歯科矯正全般

顔のゆがみは歯列矯正で治せる?

顔のゆがみは歯列矯正で治せる?

顔のゆがみは見た目の問題だけでなく、噛み合わせや発音などの機能面にも影響を及ぼすことがあります。歯列矯正と顔のゆがみの関係性や治療方法、効果についてご説明します。

顔のゆがみの原因別分類

顔のゆがみには様々な原因があります。大きく分けて、遺伝的要因と環境要因、そして生活習慣に起因するものがあります。

遺伝的要因

顔の骨格や歯並びは、遺伝によって大きく影響されます。親から受け継いだ顔の特徴が、ゆがみの原因となることがあります。

環境要因

乳児期や幼児期における顎の発育不良や外傷なども顔のゆがみの原因となります。

生活習慣

頬杖をつく、片側だけで噛む、姿勢が悪いなどの日常の習慣が、長期的に顔のゆがみを引き起こすことがあります。

顔のゆがみの具体的な原因

顔のゆがみの原因は様々ですが、代表的な原因についてご説明します。

1. 噛み合わせの不良

  • 原因・・歯の位置が正しくない、顎の成長のアンバランス、歯科治療の影響。
  • 影響・・顎の位置がズレて顔の非対称を引き起こす可能性があります。

2. 姿勢の悪さ

  • 原因・・長時間のスマホ使用、パソコン作業、片方だけでカバンを持つなど。
  • 影響・・長時間にわたる悪い姿勢が顔や体全体のゆがみを助長します。

3. 骨格の問題

  • 原因・・生まれつきの骨格の非対称、成長期の怪我や病気。
  • 影響・・骨格のゆがみが直接的に顔の非対称を引き起こします。

4. 筋肉のアンバランス

  • 原因・・顎を片方だけで噛む癖、顔の片側だけに力を入れる表情の癖。
  • 影響・・使う筋肉が発達し、使わない筋肉が萎縮することで顔がゆがみます。

5. 生活習慣

  • 原因・・片方だけで横向き寝をする、偏った食生活。
  • 影響・・特定の側に負荷がかかることで顔や体全体のバランスが崩れます。

6. 歯並びや歯の欠損

  • 原因・・歯の欠損、虫歯、矯正治療の影響。
  • 影響・・歯並びの悪さが噛み合わせや顎の位置に影響を及ぼし、顔の非対称を引き起こします。

7. 顎関節症

  • 原因・・ストレス、噛み合わせの問題、顎の過度な使用。
  • 影響・・顎の動きに制限が生じ、顔のゆがみを引き起こすことがあります。

8. 外傷

  • 原因・・事故や怪我。
  • 影響・・顔の骨や筋肉がダメージを受けることでゆがみが生じます。

歯列矯正が顔のゆがみに与える影響

歯列矯正は、単に歯並びを整えるだけでなく、顔全体のバランスや形状にも影響を与えることができます。

歯並びの改善と顔のバランス

歯並びが悪いと、顎や顔の筋肉にかかる力が不均等になり、顔のバランスが崩れることがあります。矯正治療によって歯並びを整えることで、顔全体のバランスが改善されます。

噛み合わせの調整と顔の形状

不正咬合(噛み合わせの悪さ)は、顎の位置や形に影響を与えます。歯列矯正により噛み合わせを正常な状態にすることで、顎の位置も正常に戻り、顔の形も改善されます。

歯列矯正の具体的な治療方法

歯列矯正にはいくつかの方法があり、それぞれに特徴と効果があります。

ワイヤー矯正

ワイヤー矯正

最も一般的な矯正方法で、ブラケットと呼ばれる小さな装置を歯に貼り付け、ブラケットにワイヤーを通して力をかけて歯を動かします。殆どの不正咬合に対応出来、歯の位置の微調整も可能です。

裏側矯正(舌側矯正)

裏側矯正

ワイヤーとブラケットを歯の裏側に付けます。装置が目立たないのが特徴です。出っ歯の矯正に向いています。

マウスピース矯正(インビザライン)

インビザライン

透明なプラスチック製のマウスピースを7~10日毎に付け替えて、段階的に歯を動かしていく矯正方法です。見た目が気にならないため、大人に人気があります。

1日22時間以上の装着が推奨され、食事と歯磨きはマウスピースを外して行います。

セラミック矯正

セラミッククラウン

装置を付けて歯を動かすのではなく、歯を削ってセラミックの被せ物を被せることで歯並びや歯の形をきれいに見せる方法です。見た目が自然で、審美性が高い矯正方法で、前歯の矯正に適しています。

歯列矯正で改善が見込めない場合は外科手術を検討する

歯列矯正で歯を動かして噛み合わせを整えるだけでは顔のゆがみが治らない場合、骨格のゆがみが原因で起こってるケースということが考えられます。

その場合は外科矯正の適用となりますので、セットバック手術などを行っている歯科医師とのカウンセリングによって治療方法を慎重に決める必要があります。

セットバック手術は当歯科グループでは大阪梅田のカトレア歯科で行っています。手術は全身麻酔下で行われますが、入院の必要はなく日帰りの手術となります。

歯列矯正を考える際の注意点

歯列矯正を始める前に考慮すべきポイントをいくつかあげます。

年齢と治療効果

矯正治療は子供から大人まで受けることができますが、年齢によって治療効果や期間が異なります。若いほど骨が柔軟で歯が動きやすいため、治療がスムーズに進みます。

治療期間と痛み

矯正治療には数ヶ月から数年の期間が必要です。最初の数週間は痛みを感じることがありますが、徐々に慣れてきます。マウスピース矯正は比較的痛みの少ない治療方法です。

費用と保険適用

矯正治療は高額な場合が多く、基本的に保険が適用されません。費用面での計画も重要です。

まとめ

歯列矯正は、顔のゆがみを改善するだけでなく、全身の健康にも良い影響を与えます。見た目の美しさが増し、自信を持てるようになるだけでなく、噛み合わせや発音などの機能面でも大きなメリットがあります。

しかし、骨格が原因で顔がゆがんでいる方は、矯正治療で歯を動かすだけでは歪みが改善しない場合があります。その場合は担当医と良く相談の上、外科矯正を検討する必要があります。

この記事の監修者

医療法人真摯会
理事長 歯科医師 総院長
松本正洋
クローバー歯科、まつもと歯科 総院長。国立長崎大学歯学部卒業。1989年歯科医師免許取得。1998年医療法人真摯会設立。矯正歯科の認定多数。日本抗加齢医学会 認定医。

▶プロフィールを見る