前歯の大きさは矯正治療で変えられる？

大阪矯正歯科グループ　歯科医師　松本 正洋

前歯の大きさに悩んでおられませんか？　歯が大きくてお悩みの場合、横幅が大きい場合と縦に長い場合があり、それ以外に実は前歯が大きいと思い込んでいるだけの場合も多く、気にしているのはご本人のみということもあります。

前歯のサイズのお悩みを解決したい場合、歯科医院ではどんな治療方法があるのかご説明します。

大きい前歯を小さくする治療方法

前歯が大きい場合、小さくするための治療法はいくつかあります。以下に代表的な治療方法を詳しく説明します。

1. セラミックの被せ物をする

歯を削って土台を作り、その上にやや小さく作成したセラミッククラウンを装着します。

メリット

• 天然歯と殆ど変わらない自然な見た目に出来ます。

デメリット

• 健康な歯を削る必要があります。
• 神経を取らなければならない場合があります。
• 自由診療なので費用が高額になります
• 治療のために数回の通院が必要になります。
• 小さく作りすぎるとすきっ歯になる場合があります。

2. 歯列矯正

場合によっては、歯列矯正が適切な解決策となることもあります。2番の歯がやや後ろに引っ込んでいて1番の前歯がより大きく見える場合などは、矯正治療によって全体の歯列を整えることで見た目を改善できます。

• 矯正装置を使用して歯を動かし、理想的な位置に整えます。

メリット

• 全体の噛み合わせと見た目が改善されます。
• 歯を削ったりセラミックを被せたりせずに歯の見た目を改善できます。

デメリット

• 治療期間が長く、コストが高い場合があります。

3. 歯を削る

エナメル質の部分を削って歯を少し小さくします。

メリット

• 手早く歯の形を整えることが出来ます。

デメリット

• 削り過ぎると知覚過敏を起こす場合があります。
• エナメル質が薄くなるため、将来的に虫歯のリスクが高まります。
• すきっ歯になる場合があります。
• 削った部分に食べ物のカスが挟まりやすくなることがあります。

前歯が大きい方の矯正方法

前歯の大きさでお悩みの方へ歯列矯正での治療方法をご説明します。

前歯が大きい方の矯正方法

上顎の前歯の大きさでお悩みの方には、歯を削り、目立たないようにすることが一般的です。歯の表面にはエナメル質が1mm程度存在し、そのエナメル質の部分のみならば削っても痛みが出にくいといわれています。

歯をほんの少し削るだけで改善すれば、それに越したことはありません。ただ、前歯を削ることで隙間が空き、すきっ歯（空隙歯列）などのリスクが高くなるデメリットをご承知おきください。

もしすきっ歯になってしまった場合に、隙間を閉じるための治療方法は２つあります。

1.部分矯正

1つ目は部分矯正で隙間がない状態に歯を並べることです。少し出っ歯気味の方は、部分矯正で出っ歯も少し引っ込みますので、よりきれいな歯列になります。部分矯正はワイヤー矯正、マウスピース矯正等の矯正装置を使って行います。

2.セラミック矯正

2つ目は、歯を更に小さく削ってセラミックのクラウンを被せる治療を行って歯の大きさのバランスを整えることです。歯を削る際に痛みが出れば、神経を取る処置を行わなければなりません。一般的にセラミック治療やセラミック矯正と呼ばれる治療です。

被せ物は、審美性や強度が高いジルコニアセラミックや、セラミック100％の材質で歯科技工士が作製するオールセラミックをおすすめします。コンピューターで作製するセレッククラウンは、色の選択肢が少ない事と審美性が低いため、前歯には不向きといえます。

https://www.osaka-kyousei.com/kyousei5.html

子供の前歯が大きい場合はどうする？

例えば成長期の子供の場合、永久歯がまだ生えそろっていない為、大人に比べて乳歯と永久歯が混在していて、まだあごが小さい状態です。大人と比べるとどうしても永久歯が大きく見えがちで、舌で前歯を押す癖などがあると出っ歯になる可能性もありますが、前歯が大きい問題のみで、出っ歯になることは殆どありません。

まだ成長期であるため、永久歯の前歯が大きいと感じても、すぐにどうこうしなければならない訳ではありません。

しかし指しゃぶりなどの癖があった場合は前突や開咬になる可能性があります。このような癖は舌癖と呼ばれるもので、歯並びに影響が出ます。す。指しゃぶりをやめれば、上顎前突などは予防できます。

https://www.osaka-kyousei.com/column/1274.html

前歯が大きいってどういう状態？

なぜ前歯が大きいというお悩みが発生するのでしょうか。

前歯が大きいと感じるボーダーライン

前歯の幅が平均的に9mmを超えると、前歯が大きいと感じる方が多いようです。もちろん、中央の前歯（中切歯と専門的に言います）自体が本当に大きいケースもあります。ただ、その隣の歯が小さい為、通常のサイズの前歯なのに、比較して必要以上に大きく見えてしまうこともあります。

他人が見た時に美しいと感じる黄金比率では、中切歯：側切歯：犬歯＝1.618：1.0：0.618 という比率になります。この比率であれば、歯のサイズはそれほど気にする必要はないといえます。

前歯の長さに関しては、スマイルラインのバランスが崩れて前歯2本だけが長く見える場合に長いと感じるケースが多いです。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/asj/116/1/116_1_15/_article/-char/ja/

患者さんのご両親の前歯が大きく、患者さんも前歯のサイズの大きさでお悩みの場合は遺伝と言えるかもしれません。そうではない場合は前歯が大きかったり小さかったりする明らかな原因は、はっきりとわからないケースが多いです。

前歯の大きさは矯正治療で変えられるかに関するQ&A

まとめ

今回は「前歯の大きさの矯正」についてご説明しました。
少しでも気になるなと思われたら、無料カウンセリングを活用して気軽に相談してみましょう。トータルの料金や方針も、インターネットなどの情報だけではわからないことも多いです。歯医者さんできちんとお口を診てもらって治療を検討するなど、ご自分で考える時間を作って、お悩みの軽減を目指してはいかがでしょう。