インビザライン

インビザラインはアライナーの交換日数が決まっているの?

インビザラインはアライナーの交換日数が決まっているの?

インビザラインでの治療で重要なポイントは、「アライナーの装着時間」と「アライナーの交換日数」の管理です。アライナーは、患者さんの歯並びに応じてカスタムメイドされ、歯を少しずつ移動させていきます。インビザラインのアライナー交換日数に関する基本情報や注意点、理想的な治療を進めるためのヒントについてご説明します。

インビザラインのアライナー交換日数の基本

アライナーは数年前までは2週間に1回の交換といわれていましたが、現在ではアラインテクノロジー社から、歯科医師の判断によって1週間ごとの交換でも良いとの公式見解が発表されており、交換の頻度は従来よりも早まっています。

インビザライン治療では、患者さんお一人おひとりの歯並びや治療計画に基づいて、複数のアライナーが作製されます。アライナー1枚で、歯を約0.25mm移動させる設計となっており、通常、1週間から10日ごとに新しいアライナーに交換します。この交換サイクルを繰り返すことで、歯を理想的な位置へと動かしていきます。

目安としては、1カ月で1mmぐらい歯が移動する計算になります。

アライナー交換日数を決定する要因

アライナーの交換日数は、以下の要因によって決定されます。

1. 年齢による歯の動く速度の違い

若い年代は代謝が活発で歯の移動も速いため、交換日数を短縮できる場合があります。一方、高齢の患者さんは一般的に代謝が低下していることが多く、歯の移動速度が遅くなる傾向があるため、交換日数が長くなることがあります。

2. 不正咬合の程度

歯並びの乱れが軽度であれば、歯の移動が少ないため、アライナーの交換日数を短縮できる可能性があります。しかし、重度の不正咬合の場合、慎重な歯の移動が求められるため、交換日数が長く設定されることがあります。

3. 装着時間が守れているか

アライナーは1日22時間以上の装着が推奨されています。装着時間が短いと、計画通りに歯が移動しないばかりか、僅かに後戻りが起こることもあり、その結果交換日数が延びる可能性があります。

4. 骨密度や歯の健康状態

患者さんの骨密度や歯周組織の健康状態も関係があります。骨密度が低い患者さんでは、歯の移動速度が遅くなる可能性があるため、交換日数を長めに設定することがあります。また、歯周炎などの問題がある場合、歯周組織が炎症によって弱くなっており、治療に悪影響を及ぼすことがあります。治療前の口腔ケアや歯周治療が不可欠です。

5. 使用する治療技術や計画

最近では、アライナー交換を短期間で進める「加速化治療」の技術も登場しています。これには、微振動を利用したデバイスやレーザー治療などが含まれ、骨のリモデリングを促進することで歯の移動を速めます。このような技術を使用する場合、交換日数を短縮することが可能です。

6. 医師の判断と患者さんの協力

治療計画は、患者さんの協力状況や医師の経験・判断に基づいて決定されます。医師は定期的な健診で歯の移動状況を確認し、必要に応じて交換日数を調整します。患者さんがしっかりと医師からの指示に従って装着時間を守ることで、計画通りの治療が進められます。

アライナー交換日数を予定通りに行う方法

治療期間を短縮したい場合は、以下のポイントに注意しましょう。

装着時間の遵守

1日22時間以上の装着を守ることで、計画通りの歯の移動が期待できます。

チューイーの使用

アライナーをしっかりと歯にフィットさせるために、シリコン製のチューイーを噛むことが推奨されます。チューイーを噛んでアライナーがしっかりと歯に密着するようにすると、アライナーがより良く歯にフィットするため、歯の移動が促進されます。

口腔内の清潔保持

歯磨きやデンタルフロスを用いて、お口の中を清潔に保つことで、お口の健康が維持され、歯の移動がスムーズに進みます。

アライナー交換に関する注意点

アライナーの交換に際しては、以下の点に注意が必要です。

  • 自己判断での交換は避ける・・医師の指示なしに交換日数を短縮すると、歯や歯周組織に過度な負担がかかり、治療計画が乱れる可能性があります。
  • 紛失や破損に注意・・アライナーを紛失・破損すると、治療が遅延する可能性があります。食事や歯磨きの際には専用ケースに保管し、取り扱いに注意しましょう。
  • 定期健診の受診・・定期的な健診を受けることで、治療の進捗状況を確認し、必要に応じて治療計画の修正が行われます。

まとめ

インビザラインのアライナー交換日数は、患者さんの年齢、不正咬合の程度、装着時間などによって決定されます。治療期間を短縮するためには、決められた装着時間を守り、口腔内を清潔に保つことが重要です。

また、自己判断で交換することは避け、医師の指示に従うことが大切です。定期的な健診を受けながら、計画的に治療を進めていきましょう。

この記事の監修者

医療法人真摯会
理事長 歯科医師 総院長
松本正洋
クローバー歯科、まつもと歯科 総院長。国立長崎大学歯学部卒業。1989年歯科医師免許取得。1998年医療法人真摯会設立。矯正歯科の認定多数。日本抗加齢医学会 認定医。

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