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インビザラインでチューイーを噛みすぎて痛い!

インビザラインのチューイーを噛みすぎて痛い!

インビザライン治療では、アライナーをしっかりと歯に密着させるために「チューイー」を噛むことが推奨されています。しかし、噛みすぎると歯や歯茎に負担がかかり、痛みを引き起こすことがあります。チューイーの適切な使い方や痛みを防ぐ方法をご説明します。

インビザラインのチューイーとは?

インビザライン アライナー・チューイー

インビザラインを使用中の患者さんの中には、「チューイー」という小さなシリコン製のアイテムを噛むように指導された方も多いでしょう。これは、アライナーをしっかりと歯に密着させるための大切な補助アイテムです。

チューイーとは?

チューイー(Chewie)は、インビザラインのアライナーをしっかり密着させるための柔らかいシリコン製のチューブ状アイテムです。適切に使用することで、矯正効果を最大限に引き出すことができます。

チューイーの主な役割

・アライナーが歯にしっかりフィットするのを助ける
・アライナーをしっかりと装着することで歯の移動をスムーズにする
・適切な圧力をかけることで治療効果を高める

チューイーを正しく使うことで、インビザラインの治療効果を最大限に引き出すことができます。しかし、「噛みすぎたみたいで、痛い!」と感じる患者さんもおられます。

では、なぜチューイーを噛みすぎると痛みが出るのでしょうか?

チューイーを噛みすぎると痛くなる理由

アライナーをしっかりフィットさせるためにチューイーの使用はとても大切ですが、噛みすぎると逆効果になることがあります。その理由を見ていきましょう。

1. 歯に過度な圧力がかかる

・チューイーを噛むことで、歯に力が加わります。
・しかし、過剰に噛み続けると歯が痛くなることがあります。
・特に、アライナーを交換した直後は歯が動き始める刺激で、痛みを感じやすいです。

2. 歯茎に負担がかかる

・あまり強く噛むと、歯茎にも影響を与える可能性があります。
・歯茎が炎症を起こし、腫れが起こることもあります。

3. 顎関節に負担がかかる

・チューイーを長時間噛み続けると、顎の関節に負担がかかります。
・これが原因で、顎が疲れたり、痛みを感じたりすることもあります。

チューイーを噛みすぎて痛い原因

強く噛みすぎて歯や歯茎に負担がかかっている
長時間噛み続けて歯が疲労している
アライナー交換後の痛みが強い状態で無理に噛んでいる
片側ばかりで噛んでいるため、特定の歯に負担が集中している

チューイーを適切に使う方法

インビザライン チューイーを噛む

チューイーの使用は、インビザラインのアライナーを歯にしっかりとはめるためにとても重要です。しかし、「どのくらい噛めばいいの?」 「噛む力は強いほうが効果的?」と疑問に思う患者さんもおられるでしょう。適切な方法で使用することで、痛みを避けながらアライナーのフィット感を高めることができます。

1. 使用時間を守る

「長く噛めば効果が高まる」と思われがちですが、実はそれが痛みの原因になることもあります。

目安としては、1回あたり5分程度の使用が適切 です。これは、チューイーを使用することでアライナーを適切に密着させるには十分な時間だからです。

推奨される使用タイミング

・アライナーを交換した直後・・新しいアライナーはフィットしにくいため、最初にしっかり噛んで馴染ませることが大切です。
・食事後にアライナーを再装着する際・・アライナーは一度外すと少し浮くことがあります。そのため、再装着後にチューイーを使用すると、よりしっかり密着します。

噛む時間を長くしすぎると、歯に不要な圧力がかかり、痛みが出る原因になることがあります。

2. 軽く噛む

「強く噛めばよりフィットする」と思われがちですが、これは誤解です。強く噛みすぎると、歯や歯茎に余計な負担がかかり、痛みや炎症の原因になる可能性があります。

適切な噛み方のポイント

・「グッ」と噛むのではなく、「じわーっと」優しく押し込むイメージで噛みます。
・一箇所だけでなく、左右均等に噛むようにしましょう。
・前歯と奥歯の両方をバランスよく使い、まんべんなく圧力をかけることが重要です。

特にアライナー交換直後は歯が動きやすくなっているため、痛みが出やすい時期です。強く噛みすぎず、適度な力で使うことを心がけましょう。

3. 1日2〜3回程度にする

「チューイーはたくさん噛めば噛むほど効果的」と思われるかもしれませんが、噛みすぎは逆効果です。

理想的な使用頻度

・1日 2〜3回程度 が適切な回数とされています。
・1回の使用時間は 5分前後 にとどめましょう。
・特にアライナーを装着した直後はしっかり噛むことが推奨されますが、1回の使用で十分に密着させることが大切 です。

噛みすぎると顎関節に負担がかかり、顎の痛みや疲労の原因になることもあるため、適度な回数を意識しましょう。

4. いろいろな方向で噛む

チューイーを使う際に 「同じ場所だけで噛んでしまう」 という方もいらっしゃるかもしれません。これは、歯の一部だけに過度な圧力をかけてしまい、歯の痛みや違和感を引き起こす原因 となります。

