定装置を外したところで、顎の長さや、人中（じんちゅう）と呼ばれる鼻の下と上唇の間の長さは伸びたりしません。治療終了後に歯並び良くなることで、患者さんの顔の“印象”が変わるだけです。

どうすればそのような事を防げるの？

綺麗な歯並びになると言われても、ほうれい線は気になります。では、それらのトラブルを防ぐにはどのような方法があるのでしょうか。

トラブルを防ぐそのためには、歯科医院のドクターやスタッフに、患者さんがきちんと治療完了後のイメージを相談することです。

「矯正後にほうれい線が目立つのは嫌です。いい方法はないでしょうか」とカウンセリング時に伝えれば、しっかりとした歯医者ならば治療方法を提案してくれるでしょう。もしかしたら、歯を抜かずに非抜歯で治るケースかもしれませんし、インビザラインで歯を後方（奥歯の方向）に送ることによって歯が並ぶためのスペースを作れるかもしれません。

つまり、治療完了後のイメージをしっかり共有できるクリニックに出会う事です。そのためには、お手数でしょうがカウンセリングに複数来院し、選び抜くことが重要です。一般的に症例が多数ある歯科医院は、患者さんの希望などもすぐに理解できる歯医者である可能性が高いです。

矯正すると老け顔になるのかに関するQ&A

まとめ

今回は「矯正を行うと老け顔になる？後悔しない方法とは」という事についてご説明しました。実際に歯列矯正を行った場合、歯や口元の印象が綺麗になるため、笑顔になれる機会が多いと思います。

笑顔になる機会が多いという事は、口角が上がりますので、アンチエイジングにも効果があると考えられます。老化すると口腔の筋力低下、唾液の分泌を低下しますが、笑顔になると結果的にお口元のアンチエイジングに繋がるといわれています。