歯科矯正全般

歯列矯正で歯が動きやすいのはどんな人?

歯列矯正で歯が動きやすいのはどんな人?

歯列矯正では、歯がどの程度動きやすいかは治療の進行に大きく影響し、治療期間が短くなることも少なくありません。患者さんにとっては、少しでも早く快適な状態に到達したいものです。歯が動きやすい人の特徴、治療を効果的に進めるためのポイントや生活習慣についてご説明します。

歯列矯正で歯が動きやすい人の特徴とは?

歯列矯正で歯が動きやすい人にはいくつかの特徴があり、特に、成長期の子どもや若年層は骨が柔軟で、矯正による歯の移動がスムーズに進むため治療期間が短くなりやすいです。また、軽度の不正咬合の場合、歯を移動するスペースや負担が少なくなることで動きやすくなります。新陳代謝が良い人も治療効果が高まりやすく、健康的な生活習慣や規則正しいケアが治療を助ける要素となります。

これらの特徴に加え、歯ぎしりなどの悪習慣を控え、医師の指示に従って定期的に通院することで、治療がさらにスムーズに進む傾向があります。

成長期の子どもが有利な理由

学生

成長期の子どもが歯列矯正で有利なのは、骨の柔軟性と成長発育の過程が関係しています。成長期には骨が柔らかく、柔軟性があるため、歯が移動しやすく、治療もスムーズに進むことが多いです。また、この時期は骨や組織の代謝が活発で、矯正によって歯が移動する際に必要な骨の再構築が効率的に行われます。

さらに、成長期に矯正を始めることで、顔の成長や顎の発達に合わせた自然な歯の並びが実現しやすく、治療の完成度が高まる点もメリットです。

1. 骨の柔軟性

子どもは骨が柔らかいため、歯が移動しやすく、治療期間が短縮されやすいです。

2. 成長期の自然な骨形成

骨の成長が進むことで、矯正治療中の歯の位置が自然に改善されることもあります。成長期の柔軟な骨の動きが治療に有利に働くため、子どもや若い人は比較的治療が早く進む傾向があります。

軽度な不正咬合では治療期間が短い

時計とカレンダー

矯正治療の難易度は、歯並びの状態にも影響されます。例えば、不正咬合が軽度であると、歯を動かす距離が短いため、治療期間も短縮されやすくなります。

軽度な症状のメリット

軽度な不正咬合であれば、移動距離が短くて済むため、歯が動きやすいです。これは、歯を大きく動かさないので歯の負担が少なく済むことが影響します。

スペースの確保が大切

矯正治療では、歯を動かすためのスペースが確保されていることが重要です。顎が大きい人や歯が小さめの人は、自然に歯が動きやすい傾向にあります。逆に顎が小さく歯のスペースが狭い場合は、スペース確保のために抜歯が必要なこともあります。

生活習慣と代謝の重要性

生活習慣

歯列矯正において、生活習慣や新陳代謝も歯の動きやすさに影響を与えます。以下の要素を整えることで、治療を効率化することが可能です。

代謝が良い人は治療に有利

代謝が高いと歯列矯正で歯が動きやすくなる理由は、骨の代謝が速くなるからです。矯正治療で歯が動く際には、歯の根の周囲の骨が一旦吸収され、新しい位置に移動した歯を支えるために骨が再構築される必要があります。

この吸収と再生のプロセスが代謝の速さによって活発に行われることで、歯の移動が効率的に進みます。また、代謝が高いと血流が良くなり、栄養や酸素が豊富に供給され、骨や歯周組織の健康が維持されるため、矯正装置による治療がスムーズに進みます。

口周りの悪習慣に注意

歯ぎしりや食いしばり、舌で歯を押す癖があると、矯正の効果が弱まります。これらの習慣があると、歯に余計な力がかかり、治療が遅れる原因となります。

医師の指示を守ることと通院の大切さ

診療

矯正治療中、医師の指示を守って装置の使い方や口腔ケアに注意することも、治療期間を左右します。

装置の正しい使用

装置の使用方法を守らないと、期待通りに歯が動かなくなります。毎日指定された時間装置を使用し、歯磨きや健診を欠かさないことで、治療がスムーズに進みます。

定期通院の重要性

医師の指示通りに定期的に通院することで、問題が早期に発見され、適切な調整が行われます。矯正治療は24時間続く治療であるため、通院を欠かさないことが治療促進につながります。

歯が動きやすい条件を備えていない人向けの治療促進方法

歯が動きやすい条件に該当しない場合でも、治療を早く進める方法はいくつかあります。以下の方法を試してみてください。

健康的な生活を心掛ける

栄養バランスの良い食事、規則正しい生活、適切な睡眠を心掛けることで代謝が上がり、歯が動きやすくなります。

歯磨きや健診を徹底する

矯正中はお口の中のケアが特に大切です。歯磨きや定期的な健診を欠かさず行うことで、虫歯や歯周病を予防し、矯正の妨げになる要因を取り除けます。

歯を早く動かすための装置を使う

当院では、治療を早く終えたい患者さんに、PBMヒーリングという装置をご紹介しています。

PBMヒーリングは矯正装置を付けた上から歯全体を覆う形でLEDによる近赤外線(850nm)ライトを照射します。それにより、骨や神経、皮膚の活性化を起こして歯の動きを加速させる装置です。

当院の矯正患者さんで、PBMヒーリングの購入を希望される場合は、担当医にお申し付けください。

https://www.osaka-kyousei.com/kyousei_invisalign/pbm.html

まとめ

歯列矯正中の歯の動きやすさは、患者さんの治療期間や効果に大きく関わります。一般的に歯年齢や骨の柔らかさ、生活習慣、症状の程度といった要素が歯の動きやすさに影響を与えますが、いずれの場合も毎日のデンタルケアが大切です。

歯が動きにくい患者さんも、歯の移動を促進する方法がありますので、治療を早く終えたい方は担当医にご相談ください。

この記事の監修者

医療法人真摯会
理事長 歯科医師 総院長
松本正洋
クローバー歯科、まつもと歯科 総院長。国立長崎大学歯学部卒業。1989年歯科医師免許取得。1998年医療法人真摯会設立。矯正歯科の認定多数。日本抗加齢医学会 認定医。

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