理想的な噛み方

・前歯・奥歯・左右すべてをバランスよく使用 する。
・片側ばかりで噛まないよう意識 する。
・上下の歯が均等にアライナーに密着するように調整 する。

偏った噛み方を続けると、特定の歯に強い負担がかかり、痛みや違和感が出ることがあります。

5. 使用するチューイーを清潔に保つ

意外と見落としがちなのが、チューイーの衛生管理です。チューイーは口の中で使用するため、清潔に保たないと細菌の繁殖が進み、口内環境の悪化を招く可能性 があります。

チューイーの正しいケア方法

・使用後は必ず洗う・・チューイーを使用した後は、流水で洗い流し、清潔なティッシュやガーゼで水分を拭き取ります。
・定期的に交換する・・チューイーは使い続けると劣化するため、1週間〜2週間を目安に交換 しましょう。
・専用のケースで保管・・直接ポケットやバッグに入れると、ホコリや細菌が付着する可能性があります。専用ケースを使うことで衛生的に保つことができます。

チューイーが汚れた状態で使用すると、細菌が口の中に広がり、口臭や歯茎の炎症につながることがあるため注意しましょう。

6. チューイーの種類を選ぶ

実は、チューイーには さまざまな種類 があり、硬さや形状が異なります。患者さんの状態によっては、硬いものが合わない場合もあるため、自分に合ったものを選ぶことが重要 です。

チューイーの種類と特徴

・柔らかめのチューイー(初心者向け)・・歯に優しいが、噛み応えは少し弱め。
・標準タイプ(一般的な硬さ)・・バランスの取れた硬さで、多くの患者さんに適している。
・硬めのチューイー(しっかり密着させたい方に)・・アライナーのフィット感を高めるが、強く噛みすぎると痛みが出る可能性あり。

「硬すぎると痛い」「柔らかすぎると効果が感じにくい」といったことがあるため、自分に合った硬さを選ぶことが大切です。

チューイーを適切に使うことで、アライナーがしっかり密着し、治療の効果を高めることができます。しかし、「長く噛めばいい」「強く噛むほど効果的」といった誤解が、痛みの原因になることも。

適切な使用ポイント

  1. 1回5分程度、1日2〜3回を目安に使用する
  2. 強く噛みすぎず、優しく圧をかける
  3. 前歯・奥歯・左右をバランスよく使う
  4. 使用後は清潔にし、1〜2週間ごとに交換する
  5. 自分に合った硬さのチューイーを選ぶ

これらのポイントを意識して、快適にインビザライン治療を進めていきましょう。

痛みを軽減するための対処法

「チューイーを噛みすぎて痛い!」と感じた場合、どのように対処すればよいのでしょうか?

1. チューイーの使用を一時的に控える

・痛みがあるときは、無理にチューイーを使わないようにしましょう。
・1日程度休むだけで、痛みが和らぐことがあります。

2. 痛みがひどい場合は冷やす

・氷や冷たいタオルで頬を冷やすと、炎症を抑えることができます。
・ただし、長時間冷やしすぎないように注意しましょう。

3. 痛み止めを使用する

・我慢できない痛みがある場合は、市販の鎮痛剤を使うのも方法の一つです。
・ただし、薬に頼りすぎないよう注意が必要です。

4. 歯科医に相談する

・長引く痛みがある場合は、歯科医院で相談しましょう。
・インビザラインの調整が必要な場合もあります。

これらの対処法を試すことで、痛みを和らげながらインビザラインの治療を続けることができます。

噛みすぎによる影響を防ぐためのポイント

1. 無理に噛まない

「しっかり噛まないといけない!」と思いすぎず、適度な力で噛むことが大切です。

2. 正しい方法で使用する

適切な使用時間を守り、左右均等に噛むことを意識しましょう。

3. 体のサインに耳を傾ける

痛みを感じたら、無理せず使用を控えることが重要です。

まとめ

インビザラインのチューイーは、治療をスムーズに進めるための大切なアイテムですが、噛みすぎると痛みが出ることがあります。その原因は、歯や歯茎、顎関節への過度な負担によるものです。

痛みを防ぐためには、適切な使用時間を守り、優しく噛むことが大切です。万が一痛みが出た場合は、チューイーの使用を控える、冷やす、歯科医に相談するなどの対処法を試してみてください。

インビザライン治療を快適に進めるために、チューイーを上手に活用していきましょう。

こんな時は歯科医院へ相談!

チューイーを噛むたびに強い痛みがある
歯がしみる・ズキズキ痛む
アライナーがフィットしない・浮いてしまう

 

この記事の監修者

医療法人真摯会
理事長 歯科医師 総院長
松本正洋
クローバー歯科、まつもと歯科 総院長。国立長崎大学歯学部卒業。1989年歯科医師免許取得。1998年医療法人真摯会設立。矯正歯科の認定多数。日本抗加齢医学会 認定医。

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